千葉県特産の漬物である「鉄砲漬け」に使われる野菜とは?

食べ物に「鉄砲」の名がつけられることは結構多いですよね。フグは当たれば死ぬから「てっぽう」と呼ばれていますし、かんぴょう巻きに技日を入れるとその辛さから「鉄砲巻き」と言われます。千葉県にも「鉄砲漬け」という漬物があります。

鉄砲漬けは千葉県成田市が発祥の漬物

鉄砲漬けはウリのタネの部分をくりぬいて、穴をあけた部分にシソを巻いた青唐辛子を詰めて、醤油ベースのタレに漬けこんだ料理です。穴をあけたウリが砲筒、青唐辛子が弾のようだということで鉄砲漬けという名前がつけられました。昔は、農作物が取れなくなる冬に備えた保存食として成田市地域で作られていたものです。漬物は、その土地で大量にとれる野菜が使われます。千葉県は昔からウリの生産が盛んで、現代でもシロウリの生産量が全国2位。ほかにも、歯がぐらつく人でも食べられるほど柔らかい「はぐらうり」というブランドウリを生産しています。

鉄砲漬けはもともと家庭料理として食されていただけで、製品として流通はしていませんでした。しかし、他にはない漬物ということで地元漬物メーカーが注目をして商品化されます。その後、千葉県の数多くの漬物メーカーが鉄砲漬けを製造・販売しています。鉄砲漬けは、唐辛子が入っているだけあってピリっと辛いです。ウリには甘辛のタレがしみ込んでいますが、カリカリとした歯ごたえがあります。ご飯のおかずとしても、酒の肴としても食べることができる一品です。

家でも作られる鉄砲漬け

鉄砲漬けはつくるのに時間がかかりますが、難しい料理ではありません。調理時間のほとんどが食材に味が染みるのを待つ時間です。家で鉄砲漬け作りに挑戦したいという人のために、鉄砲漬けのレシピを紹介します。使う食材は、シロウリ・シソ(大葉)・青唐辛子です。調味料はウリ1kgに対して、塩 適量・醤油 400ml・ザラメ 200g・酒 100ml・みりん 100ml・酢 大さじ1となります。ウリは漬けたあとでも歯ごたえが残る国産のものを使うことを推奨します。ザラメの代わりに砂糖を使ってもいいですが、ザラメのほうが漬けたときの色がきれいになります。

作り方は、まずウリの皮をむいてタネのある中央部分だけをくりぬきます。それからウリにまんべんなく塩を振って、穴の中にも塩を詰めて水分を抜きます。数日間塩漬けにして、身がしんなりとしたら水につけて塩抜きをします。塩抜きの時間は1日、水は何度か変えてください。最後にウリを絞って水気を切ったら下準備は完了です。

醤油・ザラメ・酒・みりん・酢を鍋に入れて沸騰させます。煮立てたらいったん調味料を冷まします。タレが十分冷めたら、ウリのなかにシソと唐辛子を入れたものを入れて、上から落し蓋をします。ですが、ここで終わりではありません。翌日、ウリを取り出して再び調味料を沸騰させ、冷ましてからウリを漬けます。この作業を4日間繰り返してください。あとは1週間漬け込んだら食べごろになります。

成田市は空港だけの街じゃない

成田市から広がった鉄砲漬け。成田市と言えば成田空港のイメージが強いですが、他にも見どころがある街です。市の中心部には1000年以上の歴史がある「成田山新勝寺」が鎮座しており、正月になると多くの参拝客がやってきます。江戸時代には、成田山新勝寺へ参拝する客をウナギでもてなしていました。このような歴史があるため、成田市にはウナギ料理を出すお店が多く集まっています。成田市のゆるキャラも「うなりくん」という飛行機とウナギが合わさったキャラクターとなっています。成田市にとってウナギは、成田空港と同じくらい重要な位置づけにあることがよくわかります。

ピリっとおいしい鉄砲漬け

日本全国にはいくつもの漬物がありますが、野菜をくりぬいてその中に食材を詰めるタイプは珍しいです。鉄砲漬けは通販で購入できるので、味わいやすい漬物になります。複数のメーカーの鉄砲漬けを食べ比べてみるのもいいかもしれませんね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 千葉県特産の漬物である「鉄砲漬け」に使われる野菜は?

A.ウリ

Q. 千葉県成田市のマスコットキャラクターは?

A. うなりくん