静岡茶、狭山茶と並んで『日本三大茶』とされる、京都のお茶は?

静岡茶、狭山茶と並んで日本三大茶とされているもう一つのお茶は何でしょう?そのお茶のルーツと特徴を紹介するとともに、日本人なら一度は実際に目にしたい宇治の観光名所も合わせて紹介します。

長い歴史がある宇治茶

宇治茶の歴史を辿っていくと、何と鎌倉時代のルーツがあると言われています。鎌倉時代初期に喫茶の習慣を広めたとされている栄西という僧が、宋から持ち帰った茶種を明恵という僧に送りました。明恵はこの茶種を京都の北の方に植えましたが、その後宇治の地にも茶の生産が伝播されたことが起源です。南北朝時代から室町時代にかけては、茶を飲んで産地を当てる遊びが大流行し、その産地独自の香りと味を持った茶を生産する要因となりました。

「信秋記」には1374年に宇治茶を献上したという記載があり、これが「宇治茶」という言葉が使われた最初と言われています。その後、安土桃山時代に入ると、豊臣秀吉が宇治の茶師上林氏を登用し、宇治茶をこよなく愛したと言われています。宇治茶が天下一の茶として世の中に認められ、隆盛を誇りました。

現在では、「宇治茶」と言うと「宇治市で生産されているお茶」とイメージする人が多いようですが、実は宇治茶とは、京都府、奈良県、三重県、滋賀県の茶葉を京都府内において、宇治に由来する製法で職人の手で仕上げ加工したお茶を指します。宇治茶はブランド化されていて、厳しい基準をクリアしなければ宇治茶を名乗ることができません。

宇治茶はどんなお茶?

宇治茶の特徴は、茶葉がしっかりと締まっていて、粉や茎の部分が混ざっていません。よって茶葉の色も均一な深緑色をしています。宇治茶を入れるとクリアな山吹色をしていて、「緑茶」の一般的なイメージからすると「少し薄い」と感じる人もいるかもしれません。薄い色をしていても、飲んだ時にはしっかりとした茶の旨味とコクがあるのが宇治茶の特徴です。上品で優しい色合いから発せられるしっかりとした味わいが日本三大茶と称される所以です。

緑茶の種類によって適した入れ方をすることで、宇治茶の旨味を最大限に味わうことができます。
まず、煎茶を入れるときには、お茶の葉を1人あたり小さじ1杯(2グラム)を急須に入れます。煎茶を入れる時の最適なお湯の温度は70度と言われています。70度のお湯を1人当たり50cc急須に注ぎ、2分待ってから湯呑に注ぎます。

玉露の場合は、1人当たりのお茶の葉の量は小さじ山盛り1杯(約3グラム)で、お湯は50〜60度くらいが適温と言われています。1人当たりのお湯の量は20ccで、お茶の葉の入った急須にお湯を注いでから2分半待って湯呑に注ぎます。

煎茶、玉露ともに湯呑に注ぐ時には最後の一滴まで注ぎ切ることがポイントです。

宇治の世界遺産

宇治茶の他にも宇治市には日本、もしくは世界レベルで有名な観光スポットがあります。それは、平等院鳳凰堂です。平等院鳳凰堂は、10円玉のデザインに使われています。平等院は世界遺産にも登録されていて、一年を通して多くの観光客で賑わっています。鳳凰堂前の池の対岸から見る鳳凰堂は圧巻です。

平等院に向かうまでの参道には、たくさんのお茶屋さんが並んでいてどの店先からも宇治茶の良い香りが漂ってきます。平等院に参拝する時にはお茶屋さんに入って宇治茶を楽しんでみてください。

宇治市内には宇治川が流れていて、川沿いの道を木々の色合いを楽しみながら散策する観光客も多いです。川沿い周辺には宇治茶の工房もいくつかあり、職人の仕事ぶりを見学することもできます。

格別な宇治茶を味わう

京都の宇治まで行かなくても、今では日本のどこにいても近所のスーパーや百貨店で宇治茶を購入することができます。しかし宇治の地で長い歴史を誇る宇治茶のルーツを実際に自分の体で感じ、味わってみるとより味わいが深くなるかもしれません。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 静岡茶、狭山茶と並んで『日本三大茶』とされる、京都のお茶は?

A.宇治茶

Q. 宇治茶で有名な京都府宇治市にある世界遺産は?

A. 平等院鳳凰堂