和歌山県北山村が特産の「じゃばら」はどんな食べ物?

紀伊半島の中央部に位置する和歌山県・北山村は、日本で唯一の「飛び地」の村です。その珍しい村で栽培されている「じゃばら」も、とても珍しいもの。何だと思いますか?

「邪気を払う」から名付けられた

じゃばらとはゆずやダイダイ、カボスの仲間の柑橘類の果物です。大きさはは小ぶりなみかんよりもひと回り小さめ。鮮やかな緑色から、熟していくと黄色へと色付いていきます。果汁を豊富に含んでおり、種もほとんどなく酸っぱさのあとにほんのりと苦味が残る「にがうま」な味わいで、とてもまろやな風味をしているのが特徴です。「じゃばら」の名前は「邪気を払う」ほどにすっぱい、ということから名付けられたのだとか。

じゃばらの歴史

北山村では昔から、ゆずでもすだちでもないみかんが自生していました。それは、邪気を払う「じゃばら」と呼ばれて天然食酢として珍重され、お正月料理には欠かせない縁起物の食材として食べられていました。そして、たった1本だけになってしまったじゃばらの木を村の特産にできないものかと、本格的に栽培がスタートしたのです。のちに、花の分析などを行い調べたところ、じゃばらはこの地方に江戸時代から分布していたゆずと九年母(くねんぼ)、紀州みかんなどの自然交配種で、国内はおろか世界にも北山村にしか自生していない珍しい「香酸柑橘」ということが明らかになりました。

「花粉症」で有名に

じゃばらが全国的にも注目され始めたきっかけは、今や国民病とも言える「花粉症」。SNSなどで「じゃばらが花粉症に効く」という口コミがじわじわと広がり、調査したところ、ナリルチンという抗アレルギー作用が期待されるフラボノイド成分のひとつが、他の柑橘類と比べても、とても多く含まれていることが明らかになったのです。これによって人気に火がつき、村を支える産業として栽培されることになりました。今ではじゃばらを使った、ジャムやジュース、調味料など加工品も多く作られ、こちらも人気となっています。

色々な料理に合うじゃばら

さんまやアジ、サバなど焼き魚にじゃばらの果汁を数滴落とせばうま味がぐっとアップします。オリーブオイルに果汁と合わせれば、さっぱりとしたオリジナルのドレッシングに。また、水炊きなどの鍋料理に添えるぽん酢に入れると独特の風味で、味が一層引き立ちます。焼酎のロックに果汁を入れたり、また炭酸水を加えるとすっきりおいしいじゃばら酎ハイの出来上がりです。

大迫力!自然のジェットコースター「筏下り」

北山村には、ここでしか体験できない迫力満点のアクティビティがあります。それは「北山川観光筏下り」。山から切り出された木材を筏に組んで川を下り運ぶ「筏下り」を観光用にしたものです。杉の丸太を組んだ筏の上に乗って激流を下るのですが、いくつもの急流を豪快に滑り落ち、腰辺りまで水に浸かることもあります。掴めるのは両脇の手すりだけという不安定な中、目前には急流や切り立った岩肌も迫ってきて、スリル満点。まさしくアドベンチャーです。この筏の長さはなんと約30メートルもありますが、熟練の筏師が見事な櫂さばきを見せて難所を次々と乗り越えていきます。この筏流しの技術は和歌山県の無形民俗文化財にも指定されているのだそう。穏やかな流れのところではゆっくりと筏を進めるので、筏師の話に耳を傾けながら、雄大な渓谷美も満喫することもできます。毎年、6月頃から9月末くらいまで完全予約制で行っていますが、休日には早々に予約で埋まってしまうこともある人気ぶりです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 和歌山県北山村が特産の「じゃばら」はどんな食べ物?

A. 果物