山形県に存在する、名物食材の名前がつけられた新幹線の駅の名前とは?

山形県東根市に、名産品に因んで名付けられた駅があります。いったいどんな駅名なのでしょうか。ここでは東根市名産の果物や、名産になった理由について解説します。

収穫量が日本一の東根市

日本の鉄道には様々な変わった駅名が存在しますが、山形県にあるさくらんぼ東根駅もその1つかもしれません。さくらんぼ東根駅は山形新幹線及び奥羽本線の停車駅であり、1999年12月に開業しました。もともとこの近くには蟹沢駅と呼ばれる駅がありましたが、山形新幹線の開業に伴い駅を移転し、さらに駅名を改称したという歴史があります。さくらんぼ東根という駅名は、山形県東根市がさくらんぼの収穫量が日本一であることから、自治体の要請によってさくらんぼと東根を合わせた名称となったのです。

東根市がさくらんぼ栽培に適しているのは、日照時間の長さや昼夜の寒暖差が大きいからだといわれています。さくらんぼの成熟期は6月でちょうど梅雨に当たりますが、その時期であっても比較的降水量が少なく日照時間が長いことから、さくらんぼ栽培に良い影響を与えているのです。さらに水はけの良い土地が広がっていることも、さくらんぼ栽培には好都合でした。何故なら、さくらんぼ栽培では排水と通気性が必要だからです。このように東根市の気候や土壌が、さくらんぼの収穫量を日本一に押し上げたといっても良いでしょう。

高品質さくらんぼの佐藤錦と紅秀峰

さくらんぼというと佐藤錦をイメージする人が少なくありません。実はこの佐藤錦は、東根市で生み出され世の中に出たブランドです。佐藤錦という名前は、交配育成した東根市出身の佐藤栄助氏に因んで命名されました。佐藤氏は、1912年から黄玉とナポレオンという品種の交配を始めました。その後も研究を重ね、ついに1924年には原木ができあがりました。そして1928年に佐藤錦と命名され世に送り出され、現在ではさくらんぼのトップブランドとして有名となっています。佐藤錦は甘さと酸味のバランスが抜群で、最盛期は6月中旬から下旬にかけてです。そのため、お中元などで佐藤錦を贈る人も少なくありません。

ところで、東根市で栽培されるさくらんぼは佐藤錦だけではありません。紅秀峰と呼ばれる濃厚な甘さと大きな果実が特徴の品種も栽培されています。紅秀峰は、佐藤錦と天香錦を交配させて作られたブランドです。最盛期は7月上旬と、佐藤錦よりやや遅いです。またさくらんぼといえば生で食べることが一般的ですが、東根市ではさくらんぼシロップやさくらんぼゼリーなどの加工品も販売されています。

東根市とはどんなところ?

山形県中央東部に位置する東根市。この地には東根温泉があり、さくらんぼ東根駅の北東側に温泉街が広がっています。1910年に開湯した温泉街ですが、そのきっかけは干ばつの対策でした。農業用水のために井戸を掘ったところ、温泉が湧き出たといわれています。東根市はさくらんぼが有名な土地であるため、観光宣伝目的でさくらんぼ東根温泉と呼ばれることがあります。泉質はナトリウム塩化物泉で、源泉は50~70℃です。温泉街には、旅館や日帰り入浴施設や足湯などの施設が併設されています。

東根市には、国の天然記念物に指定されている東根の大ケヤキがあります。群馬県の原町の大ケヤキや、山梨県の三恵の大ケヤキと並ぶ日本三大ケヤキです。高さ約28メートル、根回り約24メートルあり、地上約5.5メートルの当たりで幹が二手に分かれています。ケヤキがある場所は、かつて東根城が築かれていました。東根の大ケヤキは、さくらんぼ東根駅から徒歩約20分ほどの場所にあります。

さくらんぼ王国の東根市へ行ってみよう

さくらんぼ栽培に適した気候や土壌のおかげで、東根市は国内有数のさくらんぼの生産量となりました。また、さくらんぼの王様である佐藤錦も東根市が発祥だったのです。東根市にはさくらんぼだけでなく温泉街もあるので、一度は訪れたいおすすめの場所です。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 山形県に存在する、名物食材の名前がつけられた新幹線の駅の名前は?

A.さくらんぼ東根

Q. 山形県東根市にある、高さ約28メートルの「東根の大◯◯」。◯◯に入るのは?

A.ケヤキ