日本各地に存在している郷土料理は、その土地の名産品や気候・風土に沿ったメニューとなっています。滋賀県長浜市の郷土料理は、「のっぺいうどん」であり、一年を通して親しまれている料理です。「のっぺいうどん」とは何かを紹介します。
「のっぺいうどん」の特徴
うどんというと香川県が有名ですが、日本の各地で食べられている料理であるからこそ、各地で郷土料理として特色あるうどんも存在しています。滋賀県長浜市にある「のっぺいうどん」もそのうちのひとつであり、滋賀県長浜市の郷土料理・B級グルメとして知られた存在です。滋賀県長浜市は、木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が功績をたたえられて与えられた土地であり、当時は小浜という土地名を、信長公にあやかって長浜と改名したことで知られていますが、「のっぺいうどん」が誕生したのは豊臣秀吉の時代のもっと後の明治時代です。もともと日本各地で親しまれている郷土料理として「のっぺい汁」というものがありました。
「のっぺい汁」とは、地域によって具材は異なりますが、主に余った野菜を使用してとろみをつけて澄まし汁にしたものです。この料理の特徴を受け次いで完成したものが「のっぺいうどん」といわれています。「のっぺいうどん」を初めて生み出したのは、明治9年(1876年)に長浜で創業した「うどん・そば吉野」であるとされています。初代の店主が郷土料理ののっぺい汁や京都のしっぽくうどん、葛料理などを参考にして編み出しました。以来、城下町が美しい観光地としても有名な長浜では、郷土料理・グルメとして親しまれるようになっています。各家庭で作られるほか、飲食店でも数多く提供されている料理です。
「のっぺいうどん」の特徴は、様々な野菜が入っていることと、スープにとろりとしたとろみがあるということです。とろりとしたあんが乗っていて「のっぺり」していることから「のっぺいうどん」という名前が付いたとされる説もあります。あつあつのうどんであり、関西にありながら日本海側の気候で豪雪地帯でもある滋賀県長浜市では、冬の寒さをしのぐために重宝されています。また、夏でも琵琶湖から吹く風の寒さを和らげるためによく食べられているようです。
「のっぺいうどん」の魅力
「のっぺいうどん」の魅力は様々あります。まずは、様々な野菜が入っているということです。細かな具材は各家庭や飲食店によって異なりますが、特大のシイタケに湯葉、麩、かまぼこといった具材が代表的です。いずれの具材も出汁を吸い込みやすく、特に特大のシイタケは、かぶりつくとシイタケと出汁のスープがしみだして絶品です。また、トッピングとして土ショウガがあることも特徴であり、ピリリとしたアクセントになるほか、身体を芯から温めてくれます。
「のっぺいうどん」の出汁は、関西の出汁と関東の出汁の両方を使っています。一般的には関西では昆布出汁、関東ではかつお出汁を使用しており、この両方を使った「のっぺいうどん」の出汁は、味わい深く出汁のうまみをしっかりと味わうことができます。いくらでも食べることができる味付けです。さらに、この出汁で作ったスープは吉野葛を使用してとろみがつけられています。「のっぺいうどん」の最大の特徴でもあり、おいしさのカギでもあります。
とろみによってうどんが重く感じられるほどであり、うどんの表面をコーティングしてくれることによっていつまでも温かさをキープし続けます。食べ終わるまで温かいままにしてくれるほか、麺によくスープが絡み、心地よい食感を味わうことができます。さらに、葛粉には発汗作用や滋養作用があり、風邪のひきはじめに効果がある食材です。うどんの消化のしやすさに、ショウガと葛の効果もあり、寒い冬には健康面でもおすすめです。
身体を温める「のっぺいうどん」
滋賀県長浜市の郷土料理「のっぺいうどん」は、明治時代が発祥の大きなシイタケに湯葉や麩、土ショウガが入り、スープを葛粉でとろみをつけたうどんです。いつまでも温かく食べることができるため、滋賀県観光の際にはぜひ食べてください。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 滋賀県長浜市発祥の「のっぺいうどん」の特徴として正しくないのは?
A. 冷やしうどんである
Q. 滋賀県長浜市発祥の「のっぺいうどん」が誕生したのはいつ?
A.明治時代