山口県が誇る日本酒「獺祭」は何と読む?

「獺祭」は、ある時期から全国的に名酒として知られるようになった日本酒です。ブームにもなったため、日本酒好きの人でその名を知らない人はいないのではないでしょうか。その人気から一時は入手困難になり、「幻の酒」とも呼ばれました。山口県の定番酒「獺祭」はどんなお酒でしょうか。

かわうそのお酒?獺祭(だっさい)

獺(かわうそ)に祭と書き「獺祭(だっさい)」と読むお酒をご存じでしょうか。

一風変わった名前を持つこの日本酒、山口県にある岩国市周東町という小さな町からはじまり、今では、日本全国はもちろん、世界でも大人気となった大変人気のあるお酒です。

「獺祭」を醸しているのは「旭酒造」という、山口県岩国市の獺越(おそごえ)にある酒蔵です。
獺越という地名には「獺(かわうそ)」の字が入っています。その地名の由来として「川上村に古い獺がいて、子供を化かして当村まで追越してきた」ので獺越と呼ばれるようになったと言い伝えられています。

「獺祭」はこの「地名から一字をとって銘柄を「獺祭」としているようですが、そもそも「獺祭」とは古代中国からきた言葉で、詩や文を作るときに、周囲に多くの参考資料を広げている様子を意味しています。

もともとの理由は、獺が捕らえた魚を岸に並べてまるで祭りをしているように楽し気に見える様子をなぞらえたものなのだとか。

獺祭は何故人気になったのか

獺祭(だっさい)とは、山口県の山奥にある旭酒造の造る銘柄の名前です。
今では日本酒好きであれば誰もが知っている有名な銘柄の一つですが、何故こんなに人気になったのでしょうか?

獺祭の素晴らしいポイントをいくつかご紹介します。

まず、旭酒造さんでは銘柄は「獺祭」1つしか造っていないということです。通常、酒蔵は複数の銘柄を持つのが一般的です。酒造メーカーとしては普通酒を作らないというリスクの高い経営方針を採っています。

旭酒造さんでは「酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を求めて。」とのポリシーの下、大量販売の論理から生まれた酔えばいい、売れればいい酒ではなく、おいしい酒・楽しむ酒を目指しているからです。

また、造るお酒はすべて日本酒の中で一番品質の良いとされる等級である純米大吟醸仕込み。「真においしいお酒」を目指す旭酒造は、普通酒を一切作らず、純米大吟醸酒と純米吟醸酒のみをつくっているのです。酒造りのために行っている作業は機械を使わず、こだわりを持った手作業で行い、手間とコストをかけ、繊細にコントロールされた酒造りをしています。

しかしなんといっても「獺祭」が人気を博している最大の理由は、やはりその味でしょう。
日本酒の概念を覆したフルーティな飲み口は、「ワイングラスで飲みたい日本酒」と言われ、ワインのような甘い香りと、すっきりとした後味で、女性や若い世代などの日本酒になじみのなかった層にも人気がでました。

これまで日本酒に縁のなかった新しい層に受け入れられた事でその人気はどんどん広がっていったのです。

幻の酒「獺祭」

「獺祭」が「幻の酒」といわれるようになったのは、人気が高まったのも勿論ですが、「特約店制度」という「獺祭を取り扱える店を限定する制度」を旭酒造が採用していたことも理由のひとつといえるでしょう。

これは、いわゆる「限定品」商法というわけではなく、商品のブランドイメージを守ることが目的としていました。大切な獺祭という商品を「品質管理をしっかりとできるお店だけに扱ってほしい」という気持ちから、この制度がはじまったのだそうです。

しかし、手に入りにくい事により、プレミア感が出て、ますます人気が高まります。
人気が過熱するあまりに、飲みたいのに入手できない人が続出し、小売店で購入したものを、一部の転売業者が小売価格の3倍以上の高値で転売している。という事もありました。しかし価格が高騰するという事は、蔵元にとっては悩みの種だったようです。

旭酒造の三代目である桜井社長は、より多くの人に「獺祭」をたのしんでもらおうと、「幻の酒ではなく、普通に購入してもらえる酒」にするため、約30億円をかけて酒蔵を増築しました。生産体制を整えたことで、十分な供給量が保たれるようになり、品薄状態も次第に解消しました。

現在では店頭やインターネットの通信販売でも定価で見かけるようになっています。

今では「幻の酒」ではなくいつでも飲める「おいしいお酒」になりました。日本酒好きだけではなく、ワイン好きの人にも飲んでほしいお酒です。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 山口県が誇る日本酒「獺祭」は何と読む?

A. だっさい