京都のお菓子「八つ橋」の味の決め手となっている香辛料は?

京都府の名物と言えば八ツ橋ですが、意外と知られていないのがその味の決め手となる香辛料です。和菓子とはあまり繋がりが無いように思える香辛料ですが、八ツ橋の味には欠かせません。そんな香辛料の紹介と、八ツ橋の歴史について紹介します。

八つ橋に欠かせない香辛料とは?

京都府のお土産と言えば八ツ橋というほど、京都では定番の和菓子です。原材料は主に米粉で、そこに砂糖や香辛料、味のバリエーションである抹茶やゴマなどを混ぜて蒸しあげます。八ツ橋というと、もちもちとした皮に餡が包んであり三角形の形をしているものを思い浮かべる人が多いですが、他にも餡をつつまず皮のままのタイプや、蒸したあとに焼いた堅焼きタイプがあります。もともとはこの堅焼きのものを八ツ橋と呼んでいましたが、今では生タイプの方がメジャーとなっています。いずれも原材料は変わりません。ここで気になるのが香辛料ですが、八ツ橋に含まれているのはニッキです。別名はシナモンというので、知っている人も多いでしょう。

八ツ橋がどう生まれたのか、いつ頃作られるようになったのか、正確な情報は見つかっていないので不明ですが、箏曲の祖である八橋検校にちなんで箏の形を模したという説や、「伊勢物語」の舞台のひとつ、三河国八橋にちなむという説もあります。いくつかの八ツ橋製造企業では根の葉もない話を八ツ橋の起源として宣伝しているところもあり、少し問題となっています。とはいえ、それだけ長い歴史があり古くから親しまれてきた和菓子と言います。

八ツ橋に使われている香辛料、シナモンは香りがよく「スパイスの王様」とも呼ばれています。ニッケイ属の複数の内樹皮からとれる香辛料で、ニッキ、ケイヒと呼ばれることもあります。シナモンの歴史も古く、世界最古のスパイスと言われています。使用は紀元前4000年に遡り、この頃は食用ではなくミイラの防腐剤としてエジプトで使われていました。中国では生薬として使われていて、日本に入ってきたのは8世紀頃、薬物としてでした。樹木として伝わったのは江戸時代です。

スパイスとしてのシナモンは、独特の甘みと香り、ほのかな辛味が感じられます。アップルパイやドーナツなど、主に洋菓子に使われることが多いのですが、南アジアや中東などでは料理に使用されることもあります。シナモンの約8割は炭水化物で、そのうち半分は食物繊維です。他にはビタミンK、カルシウム、鉄が豊富に含まれていて、骨粗しょう症や貧血予防に効果的です。また、ビタミンEやマグネシウム、亜鉛も程々に含まれています。そのため、食品の酸化防止剤としてシナモンが使われることがあります。

八ツ橋には堅焼きと生タイプとがありますが、生タイプはいわゆる生モノなので消費期限が短く、そのままではもって1~3日とされています。ですが、現在は真空パックにして販売されているものが多く、開封しなければ1週間以上保存できます。とはいえ、古くからの製法や保存を貫いているお店では保存料や酸化防止剤も使わず安全安心ですが、真空パックにもしないため、日持ちは2~4日程度と短くなっています。
以前は八ツ橋というとニッキ味が主流で、生八ツ橋には味のバリエーションはほとんどありませんでしたが、現在では抹茶、黒ごま、きなこ、と和風のものから、イチゴ、ブルーベリー、チョコレートなど洋風の味まで実に多種多様となっています。今まで若い人向けではありませんでしたが、味のバリエーションが増えたことにより消費者の年齢層も幅広くなっています。

シナモンは世界最古のスパイス

八ツ橋は京都土産の定番和菓子ですが、実は味の決め手としてスパイスの王様であるシナモンが使われています。八ツ橋の独特な香りと味はシナモンによるものなのですね。現在は味のバリエーションも豊富ですし、色々食べ比べるのも楽しいですよ。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 京都のお菓子「八つ橋」の味の決め手となっている香辛料は?

A.シナモン