串に刺したいも、豆腐、コンニャクに味噌だれを付けて回しながら焼いた、徳島県の郷土料理は?

五平餅、牛串、おだんご…などなど旅先でつい食べたくなるのが、串に刺した食べ物ですよね。食べ歩きをしながら小腹も満たせ、ご当地グルメも味わうことができて旅気分も盛り上がります。今回ご紹介する徳島県の郷土料理もそんなふうに食べたくなる一品です。

くるくる回し焼くから「でこまわし」

「でこまわし」は徳島県の大歩危や祖谷など、山深い地域に昔から伝わる郷土料理です。わかりやすく言えば串に刺した「味噌田楽」のこと。串に刺した田楽を囲炉裏に立てて、焦げないようにくるくると回しながら焼くさまが、人形浄瑠璃の「木偶(でこ=人形)」に似ていることから「でこまわし」と呼ばれるようになったと言われています。また別に、焼き立ての熱い料理をふうふうと息を吹きながら串を回す様子が、でこの頭を回しているように見えるからという説もあります。

基本的には「さといも」を使うらしいのですが、今では「ごうしゅいも」という祖谷地方特有の小さなじゃがいもに、岩豆腐と呼ばれる硬い豆腐、こんにゃくの3つの具材が一般的です。「ごうしゅいも」は、地元で栽培されるこぶりで煮くずれしにくいじゃがいもです。祖谷地方のかやぶき屋根の古民家などでは、今でも囲炉裏端で川魚と一緒に「でこまわし」が焼かれ、普段の食卓に並べられることもあるそうです。

でこまわしは上から順にまるいじゃがいも、四角い豆腐、コンニャクが串に刺されて、確かに素朴な人形っぽく見えるかわいらしいフォルム。味噌がたっぷりと塗られています。食べてみると、じゃがいもがほくほく、豆腐はしっとりとした食感で、少し焦げた味噌の香ばしい風味が口いっぱいに広がります。

祖谷地方に来たならぜひ食べたい!

でこまわしは徳島県の有名な観光スポット「かずら橋」の近隣のお店などで食べられます。軒先に鮎やアメゴの塩焼きなどと一緒にでこまわしも立てられ炭火に当てられており、その香ばしい香りに引き寄せられます。じゃがいも、岩豆腐、玉コンニャクに、少し焦げ目のついた甘めの味噌が何とも風味豊かな味わい。ぎしぎしユラユラ揺れるかずら橋を渡って、スリリングな体験をした後の空いたお腹を満たすのにぴったりですね。

でこまわしを作って食べてみよう

徳島までなかなか行けないけど、食べてみたい!という人は、簡単なので作ってみてください。「ごうしゅいも」や「岩豆腐」が手に入らなくても、じゃがいもや木綿豆腐で代用できます。

材料は小さめのじゃがいも、木綿豆腐、こんにゃく。味噌だれに味噌40グラム、しょうゆ小さじ1、砂糖30グラム、酒小さじ1、水小さじ1

小さ目のじゃがいもの皮を剥いて、竹串が刺さる程度になるまで茹でます。こんにゃくは三角形に切り、たっぷりのお湯で2~3分ほど茹でて臭みを取りましょう。みそだれは、砂糖、酒、水、しょうゆ、合わせて煮詰めます。もしくは、レンジで1分あたためてから混ぜるのを3回繰り返してもかまいません。長めの竹串に、じゃがいも、豆腐、こんにゃくを順に刺して素焼きにします。その後、味噌だれを刷毛などでまんべんなく塗り、アルミホイルを敷いた上に串を並べてオーブントースターなら13~15分、グリルなら中火で9~10分、オーブンな180度に熱して10分程度、焦げ目の付き具合など様子を見ながら焼いたら出来上がりです。焦げ目がつき過ぎるようなら、上からアルミホイルをかぶせましょう。

具材は他にもサトイモやそば団子を使ってもおいしいです。また、味噌だれはおろしショウガや柚子を足したりと色々とアレンジができるので、色々な味のでこまわしが楽しめますよ。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 串に刺したいも、豆腐、コンニャクに味噌だれを付けて回しながら焼いた、徳島県の郷土料理は?

A. でこまわし