石川県金沢市の特産である「五郎島金時」とは、何の品種?

ホクホク、ふんわりと口いっぱいに広がる優しい風味、そして奥深い甘味。某人気テレビ番組でもタレントが「うまい!」と紹介し、より一層人気の高まりをみせている「五郎島金時」。生産者が「味の質」にどこよりもこだわり生産する「五郎島金時」とはいったいどんな食べ物なのでしょうか。

五郎島金時は加賀伝統野菜の一つ。とびきりのホクホク感が自慢。

外皮は深みのあるなめらかな紅色。中の果肉はしっとりきめこまやかで、食べるとホクホクッとしたとびきりの食感。深い甘さと優しい風味が特長のサツマイモ、五郎島金時(ごろうじまきんとき)。主に石川県金沢市にある五郎島・粟ケ崎地区や内灘砂丘で生産されるこの五郎島金時は、加賀伝統野菜の仲間の一つであり、昔から多くの人々に愛され食されてきました。さつまいもには粘質系と糖質系のニつの系統があり、五郎島金時は、高系14号という厳選品種に属します。日本一とも称されるほどの糖質系で、他の品種に比べて特にホクホク感が抜群です。

石川のサツマイモ栽培の歴史はとても古く、元禄時代末期(1700年頃)に、作物が育ちにくいと考えられてきた不毛の砂丘地に適したものがあると加賀藩のお殿様が聞きつけ、五郎島村肝煎大百姓の太郎右衛門が薩摩の国(現在の鹿児島県)に潜入。なんと髷(マゲ)の中に種芋を隠して持ち帰ったのが始まりとされています。その後かんがい事業などで畑地が整備され、さらにキュアリング(掘り取ったサツマイモを最適な温度と湿度に置いて保管すること)施設の導入などにより、現在では安定して出荷できる環境が整えられました。

抜群の環境で丹誠込めて育てられるプレミアムなサツマイモ。

日本海沿いにある五郎島地区の砂地は、粒の大きさや通気性と保水性のバランスなど、栽培にとても適した場所。また内灘砂丘の砂の粒子もサツマイモ作りにちょうどいいサイズ。この「奇跡」ともいえる抜群の環境の中で五郎島金時は生産者に大切に育てられています。植え付けは5月初旬から6月初旬頃、収穫は8月中旬から11月上旬頃です。苗は健康なウイルスフリーの育苗ハウスで育成。肥料は米ぬかを使い、生産者が各々独自の配合でメーカーに発注したものを使用しています。

このオリジナル肥料は五郎島金時にはなくてはならない存在。またスプリンクラー施設の完備による丁寧な水管理など、味と質に徹底してこだわっているため、収穫量は決して多くはなく、ほとんどが県内での消費のみ。しかし実はこの量を抑えた収穫量にも美味しさの秘密があります。作りすぎないことで栄養が一つひとつにしっかりと吸収されるため、五郎島金時は格別に美味しい、とても貴重でプレミアムなサツマイモとなるのです。

健康と美容に嬉しい成分たっぷり。丸ごとパクッと食べても、お料理しても。

サツマイモはとっても栄養満点。なんとリンゴの約10倍ものビタミンCや、β-カロチン、ビタミンB1・B2、それに食物繊維やカルシウム、鉄分など、健康はもちろん、美容づくりにも嬉しい成分がたっぷりと含まれています。成長期のお子様からご年配の方まで、すべての方におすすめしたい食べ物のひとつです。

そのまま焼き芋や蒸かし芋でパクッとほおばるのも抜群に美味しいのですが、調理後も五郎島金時特有の豊かで奥深い風味はしっかりと残るため、レモン煮や大学芋はもちろん、天ぷらや豚汁などの具材の一つとしてもいいでしょう。または和菓子、スイーツ、お酒の原料にするなど、たくさんの楽しみ方があるのも根強い人気の秘密です。地元のお食事処でも様々なお料理として出されており、料理人やパティシエたちにも多く支持されています。ちなみにお土産品としてはバウムクーヘンやプリン、お饅頭などが五郎島金時を手頃に楽しめるとあり人気のようです。

一度食べたら忘れられない美味しさを、あなたの食卓へ。

噛めば噛むほど増す上品な旨味と、しっとりホクホクの食感。一度食べたらファンになってしまうほどの美味しさ。土壌の良さと自然の恵み、そして生産者の情熱がたっぷり込められた五郎島金時を、ぜひ一度食べてみてください。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 石川県金沢市の特産である「五郎島金時」とは、何の品種?

A.サツマイモ