あるものを熱してその上に茶そばを盛り付けた、山口県下関市の郷土料理は?

山口県下関市の郷土料理で、熱くしたあるもの上に茶そばを盛り付けたご当地麺があります。見た目のインパクトが強いこの料理、ご存じですか?

下関・川棚温泉の名物「瓦そば」!

山口県下関市の奥座敷「川棚温泉」。なだらかな山と穏やかな海に囲まれ、自然の恵みが溢れる温泉地です。数多くの偉人が訪れ、ゆったりとした景観やなめらかな湯を愛したとされるこの川棚温泉は、実は、山口のご当地グルメとして愛されている「瓦そば」の発祥の地でもあるのです。
「瓦そば」といえば、熱した瓦の上に茶蕎麦や錦糸玉子などを盛り付け、温かい麺つゆにつけて頂く名物料理です。「瓦そば」の瓦は直火にかけ300度近くまで熱されます。あつあつの瓦でジュージューパチパチと焼かれた茶蕎麦や牛肉の良い香りが広がり、口に入れれば、蕎麦のおこげ部分と焦げていない茶蕎麦のおいしさと二つの食感が味わえ、錦糸玉子の柔らかな甘み、柔らかな牛肉、麺つゆに足したレモンの爽やかさも加わって、箸が止まらない人気料理です。
川棚温泉が発祥ですが、山口県の各所に広がり、今まさに全国に広がりつつある名物料理です。

「瓦そば」のヒントは西南戦争にあり?!

「瓦そば」の発祥は、川棚温泉にある「元祖瓦そば たかせ」。こちらの創業者の高瀬慎一氏が考案したとされます。
明治10年の西南戦争の際に、熊本城を囲む薩摩軍の兵士たちが長い野戦の合間に瓦を用いて、野草や肉などを焼いて食べていたという話を参考にして、温泉の宿泊者向けの料理として開発されたそうです。
当時は、数十年を経過した日本瓦を用いて作られていたようですが、現在は建材用の瓦ではなく、瓦そば用に作られたものが使用されているそう。
そもそも江戸時代から、毛利侯の「御殿湯」であった川棚温泉は、周辺の社寺参詣に立ち寄る湯治場として栄えていて、多くの旅人が訪れていました。治安を守るために、庶民でも特別に「瓦」と「土塀」を使うことが許されていたそうです。昔から、瓦が生活の近くにあった地域だからこそ生まれた料理ともいえます。
「瓦」には遠赤外線効果、保温性があり、時間が経っても熱々の状態で食べられます。瓦に接したパリパリのおこげ部分と柔らかな麺のふたつの食感が楽しめるのも「瓦そば」の大きな特徴です。
宇治抹茶とそば粉を合わせた香り高い茶蕎麦を鉄板で豪快に混ぜて焼き、瓦の上に形を整え盛ります。その上にはたっぷりの錦糸玉子。そして湯通しした柔らかな牛肉が乗せられ、さらに乗せられたたっぷりの下関安岡産ねぎが瓦そばの風味を一層引きたてます。海苔を並べて輪切りのレモンともみじおろしを飾りつけて完成です。かつおとこんぶの出汁の効いた上品なつゆにつけて頂く絶品料理となっています。
黒い瓦に映える濃緑色の茶蕎麦、金色の錦糸玉子、海苔、葱、輪切りレモンに赤いもみじおろし・・・と鮮やかで華やかで目にも嬉しい「瓦そば」。
川棚温泉の名物から下関の、そして山口のソウルフードになったのも納得の、ぜひ食べていただきたい一品です。
本場の「瓦そば」を川棚温泉や下関の景観を楽しみつつ、いかがでしょうか。

おうちで「瓦そば」?!

山口ではお家でも瓦そばを楽しみます。瓦がなくても、ホットプレートやフライパンを代わりに使い香ばしい「瓦そば」に仕上げます。特にホットプレートを使用すると焼く面積が広く使えるのでお奨めです。
茶蕎麦とつゆ、もみじおろしのいわゆる「瓦そばセット」は、地元のスーパーではどこでも買えるそうです。山口から離れたところからでも、ネット通販などで購入できますのでぜひ気軽に試してみてくださいね。
やきそばのように、具を混ぜ焼きにせず、麺だけで焼きつけて整えた後に具を盛り付けていくことと、湯どおしの牛肉には味付けをしないのがポイントです。

ザ・ご当地検定の問題

Q.あるものを熱してその上に茶そばを盛り付けた、山口県下関市の郷土料理は?

A.瓦そば