「七珍」と呼ばれる七つの珍味が取れることでも知られる、島根県にある湖は?

島根県には「日本夕陽百選」に選ばれる、沈む夕日が何とも幻想的で美しい湖があります。多種多様な魚が獲れることでも知られている、この湖は何でしょうか?

滋味あふれる湖の幸

島根県の東北部に位置する宍道湖は、周囲約47キロメートルの全国で7番目に大きい湖です。淡水と海水が混ざりあう汽水湖で、多種多様な魚介類が豊富に獲れます。その中から宍道湖を代表する七つの味覚、スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ、シラウオ、コイ、シジミが「宍道湖七珍」と呼ばれています。地元の人は、この頭の一文字をとり「スモウアシコシ(相撲足腰)」と覚えるそうです。

「宍道湖七珍」の7つとは

ここでは、宍道湖七珍を一つ一つご紹介しましょう。

「スズキ」は晩秋から初冬にかけて水温が冷たくなる頃に、脂がのって旬を迎えます。「スズキの奉書焼き」は、一匹を丸ごと奉書紙に包んで蒸し焼きにする料理で、大名茶人として名高い松平家7代藩主である不味公好みの一品として有名です。

「モロゲエビ」とは松江地方の方言で、標準和名を「ヨシエビ」といいます。クルマエビの一種であり、くせのない上品な味わいで背ワタが少なく殻が薄いため、丸ごと唐揚げなどで食べられます。

宍道湖の「ウナギ」は、身がしまり歯ごたえがあるので蒲焼きが最適とされています。島根の焼き方が「地焼き」と呼ばれ、出雲から上方に伝わって全国的に広まることになりました。

「アマサギ」は一般的にワカサギと呼ばれる魚で、松江の冬の名物です。産卵期である1月から3月にかけてが旬で、天ぷら、照り焼き、煮付けで食べられます。

「シラウオ」は天ぷらやすまし汁などでいただきます。「だし(出汁)いらず」と言われるほどに、すまし汁はシラウオだけでおいしいだしが出ます。鮮度の良いものは氷のように透き通っていており、その姿は女性の手の指に例えられました。

宍道湖の「コイ」を三枚におろして細長い糸状に切ったものに煎ったコイの卵(真子)をまぶして食べる「鯉の糸造り」は、松江の代表的な郷土料理です。

宍道湖の名物と言えば、やはり「シジミ」。漁獲高は全国一を誇ります。年間を通して食べることができますが、身の大きいしじみを食べるなら、産卵のために身が肥えた7月前後の「土用シジミ」と1月~3月の冬季に漁獲される「寒シジミ」がおすすめです。宍道湖産のヤマトシジミは淡水のシジミに比べて大粒で味が良く、みそ汁を始め様々な料理で食べられています。

刻一刻と変化する美しい湖「宍道湖」

宍道湖は季節や時間で様々に変化を見せ、特に湖を赤く染める美しい夕日の景観が有名です。広い宍道湖では夕日の絶景ポイントが各所に点在しています。

まずは、宍道湖大橋の南詰めから湖畔に沿って広がる白潟公園(しらかたこうえん)。夕日をパノラマで見ることができ、ベンチやあずま屋も設置されています。かつては灯台だったという「青柳楼の大灯籠」や水辺へ続く散策道があるので散歩をしながらの夕日鑑賞もいいですね。

宍道湖大橋と松江大橋宍道湖はその上で夕日を見るのも素敵ですが、離れたところで夕日と一緒にカメラに収めたいところ。映える写真が撮れる絶好のロケーションです。

山陰最大規模を誇る島根県立美術館は「夕日の見える美術館」としても知られています。ロビーの西側は全面ガラス張りになっており、夕日の観賞のために開放されています。美術館の湖畔には縁結びスポットとしても人気の「宍道湖うさぎ」が出迎えてくれます。12匹のうさぎのうち、湖から2番目のウサギに西を向きながら触るとご縁が舞い降りてくると言われています。シジミの殻を供えるとご利益が倍になるのだとか。

観光遊覧船「はくちょう号」では最終便のみ「サンセットクルーズ」となり夕日のベストポイントに停泊するので、湖上からの夕日観賞が可能です。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 「七珍」と呼ばれる七つの珍味が取れることでも知られる、島根県にある湖は?

A. 宍道湖