きつね色に焼いたカステラ状の生地であんを包んだ、島根県津和野町の銘菓は?

島根県・津和野には古くから親しまれ、お土産としても有名な銘菓があります。「山陰の小京都」と呼ばれる津和野にふさわしい、このお菓子の名前は何と言うでしょうか?

その名も「源氏巻(げんじまき)」

「源氏巻」はこしあんをしっとりしたカステラの生地で巻いた、細長いお饅頭のようなお菓子です。大きさは縦が15~6センチくらいの手のひらには収まり切れないサイズ。そのままで食べてもおいしいですが、甘みがあるのでお茶やコーヒーのお茶請けとしていただくのがおすすめです。

「源氏巻」の名前の由来

「源氏巻」の由来は諸説ありますが、その中の一つにこのような説があります。時は幕末の頃、津和野を治めていた亀井藩の御用菓子司が銘名を頂くために、お菓子に紫色の餡をつめて、藩主に進上しました。藩主の妻がこの紫色の餡に感動して『源氏物語』の「若紫」で源氏が紫の上(若紫)について詠んだ歌、「手に摘みていつしかも見ん紫の根に通ひける野辺の若草」にあやかり「源氏巻」と名付けられたとされています。

源氏巻を食べ比べてみよう

津和野の街を歩けば、多くのお店で源氏巻が販売されており、お店によってそれぞれ特徴があります。生地のしっとり具合や厚み、食感や風味、餡も甘さや色合いなどが違っているので、気になったお店の源氏巻をいくつか買って、食べ比べてみるのも楽しいですね。値段はお店によって違いますが、だいたい1つ250円前後とリーズナブル。お土産にも喜ばれています。

山陰の小京都・津和野

島根県・津和野は山陰の小京都として名高い美しい街です。白壁の古い町並みや掘割を優雅に泳ぐ鯉の姿を眺めながら、ゆったりと散策できます。

町の中心部にある殿町通りは、200mほど続く石畳沿いに藩校養老館跡、郡役所跡、津和野カトリック教会など白壁やなまこ壁が美しい建物が立ち並んでいます。通りに沿って流れる掘割には、赤、白、金、黒など、たくさんの色とりどりの美しい鯉たちが泳ぐ姿を見ることができます。この鯉は津和野藩主だった坂崎出羽守氏が、側溝を多く作ったことで蚊が大量発生するだろうと予想し、その発生を食い止めるために養殖を始めたのだとか。現在では殿町通りのシンボルになっています。

殿町通りの古い街並みの中で、目を引くのはゴシック風建築の「津和野カトリック教会」。昭和6(1931)年にドイツ人のシェーファーによって建てられました。洋風建築ですが内部は畳敷きになっており、美しいステンドグラスがあります。乙女峠の殉教についての歴史的資料を集めた展示室も隣接されています。

日本五大稲荷の一つである「太皷谷稲成神社」は、伏見稲荷大社と同様に「千本鳥居」があり、城山の麓から中腹にかけて鮮やかな朱塗りの鳥居が立ち並んでいます。約300メートルの石段を登れば太皷谷稲成神社に到着。稲荷神社は通常「稲荷」と書きますが、こちらの神社は全国でも珍しく「稲成」と書きます。「稲成」としたのは「願望成就」のためだとか。しっかりとお願いごとをしたいですね。お参りする時には「お揚げ」をお供えするのが作法なので、境内の売店にて購入しましょう。

JR津和野駅は、蒸気機関車が牽引する快速「SLやまぐち号」の終着駅でもあります。「貴婦人」との異名も持つ、この艶やかな黒い車体が美しい蒸気機関車は新山口駅から津和野駅までを走行していますが、運行は土日に限られていて1日1往復のみ。とても人気があるので、乗車したい方は早めの予約が必要です。

安野光雅美術館は、絵本のノーベル賞と言われる「国際アンデルセン賞」を受賞し、幅広い分野で活躍する画家の安野光雅の作品を展示している美術館です。館内では絵本をはじめ、風景画などたくさんの作品が展示されいるほか、昭和初期の木造校舎の教室を再現した「昔の教室」があり、大人も童心に帰って楽しむことができます。

ザ・ご当地検定の問題

Q. きつね色に焼いたカステラ状の生地であんを包んだ、島根県津和野町の銘菓は?

A. 源氏巻