「B−1グランプリ」の初代グランプリである食べ物とは?

静岡県で人気のソウルフードをご紹介します。そのB級グルメは製法もトッピングも個性的で、静岡県内だけでなく全国で人気を集めています。B-1グランプリでも優勝経験のある絶品グルメについて紹介しましょう。

富士宮焼きそばの歴史と人気の秘密について

富士宮焼きそばは、浜松餃子や静岡おでんと並んで静岡県のB級グルメの代表的存在と言えるでしょう。富士宮焼きそばの特徴は、粘りが少なくコシのある硬い麺に肉カスと呼ばれるラードを絞った後に残る油かすを加えて、イワシの削り粉をふりかける点にあります。富士宮市内の製麺業者のうち4つ以外は、富士宮やきそばの蒸し麺を提供する正式な業者として認められていません。麺を炒める時に、サラダオイル等ではなくラードや天然素材の植物油を用いるところがポイントです。弾力感のある麺の秘密は、通常の麺と異なり蒸した後に茹でずにラードで炒めて水分を飛ばしているところにあります。

キャベツや豚肉を加えるのが普通ですが、多くの富士宮焼きそば販売店ではトッピングとして駿河湾に散在する漁港から取り寄せられたイカ・タコ・エビのほか、紅しょうが・目玉焼き・もやしをのせている所が珍しくありません。キャベツには、富士宮の高原キャベツのうち厳選された歯ごたえのある秋キャベツを使うことになっています。したがって美味しい富士宮焼きそばの旬は秋ということになります。富士宮焼きそばにからめるソースは、辛口ウスターソースなど数種類をブレンドしてオリジナルの味を工夫しています。

調理の際に麺の硬さ加減を決める重要な要素が水になります。富士宮焼きそばは、水道水ではなく富士山の湧水を使うことになっています。しなやかで張りのある麺の富士宮焼きそばを作るには、大型の分厚い鉄板に乗せて強火で炒める必要があります。富士宮焼きそばは、富士宮のみならず静岡県全域で愛されるご当地グルメで、富士宮焼きそばを食べない週は無いと言う地元民もいるほどです。富士宮市内のお好み食堂「伊東」は、新鮮な魚介類をたっぷりとのせた豪華な富士宮焼きそばを客の目の前にある大きな鉄板で調理してくれます。昭和23年創業の「鉄板焼すぎ本」ではイカ入り焼きそばに紅しょうがを添えてリーズナブルな値段で提供してくれます。

富士宮焼きそばのルーツは戦後の混乱期に遡ります。富士宮では製糸工場が多く女工がたくさん働いており、若い女性たちが外食で空腹を満たすために当時安価で仕入れ易かった小麦粉・肉かす・鰯の削り粉を利用して焼きそばを食べる文化が発達しました。富士宮は身延線で静岡と山梨を結ぶ交通の要として位置していたため、食料の買出しや物資の調達のため人の行き来が多く、焼きそばを山梨に持ち帰りたい人も少なくありませんでした。しかしながら水分の多い焼きそばは夏季にすぐ傷んでしまうため、冷蔵庫の無かった当時は持ち帰ることが難しかったのです。そこでビーフンからヒントを得て、蒸した後茹でずに炒めて麺の水分を飛ばし腐敗を防ぐ工夫がされました。

富士宮焼きそばが正式に開発されたのは1999年のことで、さらに町おこしのため富士宮焼きそばというネーミングで大々的に売り出したのは翌年の2000年になります。富士宮やきそば学会という民間団体も設立され、富士宮焼きそばを売り込むために本格的な活動を開始しました。2006年から始まったB級グルメの祭典であるB-1グランプリで1位に輝き、翌年の2007年も優勝して2連覇を達成しました。これを契機として富士宮焼きそばの名は全国に知れ渡り、大手の製麺会社が全国販売に乗り出すことになります。富士宮焼きそばのカップ麺も発売され、いつでもどこでも富士宮焼きそばの味を楽しめるようになりました。

富士宮市内の専門店で富士宮焼きそばを賞味してみましょう。

静岡県の富士宮市に行ったら、富士宮焼きそばの店を探してみましょう。オレンジ色ののぼり旗が目印です。はとバスのツアーでも富士宮焼きそばを味わえるコースがあるので、普通の焼きそばとは一味違う富士宮焼きそばを一度食べてみることをお勧めします。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 「B−1グランプリ」の初代グランプリである食べ物は?

A.富士宮焼きそば

Q. 静岡県の「富士宮やきそば」に必ず使わなければならないものは?

A.油かす

Q. 静岡県の「富士宮やきそば」で、最後の上からかけるものは?

A. 削り粉