天然のアユが名産品であり、「日本最後の清流」とも呼ばれる高知県の川は?

アユは川底や石についた苔を食べる習性から、水がきれいな河川に生息する魚です。古くは日本の至るところで見られたアユですが、近年では河川環境の悪化などが問題になり、天然のアユが見られる河川は限られた地域だけになってしまいました。希少となってしまった天然アユですが、それが名産品になるほど河川環境がよく「日本最後の清流」と称されている、高知県の川を今回はご紹介します。

天然のアユが名産品!「日本最後の清流」と呼ばれる高知の四万十川

高知県の西側に位置する四万十川。全長196km、流域面積2186km2もあり、四国内で最長の川になります。「四万十川」ですが、この名前になったのは、実は平成6年のことで、本来の正式名称は「渡川」だったのをご存知ですか? 四万十川が流れる地元・四万十市中村では通称である「四万十川」と呼んでいましたが、「日本最後の清流・四万十川」とTVで紹介されたことでその通称が全国区となり、地元民の強い要望もあって、平成6年7月25日に渡川から「四万十川」に名称が変更されました。

四万十川の河川環境の良さは高く評価され、「日本最後の清流」と称されています。また、静岡県の柿田川、岐阜県から三重県に向かって流れる長良川とともに「日本三大清流の一つ」に挙げられており、名水百選にも選ばれています。

そんな四万十川の名産品がアユ。 全国有数のアユの産地である四万十川は、古くは高知全体の6割以上もアユの漁獲量を占めていましたが、近年は自然環境の変化などもあり、減少しています。

季節で風味が変化するアユの魅力

アユの寿命は1年の年魚で、メダカほどの大きさの稚魚から、一年で20〜30cmほどに成長します。そのため市場に出回る時期が限られており、アユが売り場に並ぶ季節が待ち遠しく思う人も多いのでは? そんなアユの一番美味しい時期はいつなのでしょうか。

一般的に梅雨明けから8月中旬頃のアユが、一番美味しいといわれています。
6月中旬から7月のアユは「若アユ」と呼ばれ、骨は柔らかく独特の風味が楽しめる時期です。アユには芳香があり「スイカの香り」と例える人もいるように、爽やかな風味を楽しめますが、若アユはその香りが増し、脂ものってくる頃です。
7月から8月のアユは「成魚」といわれ、体長は20cm~25cmほど、中には30cmになる個体も。アユで一番人気がある食べ方は塩焼きですが、成魚は身や骨が柔らかくそれに適しており、この時期のアユが一番美味しいと支持する人が多いのも頷けます。
8月中旬のアユは「落ちアユ」と呼ばれ、メスのアユは子持ちになります。子持ちになったアユからはあの爽やかな香りがなくなり、卵に栄養が取られるため身はパサついた感じに。その風味が美味しいと好む人も少なくありません。
このように季節で風味が変化するのがアユという魚の大きな魅力です。味わいで季節のうつろいを感じられる点も情緒があります。

四万十川の「天然アユ」はどこで食べられる?

天然アユを食すのに外せないのが、前述したように塩焼きです! 四万十川の天然アユを提供する飲食店はたくさんありますが、手軽に試すなら高知の道の駅「よって西土佐」に訪れるのがいいでしょう。ここでは毎日店頭で塩焼きを販売しており、四万十川の天然アユの味わいを堪能できます。

四万十川の天然アユのお土産を買うなら、「西土佐鮎市場」がオススメ。ここでは天然アユを使った食品や保存食が多数揃っています。珍しい「あゆじゃがコロッケ」、アユを炭火で長時間焼いた保存食で、出汁にしても絶品という「焼鮎」、キャンプやBBQに便利な「鮎の干物」、日本酒に合うという「鮎の燻製」などなど。家に帰っても天然アユを食べられるのは嬉しいですね。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 天然のアユが名産品であり、「日本最後の清流」とも呼ばれる高知県の川は?

A. 四万十川