岩手県岩泉町で食用のものが作られている、漢字で「鬼灯」と書く植物とは?

日本では観賞用として人気のある鬼灯ですが、南米やヨーロッパの人たちは見て楽しむよりもフルーツ感覚で鬼灯を食べます。岩手県岩泉町では食用鬼灯のブランド化に成功、特産品としての地位を着々と築いてきました。

岩手県岩泉町で栽培されている食用鬼灯は?

提灯のような形をした袋と、ミニトマトのようなつるんとした実が特徴の鬼灯(ほおずき)。食用ほおずきは主に南米で栽培されていますが、長野県や秋田県など日本でも栽培する地域が少しずつ増えています。岩手県岩泉町で食用ほおずきの栽培が始まったのは2005年頃。同町にある早野商店が、食べられるほおずきの栽培に取り組み始めたのがきっかけです。早野商店は2007年に契約農家の募集を始め、岩手県内の農家が食用ほおずきの栽培にあたっています。岩泉町は食用ほおずきの産地と多くの人たちに認識してもらうため、早野商店は試食会を開いたりメディアに登場するなどイベント活動を精力的に展開、その活動は盛岡市でほおずきサミットを開催するまでになりました。このほおずきサミットには県内外から参加者が集まり、成功を収めます。2011年に開催された第3回ほおずきサミットでは盛岡グランドホテルとのコラボが実現、会場に集まった約90名の参加者たちは食用ほおずきを使ったフルコースを楽しみました。

食用ほおずきの栽培方法はトマトと似ています。種から植えて苗になったら畑に移し、成長させていきます。成長した苗はやがて実をつけていきますが、緑色から黄色に変わった頃が収穫期です。日本の食用ほおずきの収穫期は8月から11月ですが、県内各地に契約農家を持つ早野商店は出荷時期を調節できるため、岩泉町では12月までほおずきを収穫しています。甘酸っぱい味が特徴的でビタミンを多く含んでいるほおずきは、南米やヨーロッパでは栄養バツグンのフルーツとして親しまれています。食用ほおずきにはコレステロールの低下や肝脂肪を減らす働きがあると言われているイノシトールを多く含み、その美容効果や健康効果が期待されています。

食用ほおずきはどこで手に入る?

県内でもいち早く食用ほおずきの栽培に取り組んだ早野商店は、自ら栽培する食用ほおずきをブランド化しました。この食用ほおずきの収穫量は年間およそ2トンで、生食や加工品として販売しています。食用ほおずきの入手方法ですが、早野商店のお店で購入できるほかお店のホームページから注文することも可能。生の食用ほおずきは季節ものですが、食用ほおずきを使ったジャムやソース、お茶といった加工品は常時販売されています。

早野商店は他のお店とのコラボにも積極的で、商品化されたものに砂田屋とコラボしたほおずきのプリンや、藤原養蜂場とコラボしたほおずきのアイスクリームがあります。生の食用ほおずきはそのままガブッと食べてもいいですし、煮物やグリル料理とも相性抜群。ビタミンが豊富に含まれているので、スムージーの材料にも向いていますし、ジャムを作ったりチョコレートでコーティングして食べたりとおやつとしても楽しめます。

岩手県岩泉町はどんなところ?

岩泉町は岩手県東部・下閉伊郡にあるのどかな町で、水に恵まれた地域として知られています。岩泉町には日本三大鍾乳洞のひとつ龍泉洞がありますが、ここから湧き出る透明度の高い水は市販されている他、町内の一部地域では水道水として利用されています。森林面積が町のおよそ93%を占めるという岩泉町は、酸素日本一の町宣言からわかるように空気もおいしく、まさに森と水のシンフォニー岩泉という表現がぴったり。そんな豊かな自然に囲まれた環境で、ほおずきちゃんは栽培されているのです。

食べられる鬼灯(ほおずき)に出会える岩泉町

水と自然が豊かな岩手県岩泉町で栽培されている食用ほおずきは、町を代表する特産品として定着しています。食べられるほおずきは、生食でも料理に使ってもおいしいので、岩泉町を訪れた時は一度試してみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 岩手県岩泉町で食用のものが作られている、漢字で「鬼灯」と書く植物は?

A.ほおずき