香川県の小豆島が全国の8割を生産している、油の原料となる植物は?

緑豊かな香川県・小豆島。小豆島で育った油の原料となる植物が、全国の生産の8割を占めているのですが、それは一体何なのでしょうか?

小豆島はオリーブの島

瀬戸内海に浮かぶ小豆島。オリーブの収穫量が全国1位(平成30年のオリーブ収穫量は420.2トン)で、別名「オリーブの島」と呼ばれています。
日本で初めてオリーブ栽培に成功し、国内のオリーブ生産の殆どが香川県の小豆島町、土庄町、三豊市などでの栽培です。
地中海沿岸では神からの贈り物とされ神聖な「オリーブ」。
小豆島はそんな神からの贈り物・オリーブをオリーブオイルをはじめとした様々な製品に加工し、全国へと届けています。
県花・県木に指定されているオリーブは、香川が全国に誇る自然の恵みなのです。

オリーブにちなんだ観光スポット

日本屈指のオリーブの島・小豆島は、瀬戸内海に囲まれ、気候が温暖で緑が広がり、まるで地中海に浮かぶ島のよう。おしゃれで贅沢な時間が楽しめ、ノスタルジックな雰囲気やパワースポットも多く、たくさんの人々が癒しを求めてやってきます。
ここではオリーブ愛の詰まった小豆島の観光スポットを2か所ご紹介します。
・オリーブの樹が群生する「道の駅 小豆島オリーブ公園」
白いギリシャ風車や映画・魔女の宅急便のロケセットなどがフォトジェニックです。
・2019年には開園100周年を迎えた小豆島オリーブ発祥の地「小豆島オリーブ園」
小豆島に存在するもっとも古いオリーブの原木も見られます。

オリーブオイルだけじゃない!

オリーブは小豆島で様々な製品に加工されています。
特に多く加工されているのが「オリーブオイル」。お土産としても大変人気で、質がよい小豆島オリーブオイルは海外からも買い求めに来られるそう。
そんなオリーブオイルの他にも、摘みたての果実を漬け込んだ「オリーブの新漬け」や、スキンケア用品・ヘアケア用品や化粧品などにも形を変えます。
さらには、地元の名産品「オリーブ牛」の餌としてオリーブ飼料(搾り果実)にも使われています。

遠い地のオリーブが小豆島に根付いたのは・・・!?

オリーブの原産は地中海地方といわれ、比較的乾燥に強くスペインやイタリアなどで広く栽培されています。
現在では、発祥の地といわれる小アジア(アナトリア半島)やギリシアから、遠く離れた南アフリカ、オーストラリア、中国、そして日本においても栽培されているほど世界各地に広がりました。
日本では文久2年に横須賀で初めて栽培されたそうで、徳川将軍の侍医が薬用にオリーブをフランスから持ち込み育てたと伝えられています。
それから初めて小豆島にオリーブがやってきたのは、明治41年のこと。魚の保存のために、醤油と油漬けの缶詰を作ることになり、その際にオリーブオイルが必要になりました。
そこで、当時の農商務省がアメリカから輸入した苗木を、三重、鹿児島、香川の三県で試したのですが、オリーブの結実に成功したのは小豆島だけでした。
地中海性気候に恵まれた穏やかな風土がオリーブ栽培に適していたようで、小豆島のオリーブは大正の初めには搾油が出来るほどの沢山の実をつけ、よく育ちました。
その後は一般の農家でも栽培されるようになり小豆島のオリーブ栽培面積はどんどんと広がりました。

小豆島は醤油の町でもある!

小豆島の名産品といえばオリーブ、というほど近年ではイメージが定着していますが、実は小豆島のもうひとつの名産品といえば「醤油」です。平成29年の香川の醤油生産量は全国4位で、そのうちの約50%近くが小豆島産なのです。
実は小豆島オリーブには、試行錯誤の加工の歴史があり、今でこそ揃っているオリーブオイルの搾油に必要な機械も、栽培が始まった当時は満足に用意ができませんでした。そこで代用品として、醤油もろみを圧搾する際に使用する麻の袋に、オリーブを入れて搾るなどの工夫をしていました。
温暖な小豆島だからこそできた豊かな収穫と、醤油の町・小豆島だからこそ出来たアイディア、加工のコラボレーションによって、現在も小豆島のオリーブは、オイルや新漬けに姿を変えて全国の食卓を彩っています。

ザ・ご当地検定の問題

Q.香川県の小豆島が全国の8割を生産している、油の原料となる植物は?

A.オリーブ