京和菓子の代表格「最中(もなか)」は、元々何をかたどったもの?

京都は世界的に有名な都市で、多くの観光地やお祭り、特産品や銘菓などで知られています。京和菓子もその中の1つで、その代表的存在が最中です。最中は日本人にはとても馴染みのある和菓子ですが、どのような歴史があるかご存知でしょうか。ここでは最中について、少しご紹介させていただきます。

最中についての興味深い逸話とは

最中は京都に限らず、日本各地で製造・販売されているお菓子です。一般的に最中には、円形をしたお菓子というイメージがあります。実際、最中が誕生した当時は円形の食べ物でした。現在は丸い最中だけではなく、路面電車や灯篭、釣り鐘や自動車など、様々な形をした最中が作られています。最中の原型と言われている食べ物は、もち米の粉に水を加え、蒸した後に薄く伸ばし生地にしたものだとされています。この生地を円形に切って焼き上げ、上から水飴や糖蜜をかけて食べていました。この食べ物が時代を経たのち、干し菓子へと変化していきます。

最中とは、この干し菓子の間に餡を挟んだものなのです。最中の生地の作り方や、餡の挟み方は改良を加えられ、やがて現代のような最中となりました。また、かつて宮中で丸い餅菓子が月見に出されたとき、その餅菓子を「もなかの月」と呼んだという逸話が残されています。最中という名前はこの丸い餅菓子からきていると言われており、最中の由来は丸い月、つまり満月だということができるのです。

京和菓子は伝統があり上品な味わいで人気

京都はとても歴史のある街です。由緒ある神社や寺院、伝統的な風習と共に昔ながらの和菓子も、そのまま現代に伝えられてきています。日本での菓子の起源は、古事記の時代まで遡るとされています。当時、天皇の命を受けた人物が10年かけて探しだし、持ち帰った橘の実がその起源です。以来和菓子は様々なものの影響を受けながら、味や造形のバリエーションを増やしてきました。特に京都では、造形の美しさと上品な味わいを追求した和菓子がいろいろと考案され、京和菓子として人気となってきたのです。

京和菓子には数多くの種類があります。代表的なものとしては「羊羹」や「栗菓子」、「桜もち」や「まんじゅう」、「焼き菓子」や「豆菓子」、「干し菓子」などが挙げられます。また、これら以外にも「あられ」や「おかき」、「飴」や「冷菓」など、枚挙にいとまがありません。もちろん最中もその中に含まれます。京都の和菓子はどれも伝統があり、深い味わいと繊細な色合いをしているので観光客に大人気です。定番と言われる和菓子から、京都にしかない和菓子まで、京和菓子の世界は深くて懐かしさに満ちています。

食から見た京都の魅力

京都府は、長い間日本の文化の中心地でした。現代でも京都府は、古い文化を生活の中に色濃く残しています。「食」に関する文化も同じで、各家庭に色濃く伝統として伝えられてきています。京都の食の特徴としては、旬の野菜を上手に活かした料理や、出汁で味付けをした家庭料理が挙げられます。また、「何月何日にはこれを食べる」という風習が残されており、食事にメリハリをつけるのも京都の食文化の1つです。

長い歴史を持つ京都では、料理の中に「和食の五」というものを取り入れています。和食には「五法」、「五味」、「五色」などがあり、それを「五感」で味わうのが京都の食のあり方なのです。京都を訪れ、京都料理を楽しむのなら、この「和食の五」というものにも意識を向けてみましょう。京都の食文化の中心を担うのは、野菜や漬物、鮎や塩さばなどの魚、豆腐や乾物などといった食材です。これらの特徴を引き出す味付けこそが、京都料理の真髄だと言えるでしょう。

京和菓子の最中で京都を味わおう

京都はとても人気のある観光地で見どころが豊富です。1日では回り切れないので、数日滞在することもあるでしょう。京都の探索に疲れたら、お菓子処でゆっくりと休むのがおすすめです。京和菓子、特に最中を味わいながら、京都の文化に思いをはせましょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 京和菓子の代表格「最中(もなか)」。元々何をかたどったもの?

A.満月