2002年に誕生した、香川県オリジナルの米の品種は?

2002年に誕生した、香川県オリジナルのお米の品種は何というでしょうか?

さぬき自慢のお米「おいでまい」!

香川のオリジナル米「おいでまい」は、食味と品質の良い「あわみのり」を母、食味が良い「ほほえみ」を父に交配し、2002年に生まれた品種です。その後試行錯誤を経て、2013年に本格栽培がスタート。つやめく白さが美しく、大粒でふっくらとしたお米です。適度に弾力のある食感は白米だけを食べても満足感があり、また冷めてもおいしいと評判の品種です。
香川と言えば全国的にも「うどん県」として知られていることからお米よりも小麦粉のイメージが強いかもしれませんが、「おいでまい」は県や生産者の方、そしてそれを応援する地元の消費者の方の愛と努力の結晶で香川が誇るブランド米でした。

「うまい!たべまい!おいでまい!」

品種名の「おいでまい」とは、讃岐の言葉で「いらっしゃい」という意味です。やわらかい讃岐弁が使われており、このネーミングには「香川県で生まれた新しいお米を多くの人に食べてほしい、食べにきてほしい」という願いが込められていました。
毎年6,000~7,000tの収穫量を誇り、県内の学校給食にも採用されている「おいでまい」は、キャッチコピーの「うまい!たべまい!おいでまい!」のとおり、誕生からおよそ10年ですっかり県民米として親しまれるようになりました。
しかし「おいでまい」は誕生までに大変苦労があった品種でもあるのです。そもそも香川県は、土地の面積が狭く、西日本一雨が降らないと言われています。なので香川県の米作りは昔から、約1万4000箇所もある「ため池」によって作られており、水環境には恵まれてはいませんでした。
そんな香川県の厳しい風土や気候にも合わせて、農業試験場が開発した「おいでまい」は、2014年にブランド米として品種登録されました。そして米の食味ランキングにおいて四国で初めて最高ランクの「特A」を獲得、現在では四国を代表するおいしいお米へと見事に育ったのです。

「おいでまい」ストーリー!

全国各地でブランド米の育成が盛んに行われ、新しい品種が次々に登場していた1996年頃、香川県でも新しい米の育種が始まりました。
当時、香川の平地栽培ではコガネマサリからヒノヒカリが段々と主流になりつつありました。ですが、移行当初は何の問題も無かったヒノヒカリに品質低下が見られるようになります。原因は温暖化。香川の米作りに使用する「ため池」の水は、川から引いた水に比べると水温が高くぬるいということが原因でした。
そこでコガネマサリのように高温に強く、ヒノヒカリのように良い食味を持つ、香川県の風土に適した品種の育成をすることになりました。試行錯誤を重ねた結果、おいしさに定評があり沢山の量が収穫できる北陸産アワミノリと、こちらもおいしさに定評があり病気に強い宮崎産ホホエミを交配。やがて2002年に「おいでまい」になる種がその内からたった2粒だけ取れました。その2粒を始まりにして大事に育てられ、高温に強いかどうか、また収穫された米の味はどうかなどのチェックを経て、2010年に晴れて香川県の奨励品種に指定されました。そしてその翌年には「おいでまい」と名前がつきデビューを果たします。
この「おいでまい」に試験栽培から関わり、実績を残した生産者の方は「おいでまいマイスター」に認定されています。高品質かつ高食味を目指し、ブランドの品質維持にも努められています。
「おいでまい」は一本の根元から新しい茎が多く生えることから、コシヒカリなどに比べて苗を準備する手間が減らせるという、農家の方には嬉しい側面があります。
また、経営改善のため小規模の農家が集まり法人化する「集落営農」が行われていたり、「おいでまい」と香川の小麦「さぬきの夢」の二毛作が推奨されていたり、現在も香川のブランド米としてさらなる定着を図っているのです。

10年目の「おいでまい」!

2023年には本格栽培から10年を迎える「おいでまい」。猛暑でも品質が落ちず粒ぞろいがいい「おいでまい」は、お米としてだけでなく、米粉を使ったパンや洋菓子・和菓子などアレンジ料理も人気です。
香川県の夢を乗せてさらに全国各地で食されていくことでしょう。

ザ・ご当地検定の問題

Q.2002年に誕生した、香川県オリジナルの米の品種は?

A.おいでまい