福井県の旧国名がつけられた、おいしいカニといえば?

本場の新鮮なカニが食べたい。そんな時は福井県のカニはいかがでしょうか。甘みが強く、数多くあるカニの中で唯一、皇室御用達になっている特別なカニです。そのカニの名前や、特徴について紹介します。

越前ガニの美味しさの秘密

ズワイガニは昔から日本各地で食べられてきたカニで、水揚げされる地域によって呼び名が変わります。福井県の旧国名「越前」で水揚げされているカニなので「越前ガニ」と名付けられました。オスは「越前ガニ」ですが、メスは「セイコガニ」と呼ばれています。では、なぜ、これらのカニが、他のズワイガニと比べて美味しいと言われているのでしょうか。

それは、越前ガニが生息している越前海岸に理由があります。越前海岸は、沿岸部の水深が急激に深くなっていき、水深100m位から約50mずつ段々畑のように深くなっていきます。この急激に深くなる海岸が、カニにとっては住みやすいといわれています。また、暖流と寒流のぶつかる潮目にもなっていて、カニのえさであるプランクトンや小魚、甘えびが豊富にあります。住処と食事が満たされた環境にあることが、他の地域とは違う特別なカニを育んでいます。

特別な越前ガニのなかでも、更に特別な「極(きわみ)」と呼ばれる越前ガニがいます。ゆでた後の重さは1.3kg以上・大きさは、甲羅の幅14.5cm・爪の幅3cm以上必要です。ただ大きいだけでなく、甲羅の硬さや鮮度に至るまでの細かい項目をクリアした越前ガニでないとつけられない称号です。幻のカニとも呼ばれ、全体の0.1%~0.5%程度しか審査を通ることができないと言われています。1人では食べきることができない大きさですが、ぜひ一度、食べてみたいですね。

越前ガニを現地で食べると美味しさ倍増

焼き・ゆで・鍋。カニの食べ方は様々ありますが、越前ガニが一番おいしくなる食べ方は「ゆで」と言われています。栄養豊富な海で育った越前ガニは甘みが強いので、ゆでることで程よい甘さが一層引き立ちます。カニ味噌も堪能できます。越前海岸では、「カニ見10年、カニ炊き一生」という言葉があります。カニを目利きできるのに10年、カニのゆで方をマスターするのには一生かかるという意味です。

そんな心意気を持つプロがゆでて、鮮やかな朱色となった越前カニの美味しさは格別です。カニ味噌の詰まった甲羅にカニ足の身をつけて食べたら、もう美味しさでほっぺたが落ちそうです。身が甘くて濃厚なのでカニ用のお酢なしで美味しく食べられます。カニ足の身は、甲羅に山盛り乗せることができるほど、ぎっしり詰まっています。更に、カニ味噌を食べた後の甲羅に、日本酒を入れてのむ甲羅酒も最高です。福井県には「蟹至福」と命名された、カニのために作られた地酒もあります。この美味しさを、ぜひ現地で楽しんでみてください。

越前ガニだけじゃない。観光も充実している越前町

越前ガニの水揚げ量ナンバーワンの街は越前町です。福井県のほぼ真ん中、嶺北地方西端の日本海側に位置します。越前ガニが取れる越前海岸は、ドライブにも最適です。晴れている日は綺麗な海岸線を見ることができ、荒天の日でも日本海の迫力ある荒波が堪能できます。近くには、自然の風と波によってできたトンネル「呼鳥門」があります。また、露天風呂があるので、ゆっくりと景色を楽しむこともできます。

海の景色ばかりではありません。近くには、日本三大水仙群生地の一つである越前岬があります。越前岬水仙ランドという無料で入れる水仙の名所もあります。他にも陶芸の体験や紅葉のスポットもあります。美味しい越前ガニに舌鼓を打ちながら、ゆっくりと過ごせるのも良いですね。

福井県へ新鮮な越前ガニを食べに行こう

栄養豊富な海と住みよい海岸で育った越前ガニは、甘みが強くとても美味しいカニです。新鮮な越前ガニを地元のプロが調理することで、美味しさも倍増します。越前ガニに舌鼓を打ちながら、福井県でゆっくりと過ごしませんか。

ザ・ご当地検定の問題

Q. 福井県の旧国名がつけられた、おいしいカニといえば?

A. 越前ガニ

Q. 福井県名産の「越前ガニ」は、カニの種類でいうとどれにあたる?

A.ズワイガニ

Q. 福井県で食べられる、ズワイガニのメスの別名は?

A.セイコガニ