もともとは難波に自生していたネギが原種とされる京野菜とは?

お鍋やそうめんなどの薬味、ラーメンなどの付け合せにも人気のあるねぎ。そんなねぎの中でも、京都の伝統野菜と言われるねぎをご紹介します。南区九条エリアで栽培されている野菜で、その歴史は平安時代から始まりました。

京都の伝統野菜である九条ねぎとは?

九条ねぎは葉っぱの部分を食べる青ねぎの代表と言われている野菜で、京都府の伝統野菜です。ぬめりがあり柔らかく、甘みが強いのが特徴です。香りも強く、九条ねぎ独特の匂いが楽しめます。薬味や和え物、煮物や味噌汁など幅広い料理に使われています。旬の時期は11月から3月ですが、春の時期には柔らかさを、夏の時期にはピリッとした辛さを楽しめるのも魅力です。

栽培が始まったのは711年のことで、日本はまだ和銅4年でした。原種となったのは難波に自生していたねぎで、京野菜の中でも最も古い歴史を持っています。九条付近は土地が緩やかに傾斜していることから、野菜の栽培に適した土壌がありました。有機物をたくさん含んだ土で作られたことでねぎの品質が上がったことから、九条ねぎという名前になりました。

さらに九条ねぎを栽培している京都には古くから都があり、有名なお寺や神社、宮廷などがあります。献上品が届けられたり、人が行き来するエリアでもあったため、各地から優れた野菜が届けられていたのです。その野菜たちを京都の農家が様々な方法で栽培し始め、改良が加えられて精進料理やおばんざいに使われるようになります。このように九条ねぎは京都の食文化や歴史と一緒に成長してきた野菜なのです。

九条ねぎは秋に種まきをして、春に仮植を行います。夏の時期には一度掘り上げて、干しねぎを作ります。この干しねぎはねぎの苗となり、夏の終わりごろに定植する流れです。本格的に収穫するのは秋から冬の時期で、育てるためには1年以上の時間が必要です。1年以上の期間を掛けて栽培するのは少し大変な面もあるので、1年中収穫出来るようにとハウス栽培で作る農家も増えています。

含まれている栄養素はビタミンAやビタミンB、ビタミンCやカロチンです。ビタミンAは皮膚や目の健康を守る役割があり、抵抗力を高めてくれます。ビタミンBは水に溶ける水溶性のビタミンで、皮膚の炎症を抑えてくれます。口内炎や貧血の予防にも良いと言われている栄養素です。ビタミンCは身体の酸化を防いで、老化防止をしてくれると考えられています。カロチンはがん予防や循環器疾患に効果が発揮されると期待されているものです。その他にも食欲不振や疲労、冷え性にも効果がある成分が含まれていると言われています。

薬味で利用するときには小さな輪切りにしますが、九条ねぎは他の種類のねぎと比べて太いので、出来るだけ細かくカットするのがコツです。九条ねぎを1本から2本並べて根元を切り落とします。端を揃えたら同じ場所を切る感覚で、細かく刻むのがポイントです。繊維がしっかりしているので、力を入れてカットすることも大切です。刻んだ九条ねぎは水で揉み洗いをして、軽くぬめりを取っておきます。しっかり洗うと辛味が消え、軽く洗うと辛味を残すことが出来るので、好みに合わせて調整します。料理の味を邪魔しないように水気を切っておくことも重要です。

和え物で使うときには3センチから4センチの長さにカットして、沸騰したお湯の中に入れて火を通します。和え物のタレを作っておいて、その中に水気を切った九条ねぎを入れて完成です。煮物や味噌汁に使うときには火を通し過ぎないように注意して、九条ねぎの風味を残したままにします。

京都府の食文化に欠かせない九条ねぎ

京都府の味わい深い料理に欠かせない京野菜。幅広い料理に活用することが出来る九条ねぎは、京都の食文化の主役とも言えます。調理法によっては辛味がアクセントになったり、ねぎ独特の甘みを楽しめたりと魅力がいっぱいです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. もともとは難波に自生していたネギが原種とされる京野菜は?

A.九条ねぎ

Q. 京都の伝統野菜である九条ねぎの特徴として、当てはまらないのは?

A. 緑の葉身部が少ない