静岡県裾野市の「すその水ギョーザ」で、皮に練りこまれている特産の野菜とは?

名前の通り富士山の裾野に広がる街・静岡県裾野市には「すその水ギョーザ」というご当地グルメがあります。地元名産の野菜を使っているのが特徴ですが、具を見てもその姿は見当たりません。いったいどんな餃子なのでしょうか。

薄いグリーンをまとったヘルシーな水餃子は栄養満点・バリエーション豊富!

「すその水ギョーザ」は、皮がきれいな薄い緑色をしているのが特徴的な水餃子です。この緑色、実は粉末にしたモロヘイヤを皮に練りこんだもの。モロヘイヤといえばビタミン類やカルシウム、食物繊維など多くの栄養素を含み「野菜の王様」とも呼ばれています。このモロヘイヤを使用することにより、もっちりとした皮には栄養が凝縮し、まさにヘルシーな水餃子に仕上がっているのです。

具には一般的な餃子の具であるキャベツや豚肉、ニラに加え、これも地元名産の茶葉を使用しています。口に入れるとほんのりお茶の香りがして、通常の餃子に比べるととてもさっぱりしているのでいくらでも飽きずに食べられます。

水餃子なのでスープに入った状態で提供されますが、このスープは店によって具材も味も異なっているので、食べ比べをするのもおすすめです。基本はシメジやネギの入った中華風のスープですが、和風のものやチゲ鍋風のものもあり、さらにはラーメンのトッピングにすその水ギョーザを乗せているところもあって、そのバリエーションの豊富さには驚かされます。

餃子への熱意は宇都宮よりも上!?名産・モロヘイヤとのタッグで最強メニューが誕生!

ところでそもそもなぜ裾野で水餃子なのか、と疑問に思う人もいるかもしれません。実は静岡県裾野市は、餃子の街として名高い宇都宮市にも負けないほどの餃子好きの街なのです。市民10,000人あたりの餃子取扱飲食店数は宇都宮市や静岡市を上回っているという調査結果もありますし、裾野市内のスーパーではお惣菜・冷凍食品ともに餃子がほぼトップの売り上げとなっているほどです。

そんな裾野市で「すその水ギョーザ」が生まれたのは2002年のことでした。地元の特産品を使ったご当地グルメで町おこしを図ろうと、市の研修会で提案されたのが始まりです。2006年ごろから地元商工会による普及活動が活発化し、2007年からは3回連続でB級グルメの祭典である「Bー1グランプリ」に入賞、一気に知名度を高めました。

裾野市民が大好きな餃子と、特産品として市民に親しまれ栄養も豊富なモロヘイヤの組み合わせはまさにベストマッチ。現在では冷凍食品としても販売されており、市民の定番グルメとなったのはもちろんお土産品としても人気を博しています。
2011年には薄緑色の餃子をかたどったマスコットキャラクター「すぅちゃん」も誕生、ゆるキャラグランプリに出場したりキャラクターグッズが発売されたりと、宣伝に大活躍しています。

商店街から観光地までどこでも買える・食べられる!まさに街を挙げての盛り上がり

現在「すその水ギョーザ」が食べられるのは、裾野市内の駅前商店街をはじめ郊外の飲食店や高原のペンション、富士山を望む温泉施設など数多くの場所があります。和食店やラーメン店はもちろん、惣菜店のイートインコーナーや居酒屋、中には洋食店で洋風にアレンジしたものを提供しているところもあるなどその展開はとどまるところを知りません。

お土産品としてはこれら飲食店の他、なんと車の販売店やクリーニング店でも取り扱っているほどの熱の入れようです。真空パックされていてお湯で温めるだけで手軽に食べることができ、残ったら冷凍保存も可能です。家で食べる際はお店のように野菜の入った中華スープに入れるのはもちろん、普通の餃子のようにタレをつけてシンプルにいただいてもおいしく、ビールのお供にもぴったり。また鍋料理やラーメンのトッピングにもよく合います。

シンプルだから料理法は多彩!裾野に行ったらお気に入りの味を探してみよう

市民の好物と地元の特産品を組み合わせた「すその水ギョーザ」は、まさにご当地グルメのお手本ともいえる存在です。また、何より魅力的なのはそのバリエーションの広さ。裾野を訪れた際にはこれぞ!というお店を探すのも楽しみの一つになりそうです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 静岡県裾野市の「すその水ギョーザ」で、皮に練りこまれている特産の野菜は?

A.モロヘイヤ

Q. 静岡県裾野市の「すその水ギョーザ」で、具に使われている意外なものといえば、裾野産何?

A. 茶葉