地元産小麦と砂糖を卵で溶いたものを薄く延ばしてクレープのようにフライパンで焼く、奈良県の家庭的なお菓子は?

奈良県の一部の地域では、小麦粉に砂糖と卵を合わせた生地をフライパンで薄くのばして焼いたお菓子がよく食べられています。クレープのようなこのお菓子は何というものでしょうか。

奈良に伝わる伝統的なおやつ

「しきしき」というちょっと変わった名前で呼ばれるこのお菓子は、御所市の一部、新庄町、当麻町の奈良県の限られた地域で作られています。小麦粉の生地を薄く延ばし、あんこなどを包んで焼きます。「しきしき」の由来を知る人はいないそうですが、昭和初期にはあったといいます。当時のものは小麦粉に砂糖と塩で味付けをし、これを水で溶かして薄焼きにして折りたたんだもので、こちらは「あん巻」と呼ばれていたようです。昔は休耕田を利用して栽培された小麦粉を使って作られていました。家庭で作られて食べられることも多く、お祭りやイベントの屋台などでも売られています。

クレープのような作り方の「しきしき」

クレープのようだと表現されるしきしきは、材料もクレープと同じもの。薄力粉・砂糖・卵を混ぜ合わせ、お水も加えて生地を作ります。当麻町で作られているものはエンドウ豆の餡を巻いて焼きますが、ジャムを塗ったりとアレンジもさまざまにされています。

歴史と由緒ある山、二上山

しきしきが作られている地域のすぐそばに、そびえているのが二上山です。二上山は雄岳と雌岳が寄り添って並ぶ山。左右に金剛・葛城山系と信貴・生駒山系を従え、四季を通じて優美な姿に変えていきます。雄岳の頂上には、謀反の罪で命を落とすことになった「悲劇の皇子」の大津皇子の墓所だとされています。古くは「万葉集」に詠まれ、万葉の「ふたかみやま」として古代史の舞台ともなった由緒ある山なのです。また、二上山は千数百万年前に活発な火山活動があり、多くの火成岩が分布しています。なかでもサヌカイト・凝灰岩・金剛砂は、その後の人類文化の発展に大きく寄与した岩石、鉱物です。このように、二上山は美しい山容によって人々を魅了してきただけでなく、暮らしのなかでも深く関わりがある山なのです。

二上山に登ってみよう

二上山は大阪と奈良、両方から登山が楽しめる山です。今回は奈良側からのルートをご案内しましょう。まずは、近鉄南大阪線・二上山駅で下車し、山側に向かって歩きます。このルートには、多くの道標があって道に迷う心配は無用。そしてコース上には、「専称寺」や「春日神社」などさまざまな観光スポットもあります。地図を見てみれば、池があちこちに点在しているのがわかります。池のある風景が見られるのも、この二上山の山道ならでは言えます。春日神社を越えた辺りで登山道に入り、しばらく歩きやすい緩やかな上りが続き、尾根に沿ってのぼっていくと、やがて雄岳山頂に着きます。

雄岳から二上山のもうひとつの山頂、雌岳へと向かいましょう。なだらかで歩きやすい道の間から眺望が楽しめます。20分ほど歩くと雌岳山頂に到着します。こちらの山頂には広場もあって、ベンチもあるので、ここでお弁当を食べるのも良いですね。天気が良い日は大阪市内の眺望が楽しめます。

下山は複数ルートがありますが、岩屋方面へ向かうと途中桜並木を抜けて祐泉寺へ行くことができます。上りと同じように、なだらかで歩きやすい道をのんびり歩くことができます。祐泉寺まで来ると車道と合流します。その車道をそのまま下ると「傘堂」と呼ばれる宝形造りの瓦屋根を支える総けやき造りの建物があります。「傘堂」を通り過ぎて次は當麻寺へ。當麻寺は牡丹の花で有名なお寺で、牡丹の季節には観光客でいっぱいになります。當麻寺から當麻寺前町の風情ある道を歩いて行くと當麻駅に到着。ゴールです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 地元産小麦と砂糖を卵で溶いたものを薄く延ばしてクレープのようにフライパンで焼く、奈良県の家庭的なお菓子は?

A. しきしき