滋賀県長浜市の名物「サラダパン」。挟んでいるのはたくあんを何で和えたもの?

滋賀県長浜市の名物に「サラダパン」という名前の総菜パンがあります。名前だけ聞くと、何やらキャベツやレタスにトマトのような普通の野菜を使ったサラダを想像してしまいがちです。しかし、実際には意外ともいえるアレがパンの中には入っています。

そもそもサラダパンってどんなパン?

長浜名物サラダパンは、細かく刻んだタクアンをマヨネーズで和えたものをコッペパンにはさんだものです。この惣菜パンは、滋賀県長浜市で1951年に創業した「つるやパン」が生みだしたことでも知られています。当初はキャベツの千切りとマヨネーズを合わせていたようですが、時間の経過とともに水分が出過ぎてしまうという問題を抱えていました。そこで、当時のスタッフが日持ちもして食感も楽しいタクアンに目を付けて新たに開発したのが現在のサラダパンです。

その独特の味わいと食感は、この世に出て数十年経った現在でも地元のファンを中心に絶大な支持を受け続けています。さらに、遠方のお客様のためにネット通販で注文を受け付ける仕組みを取り入れたところ、こちらも大評判になったそうです。今では1日に2,500個以上生産するまでの大人気商品になりました。サラダパンの包装はマヨネーズをイメージした黄色の背景にキャベツの緑色で文字が書かれてあります。このあたりに中身がキャベツであったころの面影が残っています。

どうして名前がサラダパンなの?

サラダパンの中身はタクアンであり、世間一般でいうところのサラダではありません。では、どうして中身がサラダではないのにサラダパンという名前が付いているのでしょうか。その理由は、中身のタクアンではなく調味料のマヨネーズの方にありました。サラダパンを考案した当時、日本ではマヨネーズがまだまだ珍しい存在だったそうです。そのころサラダパンを開発したスタッフが、マヨネーズを自作してみようとレシピを入手しました。そして、その材料のひとつにこちらも当時はまだ珍しかった「サラダ油」が含まれていたとのことです。

出来あがったマヨネーズを試食してみたところとても美味しく、スタッフの方はこれをパンにはさんでみたら面白いのではないかと思いました。結果は、注文が殺到するほどの大ヒット商品になったのはすでに述べたとおりです。本来ならば「マヨネーズパン」としてもおかしくないところを「サラダパン」とネーミングしたしたところも、ヒットした要因なのかもしれません。

他にもいろいろ!つるやパンのヒット商品

サラダパンを世に送り出した「つるやパン」には、サラダパンに勝るとも劣らない名物商品がいくつもあります。それらの大半がシンプルかつ分かりやすいもので、長い間地元の方に親しまれてきたのが特徴です。「サンドウィッチ」という言葉からみなさんがイメージするのは、いったいどういった商品でしょうか。おそらく、三角形にカットされたパンに野菜やハム、チーズなどがはさんであるものを想像されるのではないでしょうか。ところが、「つるやパン」のそれは通常のものとは大きく異なっています。形状は円い食パンで、中身はマヨネーズに魚肉ソーセージだけといたってシンプルなものです。

また、「カステラサンド」と呼ばれる商品も一風変わっています。こちらは材料にカステラを用いているのですが、カステラで具材をはさみこむのではなく、カステラがパンではさまれているのです。カステラとパンの間には香ばしいバタークリームが塗り込まれており、シンプルながらも飽きのこない味に仕上がっています。その他にも「ランチパン」や「スマイルサンド」など、名前を聞いただけでは想像できないような商品が並んでいるのも「つるやパン」の特徴です。

まだまだあるかも?全国のご当地パン

タクアンにマヨネーズを合わせるなんて、意外な組み合わせだと感じた方も多かったはずです。このように、全国にはまだまだ知られていないご当地パンが隠されています。全国ご当地パン巡りをするのも楽しそうです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 滋賀県長浜市の名物「サラダパン」。中にサンドされているのは、刻んだたくあんを何で和えたもの?

A.マヨネーズ