ジャガイモやカボチャをしるこ状にした山梨県の郷土料理で、「朝はこれ、夜はほうとう」などといわれるのは?

ジャガイモやカボチャをしるこ状にした山梨県の郷土料理をご紹介します。山梨県民にはなじみ深い料理で、ほうとうと並んで一般的に食べられる郷土料理だそうです。いったいどのような料理なのでしょうか。

おねりとはどのような郷土料理なのか

おねりとは山梨県の郷土料理の一つで、ジャガイモやカボチャなどにトウモロコシの粉と塩湯を入れてかき混ぜたお汁粉のようなものを言います。かき混ぜているうちにねっとりと固まることから「お練り=おねり」という名前が付けられたとされています。食べ方としては固まった状態のものをそのまま食べることも可能ですが、地域によっては様々な薬味をつけるようです。このため郷土料理ではありますが、どのようなものをつけて食べるのか、またジャガイモやカボチャ以外にもどのようなものを入れてかき混ぜるのかが地域によって異なっているところが特徴です。

野菜と穀物の粉以外にはほとんど味付けはされていないため、おねりの味は非常にシンプルなものとなっています。特に混ぜた素材の味が優しく口の中に広がるところや野菜本来の素朴な甘さが人気を集めているほか、薬味をつけることによってさらに味が引き締められるところもおいしいと言われています。ちなみに薬味が塩気のあるものであれば軽食として、そして甘いものであればオヤツとして食べることができます。山梨県では「朝はおねり、夜はほうとう」と言われていたことから、基本的に朝食として食べられることが多かったようです。

おねりの歴史について

山梨県でおねりが郷土料理として食べられ始めた時期に関しては不明とされていますが、1960年代ごろまでは山梨県の一般家庭で食べられていたという過去があります。このため1960年以前から家庭の味として食べられていた経緯があり、当時は砂糖が貴重品として扱われていたため野菜の甘さをそのまま楽しむ料理として親しまれていたようです。このためおねりは家庭で作るものとして認識されており、現在でも一部の地域では家庭の味として作り続けられています。ただ砂糖が基調で泣くなり、飽食となったことで一般家庭で食べられる機会が少なくなったとされています。

ただ国内や海外の観光客が山梨県を訪れる機会が増えてきたことをきっかけに、郷土料理を観光の名物として提供するようになったことを受けておねりを復活させようという動きがみられたようです。その結果、観光客向けのメニューとして飲食店で提供されるようになったと言われていて、昔ながらの手法で提供されているだけではなくリゾット風にアレンジしたりと現代風にリニューアルしたおねりも登場しています。

「朝はおねり、夜はほうとう」の意味

「朝はおねり、夜はほうとう」という言葉は、正確に言えば「朝はおねり、昼は麦飯、夜はほうとう」となっています。これは当時の山梨県の食糧事情があまり良くなかったことを意味していて、今では普通に食べられている米も貴重なものとしてなかなか一般家庭では口にできなかった歴史を物語っています。このような事情を抱えていた山梨県の家庭ではジャガイモやカボチャなどの野菜をうまく使って食事を作っていたようで、おねりやほうとうなどの郷土料理は当時の食糧事情をうまく乗り越えるための人々の工夫やアイデアの結果で生み出された料理なのです。

そのような事情があったことから朝食には手軽に食べられるおねりが良く出されていたようで、おねりで使いきれなかった野菜や余ってしまったおねりをほうとうにして出していたのではないかと言われています。

おねりは山梨県の人々の工夫が生み出した郷土料理

「朝はおねり、夜はほうとう」と言われるほど昔はよく食べられていたおねりは、今では観光客向けの郷土料理として飲食店などで提供されています。作り方はシンプルなので自宅でも作ることができるため、手軽に実践できる郷土料理としておすすめです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. ジャガイモやカボチャをしるこ状にした山梨県の郷土料理で、「朝はこれ、夜はほうとう」などといわれるのは?

A.おねり