大分県竹田市の郷土料理「頭料理」といえば、何の頭を使った料理?

大分県の竹田市(たけたし)は「大分の小京都」とも称される美しい町。この竹田に江戸時代から伝わるという郷土料理があります。

貴重な海の魚を食べ尽くす料理

「頭料理(あたまりょうり)」は、魚の身はもちろん、頭をはじめとしてエラ、アゴ、内臓など余すことなく使った料理です。普段なら捨ててしまうような部位も材料になり、各所に応じた切り方で調理し、これらをサっと湯びきして大皿に豪快に盛り付けます。使うのは、ニベ、アラ、ハタ、クエ、マスなどの主に大型の白身の魚。季節の野菜を添え、竹田特産であるかぼすで作った二杯酢や三杯酢でいただきます。一度食べたら忘れられない独特な味で、部位ごとに違った食感が楽しめます。

頭料理の由来

大分県の南西部に位置し、阿蘇、くじゅう連山、祖母山麓、傾などの山々に囲まれた城下町の竹田は、遠く海から離れた町です。頭料理の由来は明確なところは分からないのですが、岡藩主である中川久清治政の頃から始まったと伝えられています。その頃の交通機関は尾根伝いに物産を運ぶ馬のみでした。隣の臼杵藩から、60キロも離れた竹田まで馬の背に載せられて運ばれてくる魚介類は、馬車で3日かかったという記録あるくらい時間がかかったため、新鮮なものでも多くのものが傷んでしまいました。生のままでは食用できないことがたびたびあり、少量の魚では一般の庶民にまでは行き渡ることがなく、こうした環境の中で生活の知恵として生み出されたのが、一般には捨てられる魚の頭や内臓などあらゆる部分を利用して、食膳に提供されるようになった頭料理なのです。

手間ひまをかけて作られる頭料理

10~60kgほども重量のある魚を捌いて、上アゴ、下アゴ、内アゴ、クチビル、首付肉、ホホ肉、骨腹肉、胃袋、大腸、肝臓、薄皮、厚皮、エラ、白子、真子…十数種類にも及ぶ部位に分けますが、その切り方、湯引き方がすべて異なります。程よいゆで加減にするため、部位ごとにゆで時間を変えることが必要で、味を左右する重要なポイントになるそうです。添えられる野菜は、ほうれんそう、もやし、きゅうり、ウド、ワカメなど。薬味としてネギやみょうが、針ショウガ、もみじおろしが加わります。これに特産のかぼすを使用した三杯酢でいただきます。酒の肴にもピッタリなため、この地方では特に冠婚葬祭に多く用いられています。また、傷みやすい魚も一度調理すると、しばらくは保存できたのでお正月の来客にも振る舞われたそうです。

シュワシュワ~っ!全身が銀色の泡に包まれる「ラムネ温泉」

大分県のほぼ真ん中、長湯温泉は世界でもトップクラスの炭酸含有量を誇る温泉です。その中にある、黒と白のストライプというメルヘンチックな建物の「ラムネ温泉館」は、長湯温泉でもいちばんの人気スポット。外湯に浸かると、体中がシュワシュワーっとたくさんの泡で包まれます。この炭酸ガスが皮膚から吸収されて、血流を促進するのです。これが心臓への負担を和らげ、高血圧やリュウマチなど、体の痛みにも効果があるといわれています。また、入浴後は体に温泉成分を付けたままの方が効果があると言われているので、シャワーやせっけんを使わないようにするのがベター。ただ、新陳代謝が活発になるといわれる炭酸泉は、血流が良くなるため体への影響も強く、長く浸かり過ぎるのは禁物なので注意しましょう。

こちらのラムネ温泉館は、美術館が併設されており温泉の利用者に無料で開放されています。久住の風景を愛し、それを絵に描いた高田力蔵の絵画や、親交を深めた川端康成の書などが中心に展示されています。温泉でゆったりした後、竹田の文化的な歴史にも触れることができますよ。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 大分県竹田市の郷土料理「頭料理」といえば、何の頭を使った料理?

A. 魚