山口県周防大島のご当地グルメである、ある果物をいれた鍋料理は?

近年、今までなかった変わり鍋が色々と登場していますが、山口県の周防大島(すおうおおしま)発祥の鍋は、中でもとびきりの変わり種と言っても過言ではないかもしれません。見たら思わず「えっ」と言ってしまいそうなこの鍋は何でしょうか?

まるごとドボンと入っている果実は…

山口県のみかん生産量の8割を占め「みかんの島」としても親しまれている周防大島の名物料理は、その名も『みかん鍋』! 魚介類や野菜の具材の中と一緒に、皮もそのままのまるごとみかんがゴロゴロと浮かんでいて、初めて見たら思わず二度見してしまうかも。

周防大島町は山口県の南東端、豊かな漁場に囲まれた瀬戸内海の島です。冬でも温暖な気候なので、温州みかん(山口大島みかん)の栽培が盛んに行われている地域です。島特産のみかんと漁業の町で『みかん鍋』は誕生しました。正式には『周防大島名物みかん鍋』と言い、町の観光協会と農業協同組合の合同開発によって、みかんと近海で獲れた魚を組み合わせた郷土料理です。

『みかん鍋』の4つの定義

『みかん鍋』には『周防大島鍋奉行会』によってその調理法、具材、薬味に4つ定義が定められています。

まず1つ目はみかん鍋のトレードマーク、出汁の中にごろんと浮かぶ「焼きみかん」が入っていること。『みかん鍋』には島内で栽培されるみかんの中でも小ぶりな2Sサイズ(直径約5㎝)が使用されています。鍋用として厳しい検査をクリアしたみかんだけが使われ、安心・安全のお墨付きという意味も込め『鍋奉行御用達』と焼印を押されています。みかんは焼くことよって皮のえぐみが和らぎ、実よりも多く含まれる栄養成分も摂りやすくなるという効果もあります。

2つ目は「地魚つみれ」を入れること。島を囲む瀬戸内海で獲れた新鮮なイワシやエソなどの地魚に、みかんの皮を混ぜて作ります。魚独特の臭みが抑えられて、みかんの爽やかな香りも楽しめます。

そして3つ目は、柚子胡椒ならぬ、青唐辛子とみかんの果皮で作られる「みかん胡椒」を添えること。ピリリと効いたアクセントがクセになるそうです。

最後4つ目は、卵の白身で作ったふわふわのメレンゲ仕立ての「みかん雑炊」でシメること。残ったスープにご飯を入れ、淡雪のようなメレンゲをのせ、溶いた黄身を回しかけます。真ん中にネギなどの薬味をのせたら、見た目も美しい雑炊の出来上がりです。

定義の中には入りませんが、大きいムール貝のような『瀬戸貝』やみかんの果汁を白玉粉を混ぜて作った『みかん白玉』が入ることもあります。気になる焼印入りのみかんですが、もちろん皮ごと食べられます。お鍋を食べ終わって、シメのメレンゲ雑炊を作っている間に口直しで食べるのだとか。えぐみもほとんど感じられず、デザートのような感覚で食べられるそうです。

瀬戸内のハワイ・周防大島

周防大島は歴史上の結びつきによって、ハワイと現地の文化や風習が島の風土に深く根付いている島でもあります。夏になればアロハシャツを着て、週末になると優雅にフラダンスを楽しむのが定番なのだとか。絶景のビーチやヤシの木が並ぶ光景は南国そのもので、ハワイのようなレジャーも楽しめます。周防大島で最もハワイ的な雰囲気を満喫できるのは『グリーンステイながうら』。カウアイ島をイメージして作られ、敷地内の他の建物はいずれもカウアイ島に実在する施設がモデルになっており、ヤシの木が立ち並び青い芝生と抜けるような青い空はハワイそのもの。また、ハワイで人気のイルカウォッチングと同じように、小型のイルカであるスナメリをウォッチングできるクルーズも体験できるのです。周防大島の海は山口県の中でもひときわ美しく、海水浴シーズンには県内はもとより県外からも大勢の人が訪れます。真っ青なコバルトブルーの海と白い砂浜は、ハワイのビーチのようで南国リゾートを満喫できます。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 山口県周防大島のご当地グルメである、ある果物をいれた鍋料理は?

A. みかん鍋