日本の各地には、様々な名物グルメというものがあります。観光地として有名な京都府にもそのような料理は様々存在しており、「うなぎきんし丼」もそのうちのひとつです。「うなぎきんし丼」の特徴と魅力について紹介します。
「うなごきんし丼」の特徴
夏の暑さにも負けずに、精をつけるための食べ物として有名なものがウナギです。ウナギ料理といえば、うな丼やウナギのかば焼きを想像する人も多いですが、「うなぎきんし丼」もよく知られています。「うなぎきんし丼」とは、ウナギのかば焼きの上に京都風に味付けをした錦糸卵がたっぷりとのせられたどんぶりのことです。たんに「きんし丼」と呼ぶことも多くあります。通常「うなぎきんし丼」の錦糸卵は、冷やし中華やちらし寿司などにトッピングする卵のように細く細かく切られているものですが、京都府の目玉となっている「うなぎきんし丼」は大きく異なっています。
京都府の有名な飲食店「京極かねよ」で提供されている「うなぎきんし丼」の錦糸卵は、細かく刻まれた錦糸卵ではなく、大きなだし巻き卵がそのままのせられています。うな丼の上に、切ることなく焼いて完成した状態のままのだし巻き卵がのせられているという時点で特徴的ですが、さらにそのだし巻き卵の大きさが尋常でないということも大きな特徴です。京都府で歴史深い飲食店「京極かねよ」で提供されている「うなぎきんし丼」は、黒塗りのシックなどんぶりに入れらて提供されるのですが、上にトッピングされているだし巻き卵はどんぶりからはみ出し、下にあるうなぎが見えないほど大きいです。
どんぶりのふたをしても隠し切れないほど大きく、むしろ隠す気がないのではないかというほど目立っています。どんぶりのふたを開けても一面だし巻き卵しか見ることができず、一見「うなぎきんし丼」ではなく、単なる卵丼なのではないかと思われるほどです。これほどまでに大きなだし巻き卵をのせ始めたのは、焼き立てのおいしい卵を冷ましてしまうことがもったいないと感じたことが理由ともいわれています。通常の錦糸卵は細かく刻みますが、せっかく温かいだし巻き卵を、冷ましてから温かいうな丼にのせるよりも、そのままのせる方が、「うなぎきんし丼」も温かいまま食べることができるという理由です。
また、忙しさを緩和するためともいわれています。「うなぎきんし丼」の人気に厨房が追い付かず、錦糸卵を作る手間を省いてそのままのせたことが始まりだそうです。提供当時、「迫力があってよい」などと評判が良かったようです。なお、「うなぎきんし丼」を提供している京都府の「京極かねよ」や京都府と滋賀県の県境にある「逢坂山かねよ」は、明治期に創業された歴史ある飲食店で、「うなぎきんし丼」も歴史深く人気があります。
「うなぎきんし丼」の魅力
「うなぎきんし丼」の魅力は様々あります。第一は、やはり迫力満点の見た目です。どんぶりから飛び出すほどの大きなだし巻き卵が、見た目にも美しく目を引きます。だし巻き卵には、たまごを2,3個ほど使うもので、ボリューム満点です。見た目ばかりではなく、たまごでどんぶりを包み込むようにしているので、ごはんやウナギの温かさも損なわれることなく、ずっとおいしく食べられるという利点もあります。もちろん味のおいしさも魅力のひとつです。だし巻き卵はプルプルでふんわりと柔らかく焼き上げられて、厚さもあります。一口食べれば上品な出汁の効いた味わいがします。
たまごの下からのぞくウナギのかば焼きは、関西風ではなく関東風です。背開きで一度蒸してからたれを絡めて焼き上げられたかば焼きは、関西風のウナギのかば焼きがこってりしていることに比べてあっさりした味わいです。たれは、甘めでとろみのあるものを想像する人が多いですが、こちらは醤油をベースとしたさらっとしたものを使用しています。こってりとした濃い目の味ではないので、ごはんと絡めてもしつこくありません。ウナギとたまごの味を損なうことなく引き立たせるたれなので、一口食べればいくらでも箸が進むおいしさです。
歴史ある「うなぎきんし丼」
「うなぎきんし丼」は、京都府の歴史ある飲食店で提供される、大きなだし巻き卵が特徴的などんぶりです。大きなたまごとウナギがそれぞれの味を引き立たせる絶妙な味わいなので、京都観光の際には食べてみてください。
ザ・ご当地検定の問題
Q. 京都名物「うなぎきんし丼」といえば、うな丼に何が乗っている?
A. だし巻き卵