バウムクーヘンの層を地層に見立てた、福井県のお菓子の名前は?

恐竜の化石が発見されることで有名な福井県ですが、それにちなんだご当地お菓子があります。バウムクーヘンですが、あの独特の縞模様を地層に見立てたユニークなものです。恐竜の焼き印が入った、おみやげにぴったりなお菓子をご紹介します。

四角いバームクーヘン

はっくつバウムは一般的なバウムクーヘンと違って、円ではなく四角い形をしています。そのきっかけとなったのがバウムクーヘンの生地を巻き付ける棒が折れてしまったことだそうです。思案の末普通のケーキのように型に流し入れてみると、ちょうど段々の層が地層のようになったのだとか。恐竜で有名な場所がらということもあって、恐竜の焼き印を入れたところ福井県らしいオリジナル溢れるお菓子が誕生したそうです。このお菓子を作ったのは、福井市にある「丸岡家」という和洋菓子店です。どうせなら特異性を出すためにということで、本来洋菓子であるバウムクーヘンとの違いを強調し、和菓子としてのバウムクーヘンを作成することを選択。

やさしい甘さを出すために、徳島県産の砂糖和三盆を使用しています。和菓子の良さはしっとりとした口当たりと甘さ。それが活かされたおいしいバウムクーヘンに仕上がり、恐竜発掘にちなんだ命名で、「はっくつバウム」が誕生しました。

奇跡の堆積物である縞々

和風バウムクーヘンが地層に似ているという事実は、前々から言われていました。それにともなっての新しい商品開発だったわけです。長い年月に土や堆積物が積み重なってできた縞々の地層を年縞と言いますが、福井県の年縞は特別な意味を持っています。それは福井県若狭町にある湖「水月湖」の年縞が、地質学的年代を決定する際の世界標準になるということが、2012年ユネスコの国際会議で決定したからです。

水月湖は観光名所でもある三方五湖の一つで、水深が最大38メートルと深い上に他の河川からの流れが入り込まないということで、湖底がかき回されることなく、一つ一つの年代を伝える地層が美しい形で残っているということが特徴です。湖底には酸素がなく少しずつ湖底が下がっていくという特殊な状況から堆積物により湖が埋まることがありません。また生き物も生息していません。それによって何も混ざらない「奇跡の堆積物」と呼ばれる地層が太古の昔から現在に至るまで残っているのです。

焼き印も福井県で発掘された肉食恐竜

はっくつバウムの地層の上に押されている焼き印は「フクイラプトル」です。その名のとおり福井県で発掘された肉食恐竜です。フクイラプトルはそれまでオーストラリア大陸や南米大陸で発見されていた恐竜であり、アジアでの発見はかなり特異なものとされています。めずらしい年縞とめずらしい恐竜が合体することによって、福井県の特性を活かしアピールすることができるお菓子となっています。観光地名のおみやげとして売られているお菓子は、まず見た目で味は二の次のような商品も多いというのが一般的な定説ですが、こちらはそれをくつがえす味も良く見た目もかわいいので、子供から年配の方まで幅広い年代に指示される人気商品となっています。

和風のバウムクーヘンということですが、決して日本茶にだけ合う和風のお茶菓子にこだわったものではなく、コーヒーや紅茶などどんな飲み物にでも合って、どんな料理のお供やデザートとしてもおいしく食べることができます。バウムクーヘンは冷たくなると硬くなりそうなイメージですが、冷えても柔らかな食感を保つことができるのも、丁寧な手作りと努力の為せる業といえるかもしれません。

日本が誇れる自然とともに

全国のいろいろな所に自然の価値を持つジオパークはあります。様々な価値を持ち美しい日本をアピールする一つの手段として、またそれを認識できるアイテムの一つとして、「はっくつバウム」のようなおみやげは大切で嬉しい存在でもあります。

ザ・ご当地検定の問題

Q. バウムクーヘンの層を地層に見立てた、福井県のお菓子の名前は?

A.はっくつバウム

Q. 福井県の名物菓子「はっくつバウム」に焼き印されている恐竜は?

A. フクイラプトル