お土産品としても人気の「珠洲塩」は、どこの都道府県の名産品?

塩の役割は殺菌だけでなく、食材にまぶすことで旨みを引き出したり仕上げに加えることで味を引き締める効果があります。料理を趣味にする人の増加に伴い美味しい塩の需要も増えていますが、その愛好家の間で需要が伸びている珠洲塩という商品を紹介します。

昔ながらの製法で作られている珠洲塩

珠洲塩は石川県能登半島で作られている人気の特産品で、能登半島のお土産ランキングで常に上位に位置しています。珠洲塩が料理愛好家の間で需要がある理由は、一般的に塩のイメージは口に含んだ時に刺激するような感覚が広がるだけです。その点珠洲塩の場合は口に含んだ時に刺激をするような感覚もありますが、それだけでなく甘みや旨みも感じるほどに塩単品で美味しいのが理由になります。

スーパーに出回るお塩はイオン交換膜法という製法で作られており、電気エネルギーと特殊な膜によって海水からかん水を採取して大量に塩を安定供給する方法です。このイオン交換膜法という製法のおかげで安定かつ安価に塩を手に入るようになりましたが、その反面膜によって塩に含まれている栄養素の多くが吸着されてしまうため塩辛いイメージがついてしまったといえます。

珠洲塩はどのような製法で作られているのかというと、昔ながらの製法の揚げ浜式と流下式そして平釜式を採用していることです。揚げ浜式は米作の水田のようにきれいな砂浜を四角形に区分けして、その砂に向かって何度も海水をかけていく方法になります。何度も海水をかけていきながら、太陽の熱で水分を蒸発させていくことで砂に塩を凝縮させていくのです。

その後塩をかき集めた後に専用の入れ物に入れて、その中に海水を入れて塩と砂を分離させます。砂が沈殿したら、塩水だけを専用の鍋に入れて加熱し塩を完成させます。この方法は太陽の日照条件が係ってくるので数量が取れないのが難点ですが、何度も海水をくみ上げて巻くことで凝縮するのと砂浜の養分も吸収することで珠洲塩の中でも高級品として扱われます。

流下式は大量の海水をくみ上げた後に、屋根の上からつるした竹や細い木の枝に振りかけ続けることによって自然に発生した風の力で凝縮する方法です。揚げ浜式に比べて量が取れるだけでなく、能登半島で採取できる海水の本来の味わいを楽しむことができます。

そして平釜式は簡単で、くみ上げた海水を大きい釜の中に入れて薪火で加熱して凝縮する方法です。平釜式は大量の海水を一度に蒸発させて作るので、ほかの方法に比べて大量生産が可能な点から安価に手に入ります。

珠洲塩が美味しいのは能登半島の地理的条件が大きい

珠洲塩が美味しい理由は、熟練の職人による昔ながらの製法を守って作られるだけでなく、石川県能登半島周辺の海水の質が良いからです。なぜ石川県能登半島の海水は質が良いのかというと、能登半島の地理的条件が大きいといえます。石川県の南には内陸部の岐阜県が隣接し、岐阜県は活火山が隆起してできた土地によって名水百選に選ばれるほどにミネラル分がたくさん含んだ上質の水があるのです。その上質な水が山の傾斜を伝って、最終的には能登半島の先端部分から海に流れます。

さらに能登半島のもう一つの特徴は、日本地図で見ると分かる通り、先端が突き出ているようになっているのです。その先端が突き出ている形状によって、暖かい海流の親潮と冷たい海流の黒潮がぶつかり合う合流点が生まれます。その合流点にはプランクトンが発生することで漁業場になるだけでなく、合流点の海水温がちょうどよくなり海藻類も健康的に育つ特徴があるのです。海藻類からも太陽の光合成によって生まれた養分を海に放出することで、能登半島の海水は岐阜県から流れる水と海藻が生み出す栄養素が合わさり、珠洲塩が美味しい理由になります。

美味しくて健康に良い塩を求める風潮になっている

珠洲塩は石川県の自然環境が生み出した養分をたくさん含んだ海水から直接作ることで、美味しいだけでなく適度に取れば体に良いです。健康志向の高まりによって、健康に良い塩を大々的に広告に使えば町おこしにも使えます。

ザ・ご当地検定の問題

Q. お土産品としても人気の「珠洲塩」は、どこの都道府県の名産品?

A.石川県