「餡入り餅の祖」とされている、京都市の北野天満宮の名物とは?

京都府で「天神さん」と親しまれている北野天満宮には、餡入り餅の祖と呼ばれる名物の和菓子があるのはご存知でしょうか。餡を羽二重餅で包んだ和菓子で、観光客にも人気です。その和菓子の歴史や名前の由来などについて詳しくご紹介します。

豊臣秀吉に気に入られた和菓子

その和菓子の名は「長五郎餅」といいます。長五郎餅が餡入り餅の祖と呼ばれるまでの名声を得たのは、豊臣秀吉に気に入られたことが大きく関わっています。
京都府の北野天満宮で開かれる縁日では、河内屋長五郎と名乗る老人が売る餅が、上品な味だと評判になっていました。そんな折、豊臣秀吉が北野天満宮で大茶会を催すことになり、長五郎の餅も献上されました。豊臣秀吉はその餅を非常に気に入り、「長五郎餅」と名乗るように命名しました。
豊臣秀吉に気に入られた餅として、長五郎餅は北野天満宮の名物となり、長五郎餅本舗という店を構えるほどに大繁盛しました。明治維新までは皇室御用達となり、宮家や諸大名からも愛される餅となったのです。

長五郎餅が食べられる場所

長五郎餅は北野天満宮の境内のほか、本店である長五郎餅本舗や、京都駅構内や京都市内のデパートで購入することが可能です。お茶と一緒に長五郎餅を楽しみたいなら、北野天満宮境内の茶屋か本店の長五郎餅本舗に行くのが良いでしょう。しかし、北野天満宮の境内の店は縁日である25日しか営業していません。すぐに食べたいなら、本店の長五郎餅本舗に行くのが確実です。
抹茶もしくは煎茶と長五郎餅2個がセットになったメニューがあり、秀吉のお茶会気分に浸れます。長五郎餅は小ぶりのお餅なので、2個でもペロリと食べられるでしょう。ふんわりとした甘さの素朴な味のお餅で、それが400年以上もの間多くの人に愛されている秘密といえます。

長五郎餅はお持ち帰りもできますが、生菓子なので日持ちは長くありません。材料も砂糖、もち米、小豆、馬鈴薯澱粉のみとシンプルで、合成保存料などは使用されていないからです。時間がたつと硬くなったり、風味が落ちたりしてしまうので、製造日から2日間で食べるのがベストです。硬くなったら、電子レンジやトースターで温めるとやわらかくなります。

京都府の観光スポット

長五郎餅の発祥の地である北野天満宮は、京都で人気の観光スポットです。祭神は菅原道真で、学問の神様として知られており受験生も多く参拝に訪れます。
500坪の敷地には本殿のほか宝物庫や梅園など見どころがたくさんあり、三光門は重要文化財、社殿は国宝に指定されています。また、狛犬ではなく牛が祀られており、自分の体の悪い部分と牛の像の同じ部分を交互になでると、病気が快方に向かうとされています。牛神は狛犬よりも柔らかい表情なので、より親しみを感じられるでしょう。
特に縁日が開かれる25日は賑わいを見せ、夜になるとライトアップされて露店もたくさん出店します。

北野天満宮周辺の観光スポットとしては、京都御所や相国寺があります。京都御所は室町時代から明治時代まで天皇の住居として使用され、様々な儀式がとり行われてきました。歴史的な建造物であり、美しく整備された敷地内は心が安らぎます。御池庭と呼ばれる回遊式庭園や御内庭など美しい庭もあります。
相国寺は京都五山の序列の第二位と格式が高く、足利義満によって建立された由緒あるお寺です。法堂は国の重要文化財に指定されているほか、総門や勅使門など多くの建物が京都府の有形文化財に指定されています。その他にも枯山水庭園や蟠龍図など見どころがたくさんあり、特に歴史や文化財に興味がある人におすすめの観光スポットです。

秀吉が愛した長五郎餅をご賞味あれ

長五郎餅は、豊臣秀吉直々に命名された由緒正しい和菓子ということですね。その素朴で上品な味は、400年以上の時を経ても人々に愛されています。京都旅行に行ったら学問の神様である北野天満宮を参拝し、長五郎餅を食べてみてはいかがでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 「餡入り餅の祖」とされている、京都市の北野天満宮の名物は?

A長五郎餅

Q. 室町時代から明治時代まで天皇の住居として使用された、京都にある建物は?

A.京都御所