高知県名物のお菓子「いりもち」に使われている植物は?

高知と愛媛の県境に位置する仁淀川町では、昔から「いりもち」が作られてきました。今でも手作りのおやつとして、お茶を添えて出すと大変喜ばれるそうです。この「いりもち」を作るのに欠かせない植物は何でしょうか?

昔ながらの素朴な郷土菓子「いりもち」

コクがあって匂いがいい新芽のよもぎ。昔からよもぎは万病に効くといわれ、餅類によく使われる植物です。山里に自生するよもぎの新芽を手摘みし、たっぷりと生地に練りこみ、あんこを入れて焼いた丸くて平べったい和菓子が「いりもち」です。昔ながらの素朴な味わいで、街路市などで売られていると10枚、20枚と買っていく光景も見られるのだとか。毎年冬に行われる地元の祭りの「秋葉祭り」では、「よもぎは新芽のみ」「原材料は国産のみ」「添加物は不使用」というこだわりのもと、1枚ずつ手で焼き上げて作られたいりもちが、たった1日で5,000枚以上を売り上げることもあるほどの人気だそうです。

「秋葉まつり」ってどんなお祭り?

秋葉まつりは土佐の三大祭りのひとつに数えられており、毎年2月11日の建国記念日に、華麗な「練り(祭礼の行列などが練り歩くこと)」が行われます。以前は旧暦の1月18日でしたが1994年から2月11日に変更されました。

秋葉祭りは3日間に渡って行われ、初日(2月9日)に御神体を岩屋神社に、2日目(2月10日)の深夜に市川家にと神幸された御神体を3日目(2月11日)に市川家から秋葉神社に一日かけて環御します。最終日の3日目の還御の際に、華麗な「練り」が行われます。この祭りは高知県の保護無形民俗文化財に指定されています。

秋葉神社の祭神は火産霊命(ホブスナノミコト)という火の神様で、女性の神様です。火防や災難避けの信仰があり、秋葉まつりの装束は火消しの装束とされます。

祭りの当日は、本村・霧之窪・沢渡の「三つの踊子地区」と神社側の「郷付き」と呼ばれる4つの団体が岩屋神社に集合します。そして、200人ほどの行列を作り神様を神輿に乗せ、岩屋神社からスタートし市川家、法泉寺、中越家(しだれ桜の名所)と縁ある地に立ち寄りながら、最後に秋葉神社まで行くのです。「練り」は祭りの総采配役となる先払いの鼻高面を先頭に神輿を中心とする神幸行列、それに従う奉納組が後に続きます。細い山道を3キロも半日ほどかけて秋葉神社までゆっくりと歩くのです。

秋葉まつりのハイライトは「鳥毛ひねり」と呼ばれるもの。火事装束を身にまとった若者が長さ7メートル、重さ8キロにもなる鳥毛棒を直立させたまま、10メートル近く離れた向かいの相方に投げ渡します。これを岩屋神社、市川家、大石家前、法泉寺、中越家、秋葉神社とそれぞれ行いながら行列は進んで行きます。

「練り」の道中には、お多福やひょっとこのお面をつけた「油売り」が神出鬼没で姿を現し、人々に笑わせながら四手飾りをつけた小さい竹の棒を売り歩きます。人々はこれを防火のお守りとして買うのですが、実は油売りはなかなか大変な役回り。自分が所属する集落の踊りや鳥毛ひねりが終わらないうちに、その場を離れて先回りをし、沿道で「練り」を待ちわびる人々を退屈させないようにしなければなりません。また、急な斜面や細い山の道を1トンほどもある重たい神輿を担いで回り、立ち寄り先では激しく揺らす神輿担ぎの労力も大変なものです。

稚子行列は各集落に12名ずつおり、稚児たちは鳥毛ひねりの後に太刀踊りを披露します。太刀踊りは中太刀と小太刀が向かい合い、お囃子に合わせて軽やかに踊り、お囃子が終了するとほら貝の合図と共に激しく渡りあいます。

このように町をあげてのお祭りに県内外からも大勢の見物客が訪れ、普段は静かな山村がこの日ばかりはおおいに賑わいます。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 高知県名物のお菓子「いりもち」に使われている植物は?

A. よもぎ