細麺を使った醤油もしくは塩ラーメンがベースの、神奈川県のご当地麺料理とは?

サザンオールスターズの地元である神奈川県で有名なご当地グルメを紹介します。細麺の醤油もしくは塩ラーメンがベースの麺料理です。サザンのボーカルである桑田佳祐さんが、自身の番組で紹介するなど、多くの地元民に親しまれています。

味や見た目を知ろう

神奈川県のご当地グルメ「サンマーメン」は、細麺を使った醤油もしくは塩ラーメンに、もやしを炒めた餡をかけた麺料理です。餡の中には、もやしと共にキャベツやきくらげ、蒲鉾や細切りの豚肉などが入っていて、シャキッとした新鮮な歯ごたえを感じられるよう炒められているのが特徴です。醤油ベースの甘い味付けで、餡が麺やスープと絡み合いながら絶妙な旨さを生み出します。餡がラーメンに蓋をしているような状態なので、下にあるラーメンの熱さが保たれ最後まで冷めることなく味わえるのが魅力です。

一見すると、皿うどんの餡とよく似ていますが、皿うどんに使われる餡よりも肉の量を減らし、野菜を多めに使ったヘルシー志向のラーメンとイメージするとわかりやすいでしょう。もともと、戦前の調理人達が考案したまかない料理で作られていた餡かけ肉そばが始まりで、戦後になってから商品化されました。餡がかかっていることにより、普通のラーメンよりもボリューム感があって体が温まると人気に火が付き、多くの店頭に並ぶようになったのです。

それから何十年と進化してきたサンマーメンは、栄養価を引き出す基本5色(白・黒・赤・黄・緑)の食材を組み合わせ、見た目とともに栄養面も考えられた美味しいご当地グルメとして定番のラーメンとなりました。シャキシャキとした歯ごたえと、低材料費という2面の良さを兼ね備えたもやしをメイン食材にすることにより、普通のラーメンと比べて比較的価格が安いというのも特徴です。

サンマーメンの語源とは

サンマーメンの「サンマ」は、秋刀魚と勘違いされやすいのですが、漢字で書くと「生馬麺」となり、実は「生・サン」と「馬・マー」という広東語から成っています。調理法も、やや甘目の味付けで広東料理に属します。「生・サン」には新鮮でシャキシャキとした食感、「馬・マー」には上にのせるという意味を持つことから、程よい歯ごたえを残した新鮮な炒め野菜を麺にかける麺料理がイメージできますよね。これさえ知っておけば、お店でサンマーメンを注文した際に「秋刀魚が入っていない?」と焦らずに済みます。

店によっては「生碼麺」と書くものもあるのですが、碼は港の埠頭を指す意味があり、通常料理に使われる感じではありません。しかし、歴史的にみると埠頭が多く存在していた横浜を中心に、港で働く労働者から親しまれたことから馬の当て字として使われるようになったといわれています。さらに、碼には生きの良い具材という意味も含まれているため、馬と碼のどちらもサンマーメンのマーとして定着しているのです。サンマーメン発祥の店といわれる聘珍楼では、多くの店に出回るよりも早い昭和初期のお品書きに生碼麺の文字が記載されています。

有名人も愛したサンマーメンを食べるには

冒頭にもあるように、サンマーメンを愛した有名人といえば神奈川出身の桑田佳祐さんが知られていますが、ほかにも実に多くの有名人たちがサンマーメンファンを公言しています。なかでも、内閣総理大臣を務めた小泉純一郎元首相は、「かながわサンマー麺の会」で総理に就任する直前まで顧問を務めていて、サンマーメンが大好きであると公言するほどです。多くの有名人をも引き付ける、魅力あるサンマーメンを食べるには、やはり発祥の地である横浜中華街がおすすめです。

横浜中華街は言わずと知れた横浜での観光スポットで、碁盤の目になっています。最寄り駅は、みなとみらい線「元町・中華街駅」。1番もしくは2番出口からではれば、すぐに中華街東門をくぐって中華街へ入ることができます。また、5番出口を利用すると、おしゃれな元町エリアを通って中華街へと向かえるので時間に余裕がある人にはおすすめです。元町・中華街駅よりは少し遠くなりますが、JR線根岸線「石川町駅」の北口から中華街へ向かうルートもあります。最短ルートではないものの、善隣門をくぐることのできるルートです。善隣門は、よく観光雑誌やTVの中華街特集などで映る超有名観光スポットとして知られています。

みなとみらい線「日本大通駅」は、中華街に最も近い駅である元町・中華街駅よりひとつ手前の駅です。あまり時間のない人や中華街だけを楽しみたい人にはおすすめできませんが、日本大通駅の3番出口を利用すれば横浜の主要観光スポットを巡ることができます。横浜赤レンガ倉庫や横浜大さん橋や、散歩がてら山下公園へも寄ることが可能です。山下公園から眺めるマリンタワーは、知る人ぞ知る絶景スポットともいわれています。徒歩でも十分歩いて回れる距離なので、ゴールのサンマーメンを楽しみに横浜を満喫してみるのも良いかもしれませんね。

華やかな街、横浜

横浜に中華街ができたのは、幕末。日本が鎖国を終えて港を開いたとき、多くの外国人が横浜港を出入りしました。中国の広東や上海などからも多くの人が横浜に入り、西洋の言葉や西洋との貿易についてわからない日本人のサポートを担ったのです。日本よりも早くから西洋の言葉を学んでいた中国人は、日本人とは漢字で筆談できるため重宝され横浜にはなくてはならない存在でした。横浜に中華街ができたのは、日本の貿易を助けた彼らが街を育てたからと言えます。中華街に広東料理の店が多いのもこのためです。

中華街を訪れたら、できれば寄っておきたいのが「関帝廟(かんていびょう)」という中国の寺院です。中国はもちろんのこと、世界中の中華街には必ずあるといわれるこの寺院は、三国志の名将関羽が祀られています。世界遺産への登録準備も行われていて、中華街のなかでもひと際目を引くきらびやかな建物です。関羽は、もともと塩の密売で大儲けしたといわれています。密売で成功した頭脳を持つ学問の神として、また商売繁盛の神としてのご利益があるのだそうです。ただし、参拝方法やおみくじの引き方は、日本の神社などとは手順が違うので事前に確認しておくと良いでしょう。

中華街からは少し離れますが、みなとみらい線「みなとみらい駅」から徒歩2分のところにある「よこはまコスモワールド」は、天気予報やバラエティー番組などでも良く映っている大観覧車があります。みなとみらいのシンボルになっているコスモクロック21があることで有名です。入園料はなく乗り物に乗るときだけ料金が発生するシステムなので、ちょっと寄り道をして遊園地気分を楽しむのにおすすめです。また、徒歩8分のところには「カップヌードルミュージアム」があります。自分だけのオリジナルカップヌードル作りや、チキンラーメン作りが体験できる人気スポットです。

神奈川県を訪れたら、横浜散策とサンマーメン開国後の日本を世界との貿易によって支えてきた横浜の港。中華街から生まれたサンマーメンは、神奈川県を代表するご当地グルメです。地元の人だけではなく、サンマーメンの奥深い味わいに魅了される人は後を絶ちません。餡とスープが絡まり黄金に輝く麺をすすれば、スープまで全部飲み干したくなるくらいの美味しさが口いっぱいに広がります。ほかでは味わえない旨みがクセになるのです。神奈川県を訪れたら、横浜周辺の観光と同時にサンマーメンを食べる計画も立ててみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 細麺のラーメンの上にもやし入りのあんをかけた、神奈川県のご当地麺料理は?

A.サンマーメン

Q. 神奈川県の麺料理「サンマーメン」で麺の上に乗っているのは?

A.野菜のあん

Q. 横浜中華街にあり、三国志の名将関羽が祀られている中国の寺院は?

A. 関帝廟

Q. 横浜市のみなとみらい地区にある、大観覧車が目印の都市型遊園地は?

A. よこはまコスモワールド