京都でよく食べられる「ウナギの八幡巻」は、ウナギで何を巻いた料理?

京都府で生まれたウナギの八幡巻は、今や全国で知られている和食料理で、お節の1品としても人気があります。ウナギの八幡巻にまつわるエピソードや美味しさの秘密について紹介します。

そもそもは旧八幡村の郷土料理

柔らかく煮たゴボウをウナギでくるくる巻いて、甘辛く焼いて煮込んだものが、ウナギの八幡巻です。時に、インゲンやニンジンなども入っています。輪切りにカットして盛り付けると見た目も美しく、ごはんにも合う味付けの人気料理です。最近では百貨店などでもよく売られており、全国的にも知られた料理となりましたが、そもそもは京都府の旧八幡村で生まれた郷土料理です。今で言う、八幡市です。八幡村はゴボウの産地であった上に、天然のウナギもよく獲れる地域でした。そこで地域産物であるゴボウやウナギを活かして、ウナギの八幡巻が生まれたというわけです。生き物の殺生に対して厳しかった江戸時代には、八幡巻にすることでウナギの姿を胡麻化して食べたという説も残っています。

ゴボウの香りとウナギの相性がとても良くて美味しいと評判になったウナギの八幡巻は、八幡村以外にもどんどん広がりました。正月や土用の丑の日にも食べられるように。京都府八幡市に行くと本場の八幡巻を食べることができますよ。

ウナギの八幡巻はなぜ縁起が良いのか

お節料理のおかずは、縁起を担いだものがたくさんあります。ウナギの八幡巻もその1つと言えるでしょう。まず細長いゴボウは、見た目の通り「細く長く幸せに生きる」という意味合いがある縁起物です。また土の底にしっかりと根を張っていることから、「家業の安定」や「家がその土地に根付くように」という願いも込められているそうです。一方のウナギに関しては、生命力が強い生き物で、天を見上げて泳いでいることから、「子供孫ひ孫の代まで永遠に、商売繁盛する」「たくましく生命が続く」縁起物だと言われています。「ウナギのぼり」という言葉が使われることもありますよね。またウナギは金運アップにもなる魚だという説もあります。

ゴボウを巻いたウナギの八幡巻を食べると、一気に運気が上がりそうではないですか?栄養価も高いので、とにかく元気になることに間違いはありません。甘辛い味付けも食欲が湧きますよね。縁起の良い物を美味しく食べてハッピーになりましょう。

ゴボウとウナギで栄養満点

ゴボウをウナギでぐるりと巻いたウナギの八幡巻は、非常に栄養豊富な料理です。ウナギはビタミン類、さらにカルシウムやDHA・EPAを多く含んでいます。抗酸化作用が高いビタミンAと疲労回復に良いビタミンB群の補給にも最適な食材です。DHA・EPAは成人病や血管の病気の予防のほか、脳の活性化も期待できる成分です。カルシウムの力で、骨や歯も健康になります。夏バテしやすい時期に土用の丑の日があり、ウナギを食べるのは、まさにスタミナを付けて夏を乗り切るためでもあるのです。

そして土の中で育つゴボウは、水溶性食物繊維のイヌリンやアルギニン、カリウムといった成分が豊富です。イヌリンは腸内の善玉菌を増やす役割があり、便秘を解消するのにも適した成分と言えます。アルギニンは疲労回復、体力アップに欠かせません。カリウムは、体内の余分な塩分を排出してむくみや高血圧を防いでくれる成分です。そのほか、コレステロール値を下げるリグニンという成分も、ゴボウには含まれています。

ウナギもゴボウも、滋養強壮に優れた食材です。ウナギの八幡巻は、健康と美容のためにも良い郷土料理と言えそうですね。

体に良いウナギの八幡巻を家庭にも取り入れましょう

見た目も栄養価も縁起も良いウナギの八幡巻を、土用の丑の日に食べてみてはどうでしょう。その形は、お弁当にもちょうど良いのでは?ウナギ料理と聞くと贅沢な1品のイメージがありますが、あたたかい家庭の味にもなりそうですね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 京都でよく食べられる「ウナギの八幡巻」といえば、主にどんな食材にウナギを巻いた料理?

A.ゴボウ