クリームを塗ったパンを丸めて成型した、島根名物のパンは?

全国各地にあるご当地パンは、全国的に知られていなくても地域の人々に愛され、長く支持されている場合が多いですよね。今回ご紹介するパンも島根県の出雲でずっと食べ続けられている、ソウルフードです。

60年以上咲き続けるパン

「バラパン」は、生地がくるくると巻かれ、まるで大輪のバラが咲いているかのような美しい見た目をしたパンです。巻かれた生地の上部が波線状になっており、それを巻くことによってバラの花のように見えるようになっています。重なった生地の間にも、クリームが挟まっています。

バラパンの食べ方は花びらの部分を1枚ずつちぎり、クリームをつけて食べます。一口食べると、生地は噛まなくていいくらい、しっとりしていて、かつフワフワ。ほんのり甘いクリームが引き立つ、シンプルで飽きのこない味わいです。クリームはバタークリームですが、あっさりめでしつこくなく、滑らかな舌触りでミルクのような風味も感じられます。このバラパンの「肝」とも言えるクリームは特にこだわって作られており、材料も配合も企業秘密です。ただのバタークリームではなく、かなり控えめな甘さになるよう調整しており、滑らかさを出すために配合もかなりのこだわりがあるそうです。

バラパンの誕生の由来

バラパンが誕生したのは、昭和29年(1954年)のこと。島根県出雲市の「なんぽうパン」で、創業した頃に働いていた花が好きな男性の職人が「変わったパンを作りたい」と思い、美しいバラをパンにしてみたいと作り始めたことから。どのようにしたら花びらに見えるか苦戦しながら、試行錯誤の末に作りあげたそうです。バラパンは機械ではなく、ほとんどの作業工程を4、5人の職人が手作業で作っているので、1日に作れるのは2000個。発売から約60年以上たっても、味・形はもちろん、パッケージデザインまで当時のままだそう。少しずつ地域の人々に根付いていき現在では、地域の集まりのおやつに出されたり、法事の引き出物として注文する人がいるのだとか。出雲市内スーパーでも並べられ、売り切れて追加注文が来るほどの人気商品になっています。子どもから大人まで世代を超えて愛され続けている、ご当地パンなのです。

「限定バラパン」が味わえる喫茶店もあります

JR出雲市駅から、歩いて15分ほどのところにある「ふじひろ珈琲」は、出雲では老舗の風格を持つ喫茶店。落ち着いた雰囲気のなかで、厳選された良質の生豆を直火式の焙煎機で炒り、丁寧に淹れられたコーヒーを楽しむことができます。そして、こちらの喫茶店限定のバラパンを食べることができるのです。ふじひろ珈琲オリジナル「バラパンセット」では、いちご、マロン、抹茶、ホイップ、玉子サラダが選べるのだそう。またプラス100円「夕日バラパンセット」に変更できます。どれも気になりますね。

バラパンいろいろ

気になってぜひ食べてみたい方は、バラパンは通信販売でも買うことができますよ。現在販売されているバラパンは4種類。王道のプレーンのしつこくないミルク風味のクリームがおいしい「バラパン」、「コーヒーバラパン」のクリームは、コーヒーが香るコーヒー風味。プレーンのバラパンのクリームも甘さ控えめですが、コーヒー風味が加わることによって、甘いのが苦手な方もおいしくいただけそうです。生地を抹茶風味にし、抹茶クリームを使用した「抹茶バラパン」は、ほんのりグリーンで色合いも美しく、抹茶味好きならぜひ試してもらいたい一品です。そして、「和風バラパン」は、企業秘密のクリームとあんこが相性抜群。ふわふわの生地とも絶妙にマッチしていて、一度食べたらクセになりそうなおいしさです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. クリームを塗ったパンを丸めて成型した、島根名物のパンは?

A. バラパン