静岡県名物の「しぐれ焼き」は、お好み焼きにどんな静岡グルメを取り入れた料理?

静岡県東部の富士宮で有名なB級グルメと言えば、富士宮焼きそばが挙げられるでしょう。しかし、富士宮にはもう一つ「しぐれ焼き」というご当地グルメがあるのです。この2つの郷土料理について紹介します。

富士宮焼きそばの特徴

静岡県のご当地グルメとしては、B1グランプリで連覇の偉業を成し遂げた富士宮焼きそばが有名です。富士宮市内には富士宮焼きそばの店が軒を連ね、「富士宮焼きそば」と書かれたオレンジ色の特徴的なのぼり旗を立てて客を誘っています。富士宮焼きそばの特徴としては、蒸した後に茹でずにラードで炒めて水分を飛ばしたことにより、硬めで弾力性の出た麺を用いている点が挙げられます。これは、戦後の冷蔵庫のない時代に日持ちを良くするために考えられた手法で、水分が少ないと傷みにくく身延線で富士宮に物資調達に来た客も山梨など遠方へ持ち帰ることが可能になりました。

また、ラードを絞った後に残る油カスを加えて風味を出し、最後に表面にイワシの削り粉をふりかける特徴もあります。トッピングには、地場産にこだわった富士宮の高原キャベツのうち歯ごたえのある秋キャベツを使うほか、イカ・タコ・エビ等の海鮮類に加えて紅しょうが・目玉焼き・もやしを使います。麺を炒める際に微妙な水加減が必要ですが、富士山の湧水にこだわってまろやかな味わいになるよう工夫している点も見逃せません。麺は大型の分厚い鉄板に乗せて強火で炒め、麺のコシを保つようにしています。

富士宮焼きそばという名で売り出したのは、B1グランプリが初めて開催された2006年からわずか6年前の2000年のことでしたが、グランプリ初年度と翌年の第2回の両方で優勝することができました。「富士宮やきそば学会」という民間団体が町おこしのために設立され、町ぐるみで富士宮焼きそばの味の追求と販売促進に尽力した成果だと言えるでしょう。これを契機として富士宮焼きそばは全国的に有名になり、はとバスも富士宮方面にコースを設定して富士宮焼きそばを食べるツアーが人気を博しています。富士宮焼きそばのカップ麺も発売され、日本中で富士宮焼きそばの味を楽しめるようになりました。

しぐれ焼きとは?

富士宮には、富士宮焼きそば以外にもしぐれ焼きというご当地グルメが人気の的です。しぐれ焼きはお好み焼きの一種ですが、広島のモダン焼きのように富士宮焼きそばが入っている点が特徴となっています。しぐれ焼きには、富士宮焼きそばと同様に肉カスと呼ばれたラードの残りカスやだし粉が使用されています。富士宮は戦前から小麦・鰯のだし粉・ラードの油カスには事欠かなかったため、これらの食材を用いた料理が庶民の食べ物の中心となりました。

1940年代には富士宮に多かった製紙工場に多数の女工が勤務しており、多忙な仕事の合間に小麦・鰯のだし粉・ラードの油カスを用いて作った焼きそばやお好み焼きを食べることが楽しみになっていました。こうしたソウルフードが富士宮焼きそばやしぐれ焼きの原点となったのです。富士宮焼きそばがB1グランプリでブレイクすると、味の進化した富士宮焼きそばの麺を入れたしぐれ焼きも、富士宮のご当地グルメとして頭角を現すようになりました。

富士宮に限らず静岡県内の富士宮焼きそばの店では、しぐれ焼きも提供しているところが少なくありません。富士宮市内では地元の人も通う「うめづ」がおすすめです。しぐれ焼きの見た目は平らで薄い仕上がりですが、中身はふっくらとして口当たりもまろやかです。小さな蔵のような造りの「ゆぐち」も人気店で、店の前の大きな駐車場が満車になることも珍しくありません。富士宮焼きそばがメインですが、しぐれ焼きも「しぐれお好み焼き」という県外者にもわかりやすいメニュー名で提供されています。

富士宮で富士宮焼きそばを食べるなら、しぐれ焼きも注文してみてはいかがでしょうか?

富士宮焼きそばもしぐれ焼きも、富士宮の庶民の歴史を背負った産物です。もし富士宮を訪れたら、製紙工場で汗を流して働いた女工たちに思いを馳せながら、富士宮焼きそばとしぐれ焼きを味わってみることも旅行の思い出になるでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 静岡県名物の「しぐれ焼き」は、お好み焼きにどんな静岡グルメを取り入れた料理?

A.富士宮焼きそば