岩手県遠野市名産、一見ダイコンのように見える伝統野菜とは?

岩手県遠野市は、豊かな緑に恵まれた大自然や、伝承や民話などが有名なエリアですよね。その岩手県遠野市の南東側にある集落で、代々栽培されている、一味違う薬味として注目されている野菜があります。

究極の薬味として知られる

暮坪かぶは、岩手県遠野市の暮坪地区で栽培されている野菜で、育てている農家はわずか一戸という貴重な野菜です。天正時代に近江の薬売りから伝わったとされており、暮坪地区内だけで約400年栽培されてきた伝統野菜で、同じ種から栽培されても他の土地で育ったものは遠野かぶと呼ばれています。暮坪地区の土地でしか特有の辛みが出せず、その辛みはダイコンの約14倍、元々は漬物にして食されてきた野菜ですが、グルメ漫画に登場したことにより究極の薬味としてその名が広がったのでした。

そして、かぶと言えば誰もが丸いフォルムをイメージしますが、暮坪かぶは上部は薄い緑色で白い長根のかぶとなっており、見た目は小さなダイコンのようです。品種改良も行われておらず、丁寧に育てられているので収穫量は少なめで、繁忙期はゴールデンウイークとされていますが、その頃には在庫切れになることもある貴重な野菜でもあります。薬味としての食べ方は、皮を剥かずにすりおろして食べますが、その独特の風味と辛みに夢中になる方も多く、人気があります。

暮坪かぶは暮坪そばとの相性が抜群

なお、暮坪かぶを薬味として食べる暮坪そばを提供しているお店は岩手県内にも数店舗あり、それぞれの味を活かした暮坪そばを味わうことができます。薬味や辛味が好きな方には新鮮な出会いとなり、旅の思い出としても記憶に残る味となるでしょう。また、暮坪かぶは道の駅やスーパーマーケットでも販売されています。そばなどの薬味に使用するのも良いですが、火を通すと辛みが飛んで甘くなりますので、暮坪かぶそのものを購入した方は焼き野菜やおでんにして食べるのもお勧めです。

そして、そば以外にもお刺身などの薬味にもピッタリな暮坪かぶですが、地元で食べ続けられてきた漬物にしてみるのはいかがでしょうか。かぶを薄く斜めに切り、葉が付いているものなら4センチ程に切った葉も一緒に漬けると、美味しい浅漬けになります。また、暮坪かぶは食物繊維やビタミンC、葉の部分にはβ-カロテンや鉄、ビタミンAやビタミンC、食物繊維などが含まれており、体にも優しい野菜となっています。

昔話の世界を体感できる里

また、岩手県遠野市は昔話の世界に浸ることができる施設があり、再現された山里には炭焼き小屋や水車小屋、田畑などを間近で見て日本の昔ながらの原風景を体感することが可能です。河童の伝承が残る小川では、きゅうりがぶら下がっている釣り竿が設置されていて、美しい川と緑の共演が場を盛り上げてくれます。さらに、岩手県遠野市には住居である母屋と馬小屋がつながっていて、L字型の曲がり屋という建物が残されており、茅葺の屋根が醸し出す雰囲気は非日常感を提供してくれます。

なお、遠野市の公認キャラクターは河童がモデルのカリンちゃんと、市内の観光タクシーのイメージキャラクターであるくるりんちゃんです。カリンちゃんは一般的な河童そのもので、イラストでは遠野市の花のりんどうと観光地であるめがね橋と共に描かれています。くるりんちゃんは遠野市内を観光することが好きなピンク色の河童で、二人はカップルになった後、入籍をして夫婦になったという設定です。着ぐるみ姿の二人は遠野市の様々なイベントに参加をするご当地キャラクターとして、市民に親しまれています。

やすらぎの観光地、岩手県遠野市

珍しい暮坪かぶや、昔話の伝承が残る岩手県遠野市は、伝統を大切に守ってきた文化のあるエリアです。童心に帰って昔話の世界を楽しみ、辛味成分たっぷりの暮坪かぶを使用した暮坪そばを食し、ゆったりとした自然を満喫してみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 遠野市名産、一見ダイコンのように見える伝統野菜は?

A. 暮坪かぶ