山梨県の、とある市をご紹介します。甲府盆地の東に位置し、市の中心には川が流れています。この市は桃の生産量が日本一の地として知られ、桃の花が咲く時期には市内は桃色に包まれます。その光景はまさに「桃源郷」と呼ぶにふさわしい場所です。
笛吹市ってどんなところ?
山梨県笛吹市は、平成16年10月に6町村合併により誕生しました。市内には歴史的価値の高い寺が数多く点在しており、全国屈指の温泉郷にも数えられる石和温泉郷を有する地としても知られています。
また、笛吹市は肥沃で水はけの良い土壌で日照時間も長く、昼夜の寒暖差が大きい土地です。この環境が果樹栽培に適しており、桃のほかにもぶどうの生産も盛んに行われています。全国に誇れる果樹栽培の地域を作り上げた先人の偉業を称え、市は平成17年10月に「桃・ぶどう日本一の郷」宣言を、平成25年4月には「日本一桃源郷」宣言を行いました。
桃の栽培は、市内を流れる笛吹川対岸の扇状地帯で特に盛んです。ここに植えられている桃の花は例年4月上旬から見頃を迎え、笛吹市に春の訪れを告げ、あたり一面を桃色に染め上げます。笛吹市一宮町にある一宮町花見台からは市内が一望でき、桃の花のお花見スポットとして人気です。市内が一面桃色に包まれた様子は、まさに日本一桃源郷宣言にふさわしい絶景として、訪れる人々の心をつかんでいます。
お出かけの前に開花状況のチェックを!
桃の花が咲き始める時期に合わせて、笛吹市各所で「笛吹市桃源郷春まつり」が開催されます。メイン会場は、桃の花を絶好のロケーションで楽しめる八代ふるさと公園で、毎年4月10日には桃源郷の日を記念して花火も打ち上げられるなど、市をあげた春の一大イベントなのです。市内のお花見スポットを廻るバスやタクシーも運行されているので、初めて笛吹を訪れる人でも効率良く市内を廻ることができます。
市内で見ることができる桃の花は主に3種類で、それぞれ開花時期が少しずつ異なります。桃源郷と呼ばれる扇状地に植えられている桃は食用で、開花時期は例年4月上旬から中旬にかけてです。それよりも少し早く開花するのが早咲きの花桃です。こちらの開花は食用の桃と比べて1週間から10日早いのが特徴です。桃の実は成りますが食べることはできません。食用桃の花よりも花の色は濃い目のピンクであったり、赤と白が混ざった色であったりと様々です。
そして、食用の桃から1週間から10日ほど遅く開花が始まるのが、しだれ花桃です。その名の通り、地面に向かって枝がしだれ、そこにびっしりと花をつけます。鑑賞用として作られた品種なので、早咲きの桃と同様、実は成りますが食べられません。花の色は濃い目のピンクや赤、白など様々です。お目当ての桃の花があれば、お出かけする前に必ず開花状況はチェックしておきましょう。
笛吹の桃はもちろん食べてもおいしい!
春になると私たちに美しい景色を見せてくれる笛吹市の桃は、もちろん食べてもおいしいですよ。中でも笛吹市春日居地区で栽培されている桃は特に高品質な桃として流通しています。春日居地区での桃の栽培は大正時代にまで遡ります。第二次世界大戦中には桃の木が伐採されるなどの危機もありましたが、農家のたゆまぬ努力によって、山梨最高級ブランドとしての地位を築きました。
また、夏に桃の収穫シーズンを迎える笛吹市内では、桃狩りを行う農園もたくさんあります。大きくて甘い桃を、日本一の桃の里で楽しむなんてとても贅沢ですよね。春の桃の花まつりだけではなく、夏の桃狩りもぜひ押さえておきたい山梨の定番観光です。
見て良し、食べて良し!笛吹の桃
春のお花見というと桜のイメージが先行しがちですが、山梨県笛吹市の春の象徴といえば桃の花です。先人たちから大切に受け継がれてきた桃の花は、日本の美しい桃源郷として、今なお多くの人々を魅了し続けています。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 毎年4月に「桃の花まつり」が行われ、桃を使ったスイーツも多数存在する山梨県の市は?
A. 笛吹市
Q. 山梨県の「笛吹市」が誕生したのはいつ?
A.2004年