正式名称を「ホッコクアカエビ」という、福井県名産のエビとは?

福井県の名産品「ホッコクアカエビ」。漢字で表記すると「北国赤海老」となり、日本海からベーリング海、アラスカやカナダ西岸に生息しています。そこで福井県のホッコクアカエビの基礎知識や栄養、食べ方など詳しく解説します。

ホッコクアカエビとは?

「ホッコクアカエビ」という呼び方は聞き慣れない方も多いと思いますが、ホッコクアカエビとはいわゆるアマエビのことです。エビ目、コエビト下目、タラバエビ科に分類されるエビです。日本では島根県から北海道の沿岸にかけて生息しています。主な産地は福井県の他に、北海道や石川県、新潟県や富山県です。1960年代に新潟県などから「ナンバンエビ」という名前で捕獲されるようになり、各地のデパートの物産展で紹介されるようになって日本全国に広まります。

ホッコクアカエビは水深200メートルから950メートル地点に生息していて、春から夏の時期にかけて産卵期に突入するエビです。日本海に生息しているホッコクアカエビは一年おきにしか産卵せず、一度の産卵で2000個から3000個の卵が誕生します。卵は直径1ミリ前後の小さなサイズで、メスは産んでから10カ月間お腹に卵を抱えて孵化するまで待つのです。

ホッコクアカエビは成長の途中で性転換を行うことでも知られていて、産まれてから3年程度は決められた性別はありません。4年目に突入すると全てのホッコクアカエビはオスになり、交尾するとメスに性転換します。平均寿命は11年間と言われていて、生涯に3回ほど産卵をします。ちょうど5年目くらいで性転換するときのオスが一番美味しいとされている時期です。福井県のホッコクアカエビの旬は9月から10月で、海水の温度が下がってきた時期が旬になります。

捕獲方法には底引き網とエビかごがあり、底引き網なら他の魚介類と一緒に獲ることが可能です。エビかごはかごの中にエビの餌となるニシンなどを入れておいて、海底に仕掛けておきます。1日以上放置して、巻き上げると中にエビが入っているという仕組みです。エビかごで獲れたホッコクアカエビは船の中で生簀に入れて運ぶので、鮮度が保たれます。

ホッコクアカエビにはグリシンやアミノ酸が含まれていて、アマエビ独特の甘みを感じさせます。漁獲された直後はあまり甘みを感じることは出来ず、ホッコクアカエビの息が絶えた後に甘みが出てきます。これはホッコクアカエビの特性の一つで、死後にアマエビ自身が持っていた消化酵素の働きによってアミノ酸が生成されるからです。また消化酵素が分解されたことによってとろみが生まれて、よりアミノ酸が感じやすくなることで甘みが増すという説もあります。

ビタミンCも豊富に含まれていて、強い抗酸化作用があります。活性酸素を抑えて不飽和脂肪酸の酸化を防ぐことで、生活習慣病の予防にも繋がるのです。タウリンやアスタキサンチンも含まれていて、タウリンは高血圧や脳卒中、心臓病の予防に役立ちます。アスタキサンチンはエビを茹でると赤くなる成分で、血液をサラサラにしてくれます。殻の部分には不溶性食物繊維があり、便秘の予防や改善も期待することが出来るのも嬉しいポイントです。

ホッコクアカエビを利用した料理には様々な種類があり、お刺し身や天ぷら、味噌汁にアレンジすることが出来ます。最も一般的な食べ方とされているのはお刺し身です。殻の部分が柔らかくて剥きやすいので、簡単に調理することが出来るのがホッコクアカエビの良いところです。水分が多く含まれているのでみずみずしく、甘みや旨味を感じられます。天ぷらは尾っぽの部分だけ残して殻を剥き、天ぷら粉をまぶして揚げるだけです。高温の油でサッと揚げるのがコツです。味噌汁は身の部分や殻、頭などを水に入れて、中火で沸騰させます。水から煮出すとエビの旨味が汁に溶け込み、絶妙な味わいになります。出汁が十分に出たら味噌を溶かして完成です。

海の宝石とも呼ばれるホッコクアカエビ

綺麗な赤い殻とエメラルドグリーンを連想する卵、身の部分は美しい白という見た目から海の宝石とも呼ばれています。舌で味わい、目で楽しむことが出来る福井県のホッコクアカエビには魅力がいっぱいです。身体に良い成分も入っていて、健康のサポートもしてくれます。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 正式名称を「ホッコクアカエビ」という、福井県名産のエビは?

A.アマエビ