フグの取扱日本一で知られる南風泊市場がある市は?

寒くなると食べたくなるフグ。そんなフグですが、漁獲されている量はごくわずかながら、「本場」とされ、取扱は日本一の市場がある市をご存じでしょうか。秋田県や北海道などの遠い地域からも飛行機などで天然のトラフグが送られてくる…。そんな市とは一体どこなのでしょうか?

フグといえば山口県下関市

「フグ」といえばどの地域を思い浮かべますか?大阪でしょうか。それとも築地、福岡や長崎、石川などを答える方もいらっしゃるかもしれません。しかし多くの人がふぐと言えば山口県下関市と答えるのではないでしょうか。

「フグといえば下関、下関といえばフグ」といったようなイメージが強いですよね。しかし実際には下関はフグの漁獲量は日本一ではありません。
それでも全国各地から下関に向けてフグが集まってきます。

それは何故でしょうか。ここ下関には、全国で唯一のフグ専門である市場「南風泊市場」があるからなのです。

全国から水揚げされたフグは一度南風泊市場に集められ、プロの仲卸人によって競りが行われます。そしてまた全国各地へと出荷されていくのです。

全国唯一のフグ専門卸売市場

南風泊市場 (はえどまりしじょう)は、下関市彦島の西端にある、全国で唯一のふぐ専門の卸売市場です。

ここでは、天然のとらふぐをはじめ多くのふぐが取り扱われていますが、残念なことに、業者専門の市場ですので、一般の見学は出来ません。

ふぐシーズンが到来すると初競り式が行われ、「ええが!ええが!」という競り人の掛け声が市場に響き、競りが始まります。
筒状の袋中で仲買人が競り人の指を握って買値を示す「袋競り」は、セリ人と業者が布袋に手を入れ、指先で値段を決めるという南風泊市場ならではの特徴的な競りです。
毎年2月9日は「ふくの日」とされ、ふく祈願祭、市福祉施設のふくさし慰問などが行われます。この「ふくの日まつり」では、南風泊市場内に一般の方も場内に入れますので、この機会に訪れてみてはいかがでしょう。(※事前にお問合せください)

南風泊市場の歴史

南風泊市場は、「はえどまりしじょう」と読みます。
下関では、南から吹く風は雨や雪をもたらすため、荒天の前兆と警戒されてきました。
また、「南風泊」という地名は、強い南風が吹くと下関で船が停泊していたことから付けられたそうです。

南風泊市場には、フグをさばく大きな共同加工場があり、フグをさばくための有資格者が日本で一番集まっています。強力な毒をもつフグは、さばくのに専門の資格を必要とするだけでなく、さばく場所も、除去した有毒部位をきちんと処理する体制が整っていないといけません。そのような設備の整っている南風泊市場はまさにうってつけなのです。
このように他の魚にはない専門性や状況によって、南風泊市場はフグ専門市場となっているのです。

南風泊市場のみで行われる「袋競り」

日本でも南風泊市場でしか見ることができないという競りが、昔より引き継がれてきたという伝統ある「袋競り」です。

まだ夜も明けていない午前3時台に、片腕に黒い袋をはめた売り手である競り人が現れ、袋競りが開始されます。
「ええが!ええが!」という掛け声が特徴と言われている袋競りの掛け声が響きます。
競り人へ次から次へと買い手が手を差し伸べていき、黒い袋に手を差し込んだら、握った指の形で価格を提示するため、両者にしかつけた値段がわからないようになっています。

競り値を隠すのには意味があり、不漁の際に数少ないフグを競い合い高値が付きすぎたり、収拾がつかなくなるためだそうです。公平な競りを行うため、売り手と買い手の両者にしか価格がわからないようになっているのだとか。

このようにフグを大切に思うからこその「伝統の袋競り」は、下関が守り抜いてきたフグ文化の象徴と言えるのではないでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. フグの取扱日本一で知られる南風泊市場がある市は?

A. 下関市