「農山漁村の郷土料理百選」にも選定されている京都の昔ながらの料理は?

京都府の郷土料理といえば湯葉、へしこ、にしんそば等いろいろありますが、今回は「農山漁村の郷土料理百選」にも選定されている、古くから愛される郷土料理をご紹介します。京都府の歴史も交えて、その魅力をご紹介します。

京都の夏を代表する野菜

全国的に有名な京野菜ですが、賀茂なすもその中の一つで京都の夏を代表する野菜です。一般的な細長いなすと違って、大きく丸い形が特徴です。京野菜の歴史は古く、その導入は明治以前までさかのぼります。京都府の肥沃な土壌と豊かな水源が育んだ京野菜はブランド野菜として全国的に有名です。賀茂なすの起源は1684年、雍州府志(ようしゅうふし)」で丸くて大きななすが栽培されていた記録が残っており、その頃に栽培が導入されていたと言われています。江戸時代には京都御所に献上された事があるそうで、そのぐらい美味しい京野野菜のひとつなんですね。栽培は京都府の栽培指針に沿っていてとても手間がかかるので、一般的ななすに比べて価格は高くなりますが、その価値は十分あると言えるでしょう。

賀茂なすの田楽の魅力、おうちでも作ってみよう

田楽といえばお豆腐や、こんにゃくに味噌をつけて焼く料理ですが、皆さんも一度は食べたことがあるんじゃないでしょうか?「農山漁村の郷土料理百選」にも選ばれた賀茂なすの田楽は、半分に切った賀茂なすを油で揚げて田楽みそをまぶしたものです。賀茂なすは肉質が緻密で歯ごたえが良く、煮炊きしても煮崩れしにくいので揚げ物に適した野菜だそうです。また一般的ななすと比較しても油の吸収が少ないため、揚げ物にしてもべとつかず、しっかりとした満足感のある食感を味わえます。京都に足を運んで現地で味わうのもいいですが、賀茂なすが手に入るなら自分で作ってみるのもいいですよね。夏のシーズンになれば、デパ地下や大手スーパーにはみずみずしく光沢のある立派な賀茂なすが並んでいると思います。賀茂なすは丸い形が特徴なので、横にカットして切った面に浅く十字の切込みを入れます。あくを抜くために10分ほど水につけて、水気を切ったらフライパンに浅く引いた油の上でじっくり火を通します。あとはお好みの田楽みそをまぶせば出来上がりです。赤味噌と白味噌、2種類の味を楽しむのもいいかもしれません。簡単にできるのでお試しになってみてくださいね。

京都の郷土料理いろいろ

京都には他にもいろんな郷土料理があります。例えば湯葉料理がその一つです。もともとは中国から禅僧が持ち帰ったとされる湯葉は、豊かでおいしい水のある京都の郷土料理として古くから育まれてきました。蒸し物や揚げ物、さらにはデザートなど広く京都の「おばんざい」に利用されています。他にもへしこや鯖なれずしなど、京都では魚を利用した保存食も昔から作られてきました。「へしこ」はさばやいわしなどを塩漬けしたあと、米麹に長時間漬けこんで熟成させた食品です。米麹料理は最近流行っているのでご存じの方も多いと思いますが、塩麹のおかげで奥深い風味豊かな味わいになっているそうです。鯖なれずしは、古来ら京都の庶民の間で晴れの日の御馳走として親しまれてきました。鯖を酢飯に乗せ、アセの葉で巻いたあと、寿司桶にぎっちりと詰め込み重しをして4日ほど熟成させます。チーズのような独特の香りがするそうで、一度食べたらクセになること間違いないお味だそうです。京都ではこうした発酵食品が古くから愛されてきており、発酵に欠かせない麹食品も発達してきました。なんとその歴史は古く平安時代からだそうです。みなさんも京都の伝承料理に舌鼓をうってみてはいかがでしょうか?

京都は伝統文化の町

京都の郷土料理は、京野菜や豆腐料理、発酵食品など肥沃な土壌と豊富で美しい水源に育まれてきた歴史があります。古都の街並み同様、観光した際には古くからの歴史を感じながら京都の「おばんざい」を楽しんでみてください。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 「農山漁村の郷土料理百選」にも選定されている京都の昔ながらの料理は?

A. 賀茂なすの田楽