徳島名物の柑橘類「スダチ」の名前の由来は?

徳島名物の柑橘類といえば「スダチ」ですが、この名前の由来とは何なのでしょうか?

酢の橘「スダチバナ」が短くなって・・・?!

徳島といえば阿波踊り、鳴門海峡、それからスダチ・・・。昭和49年にはスダチの花は県の花に指定されるほどスダチと徳島は縁が深いのですが、このスダチという名前は、豊かな果汁を食酢として絞って使用していたことから、酢の橘=酢橘と名づけたことに由来があるそうです。「すだちばな」が短くなって「すだち」なのですが「巣立ち」や「酢立」と当て字されることもあり、確かに由来が思い浮かびにくい名前です。

「緑の宝玉」スダチは徳島の宝!

スダチは橘の字がつくとおり、ミカン科ミカン属の植物で、カボスなどと同じ香酸柑橘類です。
5月ごろに白くて小さな花が連なって咲きます。花も果実同様に爽やかで豊かな香りを持っているので、農園では初夏の頃にはスダチの花のいい香りが広がります。
露地栽培のスダチは8月から10月の頃に出荷されますが、最近では、春から夏まではハウス物、夏から秋には露地物、11月以降は露地物を「予措(よそ)」と呼ばれる陰干しの後に冷蔵した貯蔵物が出荷されていて、年間を通してスダチが楽しめるようになりました。
そんなスダチですが、国内生産の90%以上が徳島県産で、徳島の生産量は全国1位を誇ります。「緑の宝玉」とも呼ばれ、徳島に愛されている果実なのです。

スダチのひみつ!

爽やかな香りとすっきりした酸味で、食卓の名脇役の「スダチ」。
その歴史はなんと万葉の昔から徳島に原生していたと言われています。
スダチは果皮が青い未熟果のうちに収穫し出荷しますが、熟すとミカンと同様に黄色くなります。スダチを選ぶときは、果皮の緑色が濃く、張りとツヤのあるものを選ぶとよいでしょう。

今では一年中手に入るようになった「スダチ」ですが、先に記したように出荷の時期によって栽培や保存が変わって風味に傾向があるので比較します。
・ハウス物  果皮が薄めで、果汁が多く、酸味はやや控えめ。
・露地物   果皮が厚めで、香りが強い。
・貯蔵物   酸味は比較的穏やかで、やわらかな味。
露地物に関しては、収穫後すぐは皮が硬いので、2、3日寝かせてから使うとよいでしょう。

「スダチ」には約25グラム前後の小さな体に栄養もギュッと詰まっています。
スダチの酸っぱさの中には、ビタミンCやクエン酸などが豊富に含まれていて、疲労回復を助けるとされています。
また、抗酸化作用、動脈硬化予防、利尿作用などにも期待ができる上、2006年には徳島大学の研究チームによって、スダチの搾りかすに血糖値の上昇を抑える効果があると発表され、糖尿病治療への効果も期待されています。
また酸味の強いスダチを使うことで、醤油などの塩分の多い調味料の使用を控えることができます。

スダチとカボスとシークヮーサー!

徳島の特産品のスダチですが、よく似ているカボスと間違われることも・・・。
見分ける方法はずばり大きさで、スダチはゴルフボールの大きさで、カボスはテニスボールくらい大きいです。同じく間違えやすい青ユズもテニスボールくらいの大きさがあるので、ゴルフボールサイズがスダチです。
もう一つ良く似ているのが沖縄の特産のシークヮーサー。こちらはスダチと同じくゴルフボールサイズに近く、濃い緑色で見た目がそっくりです。実は皮が薄くて種が多いのがシークヮーサーなので断面を切ってみれば見分けやすくなります。触って皮が硬いとスダチの可能性が高く、難易度は高いですが、実は香りや皮の雰囲気、ヘタの部分でよく見比べれば、違いが分かるようになるそうです。

スダチは秋刀魚などの焼き魚に果汁を絞って使用することが多いのですが、実は、皮の部分にもビタミンAが豊富なので、皮を擦って料理に使用するのもおすすめです。
果汁を絞って使う際にも、断面を上にして皮を伝わせて果汁をかけたほうが香り高くなりおすすめです。
絞った果汁はサワーやスカッシュなどの飲み物はもちろんのこと、カレーやピラフ、ポテトチップにアイス、柔らかくしたお餅などにもマッチし、思わぬ組み合わせでさっぱりと美味しく食べられます。

ザ・ご当地検定の問題

Q.徳島名物の柑橘類「スダチ」の名前の由来は?

A.酢の橘