和歌山県や奈良県の精進料理「胡麻豆腐」の原材料は、ゴマと何?

つるんとしたプリンのような食感とねっとりとした噛み応え、そしてゴマの風味が美味しい胡麻豆腐。豆腐という名がついてますが、この胡麻豆腐の原料は何でしょうか?また、豆腐なのであればカロリーは低いのでしょうか?あなたは胡麻豆腐の事をどれだけ知っていますか?

胡麻豆腐の原料は「ゴマ」と「くず粉」

豆腐といえばダイエットの強い味方。ヘルシーで太りにくそうなイメージがありますが、胡麻豆腐は、一般的に想像する「大豆」で作られた豆腐ではありません。では何でできているのでしょう?名前のとおり勿論「胡麻」は使われていますが、もう一つの重要な原料が「くず粉」です。くず粉は、葛の根をつぶしてでんぷんを取り出し、何度も不純物をとりのぞいて精製したもので、葛粉100%でできているものは「本葛」と呼ばれ、和菓子などにもよく使われています。ごま豆腐特有のあのねっとりとした食感はくず粉のおかげなんですね。

胡麻豆腐は精進料理

「胡麻豆腐」は、もともと精進料理です。「胡麻豆腐」は、江戸初期に中国から隠元禅師によって日本へもたらされたという「普茶料理(ふちゃりょうり)」が由来とされています。「普茶料理」の中で「まふ」と呼ばれているのが「胡麻豆腐」。胡麻の皮をとりよくすったいり胡麻を練り、粘りが出るまで火にかけて舌触りが滑らかになるまで念入りに磨り潰し練ります、型に入れたらそのまま自然冷却させます。簡単に思えますが、実際はとても手間のかかる料理です。現在でも食が修行のひとつである禅宗の寺々では、完成まで手間ひまかけて作っているそうです。

今でも隠元禅師が開いた宇治の萬福寺近くに普茶料理の店があり、昔の製法で作った「胡麻豆腐」を楽しめます。

胡麻豆腐は、つるん、ぷるんとた食感と粘り気のある食感が人気です。くず餅にも使われているくず粉を入れる事によってこの食感が得られているのですね。この食感が好きなのはお米文化を愛するアジア圏に多いのかもしれません。もちもちとした食感はお米を食べる時や、またはお餅を食べているかのようで親しみがあるのでしょう。

胡麻豆腐の栄養は?

さて、胡麻豆腐の気になるカロリーですが、食品成分表によると、ごま豆腐のカロリーは100グラムあたり約81キロカロリー。食卓でよく見かける絹ごし豆腐のカロリーは、100グラムあたり約62キロカロリー。胡麻豆腐のほうが多少カロリーが高いようです。カロリー的には普通の豆腐を食べたほうが良いと思いますが、その差はごくわずか。胡麻豆腐には胡麻が入っているため、健康成分として注目されているセサミンが含まれています。セサミンには抗酸化作用が強く、活性酸素の発生を抑制する働きが期待されています。

胡麻豆腐にはビタミンEやカルシウム、食物繊維などの栄養素も豊富です。さらに、胡麻に含まれる脂質のほとんどがオレイン酸やリノール酸という不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸は、LDLコレステロールを減少させる効果があり、健康・美容に役立つといわれています。

また、胡麻豆腐の原材料であるくず粉には、体を温め、胃腸を整える効果があると言われております。くず粉は、葛根から作られていますが、原料である葛根は「葛根湯」の主薬でもあり、解熱鎮痛の効果が期待できます。熱のある風邪、筋肉のこわばりなどにも効果があり、日本古来から漢方薬や精進料理などに使われ、重宝されてきました。

しかし栄養面では優れている胡麻豆腐ですが、タンパク質は少な目、脂質は多めです。食事に取り入れる場合、胡麻豆腐は糖質が多めのため、主菜には糖質の少ないものを選ぶのがよいでしょう。芋類やコーンなどは糖質が多く含まれているので、胡麻豆腐を食べる時には控えめにするといいかもしれません。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 和歌山県や奈良県の精進料理「胡麻豆腐」の原材料は、ゴマと何?

A. くず粉