京都の味噌「西京味噌」が分類されるのは?

京都府をはじめ、関西地方で特に馴染みのある西京味噌。上品な味わいと甘味が特徴です。西京漬けに使うイメージも強いですが、様々な料理に使うことが出来る万能調味料です。そこで西京味噌について詳しく解説します。

西京味噌とは?

西京味噌は米麹が多く配合されている味噌で、甘味の強い淡黄色の味噌です。味噌の種類では白味噌に分類されます。西京味噌と白味噌は同じ味噌で、京都で誕生した白味噌を西京味噌と呼んでいます。また京都府味噌協同組合では組合が認定している材料を使用していること、京都府内で作られていること、組合から品質の認定を受けていることなど西京味噌と呼ぶためには細かな決まりがあるのです。

塩辛さはほとんどなく、他の味噌が塩分12パーセント前後に対して、西京味噌は5パーセント程度。原材料は米と塩、大豆のみです。水あめが配合される場合もあり、製造しているメーカーや商品によっても異なります。作り方は洗ったお米を蒸して、そのお米を米麹にするために麹に浸けておきます。さらに味噌の原料となる大豆を蒸して、潰して米麹と混ぜて桶に仕込んでいく手順です。桶に仕込んでおいた原料を熟成させると西京味噌になります。熟成させる時間は他の種類の味噌よりも少なく、最短で1週間程度、長くても1か月と短いのが特徴的です。

西京味噌の発祥は京都府です。京都は1200年以上都として栄えた地域で、政治や文化、経済の中心部として王朝文化が花開いていました。丹波杜氏である丹波屋茂助が京都所司代から依頼を受けて、宮中料理に使う味噌を探し、献上したのが西京味噌の始まりと言われています。献上された西京味噌は、その風味と塩分を控えた味が美味しいと評判となりました。そして明治維新を迎えると都が東京に返されることになり、京都を「西京」と呼ぶことになったことから京都で作られた味噌を西京味噌と呼ぶようになります。京都ではお雑煮や酢味噌、西京漬けなどの料理に活用しています。発祥となったのは京都ですが、関西地方を中心に色々な地域で西京味噌は食べられているのです。

大豆を発酵させて作る西京味噌には、アミノ酸やビタミン類が多く含まれています。大豆を発酵させることで少量しかなかったアミノ酸とビタミン類が大量に作られるようになります。特にアミノ酸は身体の機能を支える役割があり、筋力アップや持久力アップ、免疫力アップに繋がると考えられている栄養素です。西京味噌に含まれているビタミンEやイソフラボンは抗酸化作用があり、老化防止になると言われています。食物繊維も含まれていて腸の調子を整えたり、便秘改善になります。コリンという成分も含まれていて、肝機能を高めてくれることも期待出来るのもうれしいポイントです。これらの栄養素をしっかり摂りたいときには沸騰させないことが大切で、味噌は50度以上になると栄養素が破壊されてしまうと考えられています。西京味噌からしっかり栄養を体内に取り入れたいときには、あまり火を通さないようにします。

西京味噌を使ったレシピには、味噌汁があります。コクとうまみ、甘味を感じられる味噌汁に仕上がるのが魅力です。昆布やカツオで作っただし汁に、お好みの具材を入れてひと煮立ちさせます。一度火を止めて、西京味噌を入れて完成です。ホワイトソースにも活用することができ、カロリーを抑えたホワイトソース作りにも役立ちます。用意するのは西京味噌と豆乳だけで、2つの材料をボウルで混ぜ合わせるだけです。グラタンに利用したり、シチューにしたりとアレンジが出来るレシピです。

京都の人々に愛される味噌

京都の料亭から家庭でも使われている西京味噌は、京都の味として親しまれています。料理に使えば美しい白色が広がり、食材を引き立ててくれる味噌でもあります。和風にも洋風にも使うことが出来る魅力あふれる京都の味噌なのです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 京都の味噌「西京味噌」が分類されるのは?

A.白味噌