鳥取県の郷土料理「どんどろけ飯」の「どんどろけ」とは何のこと?

鳥取県の郷土料理「どんどろけ飯」は、豆腐や地産野菜が入った炊き込みごはんです。では「どんどろけ」とは一体どういう意味があるのでしょうか?

「どんどろけ」とは雷のこと?!

鳥取県東部・中部地域に「どんどろけ飯(めし)」と呼ばれる郷土料理があります。豆腐や地元で採れた野菜などが入った炊き込みごはんなのですが、この「どんどろけ」と聞いて何が思い浮かびますか?
鳥取県と言えばゲゲゲの鬼太郎の作者・水木しげる先生の故郷。なんだかおどろおどろしい名前だしもしかして妖怪の名前では・・・?!と閃いた方もいるかも知れませんが・・・妖怪の名前ではありません。「どんどろけ」とは、実は方言で「雷」を意味します。
豆腐を油で炒める際に、バリバリと雷鳴のような威勢のいい音がすることから「どんどろけ飯」と呼ばれるようになったそうです。

「どんどろけ飯」の今と昔!

「どんどろけ飯」は田植えが終わったときなどの農作業の節目や、村や集落の集まりの際に作られていたそうです。痛みやすいので寒い時期に食べることが多かったのだとか。
当時、豆腐はごちそうでした。それぞれの集落には、自分達で作った大豆を使って豆腐を作る「豆腐小屋」なるものがあったそうです。そこに寄り合って作った自家製の豆腐を使用し、さらに野菜も、その時期に採れた地元の人参やごぼう、ねぎなどをふんだんに使って作られていました。
昭和に入り、農家では鶏を飼うようになりそこに鶏肉が入るようになりました。炊飯器の普及すると、「どんどろけ飯」を炊き込みご飯ではなく混ぜご飯にするところも出てきたそうです。
現在では、地域で集まって「どんどろけ飯」を囲むという機会がなくなってきたものの、地元の小学校などでは給食として「どんどろけ飯」が登場することがあるのだとか。
またこの「どんどろけ飯」をアレンジした「どんどろけ料理」を提供し、地域の活性化に繋げている飲食店もあるそう。
地産地消で薄味が美味しく、さらにヘルシーな「どんどろけ飯」。ぜひその味わいとチャーミングな名前を後世にも伝えていってほしい郷土料理です。

気になる「どんどろけ飯」の作り方は・・・?!

豆腐と野菜のヘルシーな炊き込みご飯「どんどろけ飯」。
ご家庭での作り方は・・・
・キッチンペーパーなどで水を切った豆腐を、熱して油を引いたフライパンで崩しながら炒めます
・次に細切りにした人参、ささがきにしたごぼう、細切りにした油揚げなどを入れて炒め酒と醤油で軽く味付けをします。
・水で戻して千切りにした干ししいたけ、さっと茹でた後ざく切りにした糸こんにゃく、食べやすく切った鶏肉などもお好みで入れてください。
・炊飯器に研いだと炒めた具材だし汁を入れて炊きます
・炊き上がったら小口切りにした青ねぎを混ぜ、器に盛ればできあがり。
薄味であっさりとしていますが懐かしく味わい深い「どんどろけ飯」。
炊きたてのうちにぜひ召し上がってみてください。

まだある!鳥取のご当地ご飯!

  • いただき
    特別な行事があった際に、それぞれの家庭で作っては近所に振る舞っていた「いただき」。大きな油揚げの中に、生の米と野菜を詰めて、だし汁でじっくり炊き上げた田舎めしです。大きないなりずしのような見た目で、味は炊き込みご飯のような昔から愛されている郷土料理です。
  • 大山おこわ
    大山(だいせん)おこわは、もち米に、大山山麓で採れた山菜や野菜をふんだんに使用した西部地域の郷土料理。しいたけ、ごぼう、栗、こんにゃく、油揚げ、ちくわなどを混ぜて、だし汁、醤油、砂糖などで味付けされます。大山で修業する人々に振る舞われていた精進料理の大山寺のおこわが、やがて家庭にも広がったといわれています。

ザ・ご当地検定の問題

Q.鳥取県の郷土料理「どんどろけ飯」の「どんどろけ」とは何のこと?

A.雷