奈良県により「大和野菜」に認定されている、奈良県宇陀市特産の野菜は?

「大和野菜」とは奈良県でこだわりを持って生産され、特産品として特徴をアピールできる伝統野菜として奈良県農林部が認定した野菜です。今回はその中でも宇陀市が特産の野菜をご紹介します。

キラキラと光り輝く縁起の良い野菜

「宇陀金ごぼう」は、明治初期の頃から奈良県宇陀市で盛んに作られ、京阪神に出荷されてきたごぼうです。肉質が軟らかく香りが良い事や、細かい雲母(「うんも」または「きらら」)を多く含んだ土壌で栽培されるため、収穫されたごぼうの表面にたくさん付いており、金色にきらきらと光って見えたことから「金ごぼう」と呼ばれるようになりました。縁起物の良い野菜として、正月のおせちに珍重されてきたそうです。ただ、栽培するには非常な手間と労力がかかるため、戦後になると生産者が減っていき、このごぼうの存在を知る人も少なくなってしまいました。その後、農業技術も発達し、収穫に重機を使うようになり、また近年の伝統野菜を見直す動きなどもあって、平成17年(2005年)に奈良県が「大和野菜」に認定した事から、現在では生産者が少しずつ増えつつあります。

宇陀金ごぼうの特徴

長いものでは1メートル30センチくらい、太い物は直径7センチくらいになり、通常のごぼうよりは太めです。宇陀金ごぼうは太い方が肉質が軟らかいと言われており、優しい歯ざわりをしています。皮には細かい砂状の雲母が付着しており、光に反射してキラキラと光って「金ごぼう」と呼ばれていたのがよくわかります。

宇陀金ごぼうが作られているのは、宇陀市の中でも口宇陀と呼ばれる地域です。生産量は増えつつあるものの、雲母を十分に含んでいなければならないなど、適した土壌の条件が厳しいため、収穫量はまだわずかしかありません。

どうやって食べる?宇陀金ごぼう

一般的に出回っているごぼうと同じような調理方法で食べることができます。太い特徴を活かして肉詰めに使うこともできます。お正月のおせち料理はもちろん、天ぷらなどの揚げ物、きんぴらや煮物でいただきます。収穫したてのものは香りが良いことから、香りが楽しめる料理にも適していそうです。

宇陀市にある有名な桜

「宇陀金ごぼう」が作られている宇陀市は、平成18年1月1日に宇陀郡の旧菟田野町・旧大宇陀町・旧室生村・旧榛原町の4つの町村合併により誕生した市です。豊かな自然に囲まれ、また情緒ある街並みや歴史的な建築物などたくさんの観光スポットがあります。「又兵衛桜」は、そんな観光スポットの1つ。宇陀市大宇陀本郷には、大阪夏の陣で活躍した後藤又兵衛がこの地へ落ちのび、僧侶となり一生を終えたという伝説が残っています。後藤又兵衛の屋敷跡に樹齢300年ともいわれる見事な枝振りを見せるしだれ桜があり、地元で「又兵衛桜」と呼ばれて親しまれています。2000年のNHK大河ドラマ「葵・徳川三代」のオープニングに使われたことから、瞬く間に有名になり、満開の見頃には観光客やカメラマンで大賑わいとなります。

大宇陀町の中心地である松山は古くは阿貴(あき)と呼ばれた、室町時代末期ごろに作られた小城下町です。現在でも古い街並みがとどめられており、江戸時代末期から明治にかけての町家も残っています。また、町の入口には旧城門のひとつである松山西口関門(史跡指定)があり、城下町らしさを伝えています。

室生寺は奈良時代末、興福寺の僧によって創建されました。同じ真言宗で女人禁制だった高野山金剛峰寺に対し、室生寺は女人の参詣を許可したことから、「女人高野」と呼ばれ、女性の信仰を集めました。境内には柿葺きの金堂(国宝)や弥勒堂(重要文化財)、檜皮葺きの本堂(国宝)などが散在していており、屋外に立つ古塔としては日本で最小の五重塔(国宝)があります。また、桜、しゃくなげ、紅葉などが四季折々で境内を美しく彩ります。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 奈良県により「大和野菜」に認定されている、奈良県宇陀市特産の野菜は?

A. 宇陀金ごぼう