新潟県のB級グルメとして有名な焼きそばとは?

新潟県のB級グルメとして人気の焼きそばを知っているでしょうか。見た目にインパクトのあるこの焼きそばは、最初はびっくりしてしまうかもしれませんが、一度食べたらやみつきになってしまうおいしさなのです。しかし「どうしてこの焼きそばが誕生したのか」といったことについては知らない人も多いかもしれません。そこで、新潟県のご当地焼きそばについて紹介しましょう。

「糸魚川うまいもん会」が開発した焼きそば

糸魚川ブラック焼きそばとは、新潟県の糸魚川市で食べられる焼きそばのことを言います。その最大の特徴は、真っ黒な見た目をしていることです。この色は、調理するときにイカ墨を麺にからませることで生まれています。糸魚川市では「ご当地グルメのうちのひとつ」という位置付けになっているのです。そのため、糸魚川市に行けば、市内のあちこちで、この糸魚川ブラック焼きそばを食べることができるでしょう。というのも、糸魚川ブラック焼きそばは、もともと糸魚川市にある飲食店や宿泊施設により結成された「糸魚川うまいもん会」が開発したものだからです。地域の活性化のひとつとして「食」という方法を取り、その過程で生み出されたのがこの焼きそばになります。

そのため、焼きそばを作るときに使用するイカも、新潟県産のものが使われているのです。日本海で獲れた新潟県産のイカ墨を使った焼きそばこそ、糸魚川ブラック焼きそばと呼べるでしょう。真っ黒な見た目は、糸魚川ブラック焼きそばを象徴するものなのです。また、麺に関しては、特に決められているわけではありません。中華麺を使っているお店がほとんどですが、日本そばを使っているところもあります。具材に関しても、イカ以外のものに関しては、お店ごとのオリジナルです。卵焼きや目玉焼きなどの卵を使うところもあれば、トマトソースをトッピングするところもあります。また、なかにはチーズを上に乗せてオーブンで焼いているところまであるのです。味付けに関しても自由なので、洋風のところや和風のところなど、さまざまなものが見られます。

このように、一口に「糸魚川ブラック焼きそば」と言っても、本当にさまざまなバリエーションのものがあるのです。これは、お店ごとにいろいろな種類のものを作ることで「観光客に何度も糸魚川を訪れてもらいたい」という思いから来ています。いろいろなお店で食べ比べができるようにすることで、観光客が「また来たい」と思えるようになっているのです。

「糸魚川ブラック焼きそば」の誕生と発展

糸魚川ブラック焼きそばは、2010年にその存在が正式に公表されています。しかし、もともとの開発が始まったのは、2009年でした。この年、ご当地グルメのアピールを目的に、糸魚川市の飲食店や宿泊施設によって「糸魚川うまいもん会」ができています。そして、これまでのグルメではパンチが弱く、ほかの地域より目立つことが難しいと考えられた末にできたのが「糸魚川ブラック焼きそば」です。開発の過程では、地元の食材を使うことが重視されていました。そこで、注目されたのが糸魚川沖で獲れる「イカ」です。このとき、イカは1年中安定した漁獲量を確保していました。また、糸魚川の海産物をアピールするのにつながることも考えられ、ご当地グルメの材料に選ばれたのです。

2010年に公表された糸魚川ブラック焼きそばは、同じ年、糸魚川市にある11の飲食店で販売がスタートしました。そして、その後もどんどんアピールを続けていきます。その年に開催された、新潟県最大の食に関するイベント「新潟うまさぎっしり博」に、さっそく出品を果たすことになるのです。公表が行われてから出品までの期間はわずかでしたが、このときの人気はすさまじいものでした。人気投票では、ほかの新潟県ご当地グルメをおさえ、全部で17品ある中の1位を取っています。

2011年には糸魚川市以外のエリアでも販売がスタートし、26のお店で糸魚川ブラック焼きそばが食べられるようになりました。また、同じ年に新発田市で開催されたご当地グルメのイベントで入賞を果たします。さらに、翌年に開催された南魚沼市のイベントにおいても入賞するという人気ぶりです。また、2013年にはヤマザキとタイアップし、ヤマザキランチパックの「糸魚川ブラック焼きそば風」が発売されました。見た目はおなじみのランチパックですが、中身にはしっかりと糸魚川ブラック焼きそばが入っています。その後もたびたび食のイベントで入賞するなど、誕生以降、目覚ましい発展を遂げてきたのが糸魚川ブラック焼きそばなのです。

「糸魚川ブラック焼きそば」にはマスコットキャラクターがいる

糸魚川ブラック焼きそばには、マスコットキャラクターが存在します。その名も「ブラック番長」です。ブラック番長は、糸魚川ブラック焼きそばをアピールする、イカをモチーフにしたキャラクターのことを言います。見た目は不良を意識したものとなっており、学ランとサングラス、リーゼント風の頭が特徴です。着ぐるみが作られ、さまざまなイベントやテレビにも出演するなど、あちこちで活躍しています。また、糸魚川にある信用組合のキャッシュカードにもデザインされるなど、糸魚川市では親しまれているキャラクターなのです。

そして、実はこのブラック番長のグッズが販売されています。ペーパークラフトや衣類といったグッズがあり、特に缶バッジは人気があったため、第二段の販売もスタートしているほどなのです。値段も1つ100円となっており、とてもリーズナブルになっています。ペーパークラフトは「糸魚川うまいもん会」のホームページからダウンロードできますが、缶バッジはネットでの販売はしていません。糸魚川市観光協会の糸魚川支部でしか販売されていない貴重なものになるので、気になる人はぜひ訪れてみてください。

「糸魚川ブラック焼きそば」をはじめとするB級グルメのPR

糸魚川市では、糸魚川ブラック焼きそばをはじめとするB級グルメのPRに力を入れています。たとえば、糸魚川市には「すゝ麺隊」と「応麺隊」といった集団が存在し、どちらも糸魚川ブラック焼きそばをアピールするために活動を行っているのです。この2つの集団の違いは「すゝ麺隊」は、糸魚川地域振興局と糸魚川市の職員から構成されています。そして「応麺隊」は、地域の住民たちがボランティアとして参加している集団です。活動内容としては、どちらもパンフレットを配ったり、イベントに出品したときの調理を担当したりします。また、活動の幅はそれだけにとどまらず、学校や地域の施設を訪問するなど、市全体を盛り上げていこうと活動しているのです。

そのほか、近隣エリアのご当地グルメとタッグを組んで食のイベントを開催するといった活動も積極的に行っています。地域をあげて、糸魚川ブラック焼きそばをはじめとするB級グルメをアピールしようと動いているのです。こうした積極的な活動が、糸魚川ブラック焼きそばを有名にした理由のひとつと言えるでしょう。糸魚川ブラック焼きそば以外にも、糸魚川市から脚光を浴びるB級グルメが出てくる日も近いかもしれません。

新潟県へ糸魚川ブラック焼きそばを食べに行こう

糸魚川ブラック焼きそばは、見た目のインパクトの大きさに、最初はびっくりするかもしれません。しかし、新潟県を代表するB級グルメのひとつであり、何度も賞を取るなど、そのおいしさは折り紙つきです。また、お店によっては全く違うものが出てくるため、何度食べても飽きがこない、いつまでも楽しめるグルメとも言えるでしょう。糸魚川ブラック焼きそばは新潟県の糸魚川市でしか食べることができないので、気になる人はぜひ一度訪れてみてください。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 新潟県のB級グルメ「糸魚川○○焼きそば」。○○に入るのは?

A.ブラック

Q. 新潟県の「糸魚川ブラック焼きそば」に欠かせない食材は?

A.イカスミ