ブルーベリーの生産量1位は長野県ですが、ブラックベリーの生産量1位は?(平成25年)

ブラックベリーはブルーベリーと名前が似ているものの、色だけでなく形や味も違います。このブラックベリーの生産量が全国で最も多い都道府県は、どこかご存じですか?

滋賀県産のブラックベリーの特徴と食べ方

ブラックベリーとは、バラ科キイチゴ属の果樹で西洋藪苺(セイヨウヤブイチゴ)とも呼ばれています。1粒1粒の実が枝に直接付いているブルーベリーと異なり、ブラックベリーはブドウのように一房に何十粒もの実が生ります。滋賀県はブラックベリーの生産量が国内1位とされていますが、「アドベリー生産協議会」によると滋賀県産のブラックベリーは厳密には純粋なブラックベリーではありません。ボイセンベリーというブラックベリー・ローガンベリー・ラズベリーの交配種を指します。滋賀県産のボイセンベリーは滋賀県高島市安曇川町の特産品として売り込むため「アドベリー」と名付けられ、全国的に知られるようになりました。

安曇川町では、町起こしのため2003年にニュージーランド産のボイセンベリーを栽培販売しようという提案がされました。栽培の試みは見事に成功し、2年後から本格的な収穫が始まったのです。生産農家は10軒に満たない小規模の農業ですが、滋賀県のアドベリーは生産量が全国1位となりました。ブラックベリーの収穫時期は6月下旬から7月初旬という梅雨の時期がピークで、生で美味しく食べられるのもこの時期だけです。日持ちがしないため、収穫期間以外の時期は冷凍保存して食べるしかありません。実際に全生産量の1割ほどを生食用として出荷するだけで、残りの9割は冷凍保存されます。アドベリー収穫期間が短いうえに保存が容易でないため希少価値が高く、ほとんど市場に流通しない「幻の果実」と言われています。

アドベリーは、爽やかな風味と口当たりのよい甘さが特徴的です。生で食べるとラズベリーに近い甘酸っぱさがありブルーベリーより酸味が強いので、ジャムなど加工品にすることが多くなっています。また、ヨーグルトやムースにフルーツソースとして入れたり、スムージーに混ぜたりしても美味しく食べられるでしょう。新鮮なアドベリーを煮詰めたシロップをかき氷にかけたり、冷凍果汁を氷らせてかき氷にしたりして食べることも安曇川町の夏の風習となっています。

「アドベリー生産協議会」が主催する商品認定委員会によって、アドベリーを利用したケーキ・アイス等のスイーツやジュース等のドリンクなど併せて全80種類以上の商品が認定されています。これらの加工商品は滋賀県内の道の駅でも購入が可能です。子どもたちにはアドベリーの入ったソフトクリームやジェラートが人気で、道の駅の中にある安曇川キッチンというレストランではアドベリーフロートも食べられます。人気の限定商品は売り切れ必至なので、お目当ての品を入手するためには早めに入店しなければなりません。アドベリーの旬の時期には安曇川町で「アドベリー収穫祭」が開催され、新鮮な生果実や収穫祭限定のスイーツが提供されます。アドベリーの濃縮果汁は料理の調味料としても注目されており、全国からの注文が多い逸品となっています。

ブラックベリーの果実には、アントシアニン・フェノリックス・葉酸などの栄養素が豊富に含まれています。ブルーベリーにも含有されることで有名なアントシアニンは、視力を回復したり網膜剥離を予防したりします。また、細胞を元気にして肌や髪を若く保つ作用があります。フェノリックスとはポリフェノールで知られるタンニン成分のことで、抗酸化作用が強く血管を守り動脈硬化を予防します。葉酸は赤血球の生産を助け、貧血を防ぎます。細胞の代謝を活性化するので身体の発育促進には欠かせません。

梅雨の時期に滋賀県の安曇川町を訪れたら、生のブラックベリーを食べてみましょう。

滋賀県では「ブラックベリー」より「アドベリー」という名が知られています。滋賀県のブラックベリーと言えば、安曇川町のアドベリーのことなのです。1年に1ヶ月ほどの短い期間ですが、安曇川町で新鮮な生のアドベリーを食べてみてはいかがでしょうか?

ザ・ご当地検定の問題

Q. ブルーベリーの生産量1位は長野県ですが、ブラックベリーの生産量1位は?(平成25年)

A.滋賀県