福井県で単に「カツ丼」といったら、どんなカツ丼のことを指している?

福井・石川をはじめとする北陸のB級グルメとして人気のカツ丼をご紹介します。一般的なカツ丼は、トンカツを出汁と卵でとじるのですが、北陸のカツ丼は一味違います。いったいどんなカツ丼なのでしょうか。

卵でとじないカツ丼

ソースカツ丼は、一般的なカツ丼と違い溶き卵でとじるということをしません。ソースをからめたトンカツを白いご飯の上に何枚も重ねるというユニークなもの。丼ものですが、当然のことながら蓋は閉まりません。カツの上にちょこんと蓋をのせているといった状態です。ほかほかの白いご飯と、甘辛いソースがしみ込んだトンカツの相性は抜群です。幾重にも重なり合うカツの迫力が食欲をかき立てます。

北陸のソースカツ丼は、福井県にある一軒の洋食屋さんから始まったといわれています。ソースカツ丼の生みの親であるその洋食屋さんの店主は、ドイツで料理を学び帰国後に故郷である福井県で洋食屋を開きました。本場ドイツのウスターソースを日本人の舌にあうよう改良し、生まれた料理がソースカツ丼だったのです。その後、のれん分けにより県内各地にソースカツ丼が広がっていきました。そのため、福井でカツ丼といえば“ソースカツ丼”のことで、卵でとじられたカツ丼は“玉子カツ丼”とか“上カツ丼”などと呼ばれるようになりました。

おいしさ満点!栄養満点!ソースカツ丼

一般的なカツ丼は厚めに切った豚肉に衣をつけて揚げていますが、福井県のソースカツ丼はその逆です。薄く切った豚肉を薄めの衣で揚げ、何枚も重ねることでボリュームを出しています。一枚一枚が薄いためお箸でもスっと切れる柔らかさで、子どもからお年寄りまで食べる人を選びません。

カツ丼は栄養が豊富な豚肉を使っているため、美味しいだけでなく体にも良い食べ物といえます。豚肉には、筋肉や臓器などの体をつくるもとになるたんぱく質が多く含まれています。また、豚肉に含まれるビタミンB1は、ご飯などの炭水化物をエネルギーへ変換させる働きがあり、ダイエット効果や心身の活性化につながります。脂肪や糖はとかく体に悪いものとされがちですが、食べ合わせに気を配ることでエネルギーとして体の中で有効活用することができます。トンカツとご飯の組み合わせは、まさにその代表格といえそうです。

北陸新幹線でずっと身近に!現地で楽しむ方法3選

北陸の中でも福井県のソースカツ丼は有名で、多数のお店が県内に軒を連ねています。現在は北陸新幹線も開通したため、以前に比べて足を運びやすくなりました。現地に行ってソースカツ丼を楽しみたい方のために、おすすめのルートを3つご紹介しましょう。

1つ目は、北陸新幹線を使ったルートです。例えば東京からだと、金沢か米原、もしくは京都を経由し特急に乗り換えて目的地を目指します。金沢か米原経由だとおおよそ3時間半かかり、京都経由だとおおよそ4時間かかります。安く早めに福井に行きたい人は米原経由がおすすめですが、ついでに観光もしたいという方は、少し時間とお金はかかりますが金沢や京都経由がおすすめです。

2つ目は、飛行機を使ったルートです。石川県の小松空港に向かい、特急やバスで目的地を目指します。飛行機は速いですが、その分料金も割高になっています。早めの予約で割引を狙ったり、格安航空券を探したりすると、お得に利用することができます。

3つ目は、高速バスを使ったルートです。安さ重視でいくなら高速バスほど適したものはないでしょう。その代わりに、新幹線や飛行機と違ってとても時間がかかります。例えば東京からだと片道9時間前後かかると言われています。お金はないけど時間と体力はあるという方におすすめです。

食べねま!ソースカツ丼

大正時代に誕生したといわれるソースカツ丼は、いまや福井県のソウルフードとなり、多くの人に愛されています。
北陸を訪れた際は、ぜひ足をのばし現地でソースカツ丼を楽しんでみてはいかがでしょうか。その味に虜になることまちがいなしです。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 福井県で単に「カツ丼」といったら、どんなカツ丼のことを指している?

A. ソースカツ丼