大分の郷土料理「うずみみそ」といえば、何を入れた焼き味噌?

「日本一のおんせん県」として有名な大分県。別府温泉や由布院温泉など日本で1番多い源泉数を誇り、地獄めぐりなど観光スポットも豊富にあります。また、関サバや関あじを初めとした海の幸に恵まれ、とり天やから揚げなどの名物料理も人気です。季節を問わず多くの観光客が訪れる大分県ですが、あまり他県に紹介されることのない「うずみみそ」という郷土料理があるのをご存知でしょうか。ここでは、大分県の知られざる郷土料理うずみみその魅力を紹介します。

うずみみそってどんな料理?

大分県民が愛してやまない郷土料理うずみみそを簡単に説明すると、焼き味噌の一種です。焼き味噌は全国各地で、いろいろな種類が作られています。そもそも、焼き味噌とは、味噌に具材と調味料を混ぜて焼いたものです。ご飯のお供や、お酒の肴としても人気がある料理ですよね。作り方はとてもシンプルですが、具材に何を用いるかでそれぞれの地域の特色が出るというわけです。大分の郷土料理うずみみそは、具材として「ひめいち」という白身魚の身を使用します。

うずみみその具材として使用されるひめいちですが、正式名称ではありません。ひめいちは、関西や中国地方、徳島、高知、九州の東側で呼ばれている名前です。正式名称はヒメジ。ズズキ目ヒメジ科ヒメジ属の白身魚で、体長は20cm程度、体色は全体的に薄い赤色をしていて、アゴに黄色い2本のヒゲがあるのが特徴です。北陸から沖縄まで広く生息していて、一般的には刺し身や干物、塩焼きにして食べられますが、天ぷらや唐揚げ、南蛮漬けにしても美味しく食べることができます。

うずみみそを作るには、まず、ひめいちを素焼きにして身をほぐし、さらにすり鉢ですり潰します。次は、味噌などの調味料を混ぜていく工程です。すり潰した白身魚の身に、赤味噌4、砂糖1、みりん1の割合で調味料を混ぜていきます。よく混ぜ合わせたら、あとは焼くだけで完成です。鍋蓋や木ベラに薄く塗りつけ、直火で焼いていきます。焼き色が付き、味噌の香りがしてきたら完成です。柚子胡椒を加えたピリ辛バージョンなど、バリエーションもたくさんあります。あったかいご飯はもちろん、湯豆腐に載せて食べても格別です。

まだまだある!大分の郷土料理

大分の名物といえば、かぼすと椎茸。なかでもどんこは特に有名です。しかし、かぼすや椎茸以外だけではなく、大分は水産物も豊富なのです。関サバ、関アジ、そして城下カレイなどは、全国的にもかなり知名度があるのではないのでしょうか。これらの水産物を活かした海鮮丼が、大分では郷土料理としてとても人気があります。大分を訪れたときにはぜひ食べておきたい海鮮丼をいくつか紹介しましょう。

大分で最もポピュラーなのが「りゅうきゅう丼」です。郷土料理のりゅうきゅうをご飯にのせていただく丼ものです。琉球といえば沖縄のことですよね。「琉球という名前がついた料理がどうして大分名物?」と、思われるのではないでしょうか。大分の郷土料理りゅうきゅうの由来には、いろいろな説があります。たとえば、有名な歌人千利休が関係しているという説。もともと日本料理の世界では、千利休の大好物がごまであったことから、ごまを使った料理には「利久~」と名付けられることがよくあります。つまり、利久がやがて変化してりゅうきゅうになったというわけです。

ちなみに、お店で提供される料理の場合は「休」という字を嫌って「利久」と表記されます。とはいえ、りゅうきゅうの由来としては、大分の漁師が沖縄の漁師から作り方を教えてもらったことから「りゅうきゅう」と呼ばれるようになったのだという説のほうが有力です。りゅうきゅうの具材には、ブリやサバ、アジなどがよく使われます。これらの刺し身を、醤油と生姜などを混ぜ合わせたタレに漬け込み、白ごまなどの薬味をふりかければ完成です。りゅうきゅうはお酒の肴として、大分の飲食店で広く提供されています。

りゅうきゅう丼と似た料理に、ひゅうが丼があります。こちらは遠洋マグロ漁の基地として有名な、大分県津久見市保戸島が発祥とされている海鮮丼です。「ひゅうが」といえば宮崎県ですが、保戸島の漁師が宮崎県の日向で食べ方を教わったことからひゅうが丼と呼ばれています。この辺りの事情は、りゅうきゅう丼とよく似ていますね。ひゅうが丼に使われる刺し身はマグロやブリ、アジなど。ごまと醤油のタレに漬け込むところまではりゅうきゅう丼と似ていますが、タレに卵黄を入れるのがひゅうが丼の特徴です。また、ひゅうが丼の場合は少しだけ残して最後はお茶漬けにするのがスタンダードな食べ方とされています。

大分を訪れたらぜひ!チェックしたい観光スポット

大分観光で訪れるべき観光スポットとしてまず紹介するのは、大分マリーンパレス水族館「うみたまご」と高崎山自然動物園です。このふたつの観光スポットは、別府湾に沿って走る国道10号線を挟んで向かい合わせに位置しています。大分マリーンパレス水族館「うみたまご」は、とにかく人と動物との距離が近い水族館です。特に、園内の施設「あそびーち」では膝まで水に入ることができ、イルカなどの動物と自然に触れ合うことができます。50年以上の歴史があり、日本で初めてタチウオの飼育展示に成功したという実績もある水族館です。タチウオという魚は傷つきやすく、飼育が難しいことで知られています。しかし、ウロコがない真っ直ぐな魚体は、まさに刀のようで幻想的な光景を楽しむことができます。

高崎山自然動物園では野生のサルを餌付けしています。一般的な動物園のようにオリがないので、自然な状態のサルを観察できるのが特徴です。多くのサルが集まるサル寄せ場までは少し歩きますが「さるっこレール」というモノレールに乗って移動することもできます。最大の見せ場は、やはり餌やりの時間です。30分に1回、係員が小麦の餌やりをするので、訪れると見逃すことはないでしょう。高崎山自然動物園では、サルが自分の股のあいだを通り抜けるとよいことが起こるといわれています。そのため、餌やりの時間になると観光客同士が股を開き、隣の人と足をくっつけてサルが通り抜けやすくするのです。通り抜けたサルの数が多いほどよいとされているので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

地獄めぐりも、大分観光では外すことができないスポットです。コバルトブルーの海地獄や真っ赤な血の池地獄、熱湯が噴出する竜巻地獄などが有名ですが、鬼山地獄もおすすめです。鬼山地獄では温泉の温度を利用して、世界のワニが飼育されています。別名ワニ地獄とも呼ばれていて、迫力あるワニの餌やりが最大の見どころです。

灰色で泥のような地獄の中から、まるで坊主の頭のような泡が湧き出す坊主地獄には、2種類あるので注意しましょう。別府地獄組合に加盟している鬼岩坊主地獄と、加盟していない「坊主地獄」があるのですが、大分県の天然記念物に指定されているのは別府地獄組合に加盟していないほうの坊主地獄です。こちらの坊主地獄は本坊主とも呼ばれ、鬼石坊主地獄よりも古く、色も黒ずんでいます。

大分県の郷土料理、魚の身が入ったうずみみそを食べてみよう

大分県は「日本一のおんせん県」であることをアピールしています。そのため、温泉に入ることを目的とした旅行でも十分に大分の魅力を味わうことができるでしょう。また、とり天や唐揚げ、新鮮な海の幸など、食べきれないほどの名物があるのも大分の特徴です。しかし、あまり他県に紹介されることのない、うずみみそのような郷土料理を探してみるのも旅の楽しみのひとつと言えます。魚の身が入ったうずみみそ。ぜひ一度、味わってみてはいかがでしょうか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 大分の郷土料理「うずみみそ」といえば、何を入れた焼き味噌?

A.魚の身

Q. 次のうち、大分県の郷土料理である丼は?

A.りゅうきゅう丼

Q. 大分の郷土料理「うずみみそ」に使われる魚の通称は?

A.ひめいち