岐阜県の「ひるがの高原」で作られた「カンコワイヨット」といえば、日本初といわれる何のソース?

カンコワイヨットといえば、フランスのコンテ地方が本場のソースです。日本で最初に製造することができたのは、岐阜県ひるがの高原にある「たかすファーマーズ」です。苦心の作であるというカンコワイヨットの魅力と可能性を紹介します。

カンコワイヨットが難題を解決してくれた

岐阜県のひるがの高原では、標高1000m、年間平均気温13℃という条件を生かした酪農が盛んで、品質の良い原乳から生まれた「ひるがの高原牛乳」が中部や関東エリアで販売されてきました。株式会社たかすファーマーズが設立されたことで広くファンを増やしましたが、第3セクター方式から民営化という社内環境の変化や牛乳離れが起こりはじめたという時代性に翻弄され、経営状態が悪化していきました。起死回生の一手として注目されたのが、成長産業だと期待が大きかったチーズの開発でした。しかし、チーズをつくれば乳清という水溶液が発生してしまいます。処分するのであれば、産業廃棄物として処理しなければならないものです。

しかし、これを産廃として扱うのは、自然の恩恵を受けて上質な製品を提供する企業として相応しい態度ではないという方針が示され、なんとか乳清を上手く活用する方法がないかと模索が続いたのです。経営難と廃棄物問題を一挙に解決できる存在としてスポットライトを浴びたのが、フランスのコンテ地方で製造されてきたカンコワイヨットでした。

カンコワイヨットは可能性の塊

カンコワイヨットは、コンテ地方の一般家庭で愛されてきた日常食です。脱脂乳から製造されるチーズを熟成させ、ソース状に加工したものです。2005年以降、フランスでは多種多様なテイストが販売されるようなり、時代に合わせて進化を続けています。女性や高齢者にも人気が高いのは、低脂肪で高たんぱくという特徴を持っているからです。あっさりした触感としっかりとした風味も魅力です。たかすファーマーズでは、民営化以前から岐阜大学とのコラボを進め、カンコワイヨットの研究を続けていました。さらに現地フランスでの研修やフランス人技師による指導が結実し、日本で初めてカンコワイヨットの安定生産が可能になったのです。

チーズソースなのでドレッシングに利用したり、冷製ファンデュに活用したり、温めてソースの下地にしたりと、肉や魚、野菜や山菜といった様々な素材の味を生かせる幅広い用途があります。香辛料やハーブを加えて自分だけのテイストを開発するのも楽しみのひとつです。たかすファーマーズに隣接する直営店や通販で購入することができます。

心と体で大自然を満喫できます

カンコワイヨットを生産しているたかすファーマーズは、岐阜県郡上市高鷲町のひるがの高原にあります。ひるがの高原では、豊かな自然を体感することができます。春は花の季節です。ミズバショウ、ザゼンゾウ、桜などが咲き誇り、残雪の景色に彩り豊かな姿を現わします。大日ヶ岳の登山シーズンがはじまりますし、青々とした空の下でハイキングやテニス、ゴルフを楽しむことができます。夏は避暑地として人気です。爽やかな風を満喫しながら、夜はホタルの光に目を奪われます。秋は燃えるような紅葉に包まれ、春の彩りとは違った迫力を堪能することができます。様々な祭りが催されるため、心が躍る季節でもあります。冬は2メートルもの積雪があり、氷点下15℃まで気温が下がることがあります。厳しい季節ですが、ひるがの高原はウィンタースポーツの名所として評価が高く、多くの観光客が足を運びます。

自然の恵みも豊富です。たかすファーマーズのフレッシュな牛乳はもちろん、クレープやアイスクリーム、ベーコンを販売しているショップ、レストランバー、カフェ、温泉などもあります。四季折々の景色を堪能しながら楽しめるバーベキューも人気です。

カンコワイヨットは美味しい救世主

岐阜県の酪農が、牛乳離れやチーズ生産での産廃問題といった度重なる障害を乗り越えることができたのは、日本で初めてカンコワイヨットの生産に成功したからです。その救世主的な存在はいま、酪農の未来を背負って立つエースとして注目を集めています。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 岐阜県の「ひるがの高原」で作られた「カンコワイヨット」といえば、日本初といわれる何のソース?

A.チーズソース